「配偶者控除は低所得者に多い」という「民主党批判」は正当か?(2)
2009年 08月 27日
「配偶者控除は低所得者に多い」だから「民主党の配偶者控除廃止+子ども手当て導入はけしからん」という批判が、一部の専業主婦の方や日本共産党からを中心に頂いています。(ただし、わたしの友人の女性の共産党員は配偶者控除は廃止すべきといっていました。)
そのことに対して、本当にこうしたご批判が正しいのかどうか。検証した記事を「博多連々」さんがされていますので、前回に引き続いて、ご紹介します。
配偶者控除は低所得層に多いのか?(その3)
http://ryuseisya.cocolog-nifty.com/hakata/2009/08/3-8f19.html
http://ryuseisya.cocolog-nifty.com/hakata/2009/08/2-be95.html
2009.08.21
配偶者控除は低所得層に多いのか?(その2)
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そのことに対して、本当にこうしたご批判が正しいのかどうか。検証した記事を「博多連々」さんがされていますので、前回に引き続いて、ご紹介します。
配偶者控除は低所得層に多いのか?(その3)
http://ryuseisya.cocolog-nifty.com/hakata/2009/08/3-8f19.html
■申告納税者の所得階層別・配偶者控除適用率
申告所得税標本調査結果 (国税庁>統計情報)
第10表 扶養人員別表 Excelデータより計算
所得 配偶者控除適用率
70〜100万 2.4%
100〜150万 23.5%
150〜200万 37.3%
200〜250万 44.2%
250〜300万 39.2%
300〜400万 37.2%
400〜500万 33.7%
500〜600万 32.7%
600〜700万 34.8%
700〜800万 35.2%
800〜1000万 36.9%
1000〜1200万 35.8%
1200〜1500万 39.6%
1500〜2000万 35.4%
2000〜3000万 32.8%
3000〜5000万 26.7%
5000万〜 25.1%
============
これも、確かに所得5000万円超は200万〜5000万円までの階層より配偶者控除適用率が低い。
そして、150万円以下より高い。低所得と言える100万円以下は2.4%という低さだ。給与所得者と同じ傾向が見て取れる。
■申告納税者の「所得200万〜250万円」は低所得者か?
前にも書いたが、所得と収入は違うので、1年の給料総額が200万〜250万円というわけではない。
同じデータの「第2表 所得種類別表」から、どんな種類の所得なのかがわかる。
「所得階層200万〜250万」の所得種類内訳と人数
所得種類 人数
営業 239,649 ←いわゆる自営業。お店・事務所・工場等の経営
農業 56,778
利子 548
配当 16,986
不動産 200,191
給与 343,993
総合譲渡 2,643
一時所得 21,706
雑所得 557,174(そのうち公的年金等 522,806)
山林 239
退職 108
分離短期譲渡 580
分離長期譲渡 9,024
株式譲渡 10,101
===============
最も多いのが「年金収入を得た人」である。
年金収入から「所得」を計算する式はこちら(公的年金等の課税関係 国税庁)。
所得200万〜250万というと、年金320万〜380万円くらいになる。
これはかなり高額なほうだ。
※参考:地方公務員の年金平均受給額 278.4万円(年間)
会社員の年金平均受給額 202.8万円(年間)
第1号被保険者・満額 約79万円(年間)
現役時代の給与もだいぶ高かったと思われる。その時代も配偶者控除の適用を受けていた人が多いだろう。そして、今も妻に70万円ほどの年金収入があるのであれば、夫婦の収入は400万円前後になる。
300万円以上の年金収入がある人を「低所得者」と見るのは無理があるのではなかろうか。
http://ryuseisya.cocolog-nifty.com/hakata/2009/08/2-be95.html
2009.08.21
配偶者控除は低所得層に多いのか?(その2)
ゆうくんパパさんよりコメント
元のデータは国税庁の「平成19年分申告納税者の実態」です。
国税庁のホームページの「統計」のところにあります。
エクセルデータでダウンロードできますから、計算してみてください。
* * *
なお、民間給与所得者についても、最新の平成19年分のデータで、年末調整をしていない年収2500万円超の納税者のデータまで使って比較すると、高額所得者で配偶者控除の適用率が低くなっているのがわかります。
このデータも国税庁ホームページの「統計情報」のところにあります。
そこのページは前から見ています。いくつもデータがあるから、「どのデータの、どの数値」かを示していただきたかったのですが…(それを特定しないと人によって違う計算しちゃう可能性がある)。
それはともかく、私は計算好きなので(笑)計算してみた。
■民間給与所得者の場合
「民間給与の実態調査結果」(国税庁>統計情報)
第17表 給与階級別の諸控除 Excelデータより計算
給与階級 配偶者控除適用率
100〜200万円 3.4%
200〜300万円 9.4%
300〜400万円 17.2%
400〜500万円 27.4%
500〜600万円 37.4%
600〜700万円 46.5%
700〜800万円 54.6%
800〜900万円 57.7%
900〜1000万円 61.5%
1000〜1500万円 65.0%
1500〜2000万円 62.7%
(年末調整していない)
2000万〜2500万円 44.6%
2500万円超 38.1%
============
なるほど、確かに「2000万円超」は「600万〜2000万円」よりは低い。
(600万円以下の層より高いが…)
私は年収1000万〜2000万円の層はもちろん、400万円以上も「低所得」とは思っていないので、この計算から「低所得層に配偶者控除適用率が高い」とは言えないと考える。上の計算から言えるのは
低所得層→配偶者控除適用・低
中所得層→徐々に高くなる
高所得層(1000〜1500万)→最高
超高所得層→中所得層並みに下がる
でしょう。
注:上のデータは平成19年のもの。
「第17表 給与階級別の諸控除」Excelデータの「その1の1」シート
控除対象配偶者数 ÷ 給与所得者数(納税者)により算出した。
年末調整していない2000万〜2500万円、2500万円超 のデータは、同じページの「第19表 給与階級別年末調整を行わなかった給与所得者数・給与額・税額」Excelデータ「その3」シート
控除対象配偶者数 ÷ 給与所得者数 により算出。
この給与所得者数には独身者も含まれるため、前回エントリのグラフと比べて、特に低所得層の配偶者控除適用率が低く出ている(独身者は低所得層に多い傾向があるから)。
注2:そもそも配偶者控除の廃止は「超高所得層の増税」が目的ではないのだが。「配偶者控除は金持ち優遇だから廃止するんだろう」という捉え方は的を射ていないと思う。
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by hiroseto2004
| 2009-08-27 06:44
| 経済・財政・金融
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