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庶民派知事で何があっても心配いらない広島を ヒロシマ庶民革命


by hiroseto2004

湯浅誠さん、広島で語る

11月2日、反貧困ネットワーク事務局長・内閣府参与の湯浅誠さんが広島に来られ、「派遣村から見える戦争と平和」と題して、講演しました。

「広島県内9条の会ネットワーク」が主催した講演会ですが、会場は満杯となり、椅子を大量に増設しなければならない有様でした。

以下は、湯浅さんのお話の概要です。

■内閣府参与に請われるも苦闘中

 自分は、総選挙期間中、「このままでは今年の冬も去年同様、ひどいことになる」と警告してきました。去年の冬、ご承知のとおり、ひどいことになったわけですが、そのとき、野党だった現与党は政府を批判してきました。しかし、彼らは今与党です。もう、去年の惨状を繰り返すわけにはいきません。ところが去年のような事態=職も家も同時に失うに対応したノウハウがないのです。そこで、自分に白羽の矢が立ち、「年末までの対策」を引き受け、年明け以降は、また菅直人副総理と協議します。

 旧政権でも「第二のセーフティネット」(雇用保険と生活保護の中間的なもの)は立案されました。しかし、困っている人は、自分がどこへ行けば良いかわかりませんし、社会福祉協議会、福祉事務所、ハローワークに窓口が分かれており、往々にして「たらいまわし」がおきます。

 第一に、自分としてはこれをハローワークに窓口を一元化し、そこに福祉事務所、保健所の職員も、弁護士も来てもらい(わたしが参加している反貧困ネットワーク広島でも行なっている「何でも相談会」形式)どこへ行けば良いか途方がくれている人でも、ここへ来ればなんとかなる、という状態にしたいのです(ワンストップ化)。

 こうしておけば、たらいまわしはおきません。たらいまわしは、政府機関同士で距離が離れているから起きるのですが、同じ会場にいれば、たらいまわしはできません。押し付け合いをしていたら怒られるだけですから。

それから第二に、住宅対策。

第三に、年末年始でも役所を開庁する。

この3点をしたいのですが、役所すんなりといきません。まず、厚生労働省の官僚が動きが鈍い。
そして、実際に政策を担当するのは自治体ですが、自治体も「自分のところだけ対策をすれば、そこに周辺から困った人が押し寄せてくる。回りもやるならうちもやる」という消極的な態度です。

「我が自治体でやるから、周りでもやろう」と説得する自治体は一個もありません。

その結果どの自治体も手を挙げません。こうした構図をひっくりかえそうと、日々悪戦苦闘している、ということです。

■地方では家族が変えこむ貧困

今の日本はすべり台です。教育に対して政府がお金をかけない。すると、教育水準が低いまま就職年齢を迎える。労働市場では非正規雇用が拡大している。そこで派遣切りにあっても失業保険も実は機能していない。非正規労働者の77%は未加入だからです。

そうなると、生活保護がある、というが、この生活保護も自治体によっては北九州市のように「水際作戦」で阻止されるわけです。日本では、生活保護受給資格がある人の16%しか受けられないというデータもあります。

家族に頼ればいい、という人もいます。もちろん、頼れる家族がない人よりは、ある人のほうが増しに見えます。
しかし、失業した子どもと、定年退職した親が同居するような状況が長く続くと、軋轢(あつれき)も増してきます。

職もないのに、「お前しっかりしろ」などと親にしかられる。親の時代は、高度成長期で、どんどん給料が上がる時代ですが今はそうではない。しかし親はそれがわからないから、軋轢が増します。そして、しまいに凶悪事件が家族内で発生するわけです。

こういう問題は、家族内で抱え込まれて見えなくなっています。地方では、「派遣切り」などの貧困問題は東京だけの問題と勘違いしている人も多いのですが、それは誤りです。地方では家族が抱え込んでいます。

■正社員=勝ち組のウソ

そして、問題は、派遣労働者だけではありません。派遣労働者の悲惨さが強調されて伝えられるものだから、勢い余って正社員=勝ち組と勘違いしてしまう親や先生も多い。

しかし、いまや、「なんちゃって正社員」も増えている。年収が300万円未満、残業代も出ないような正社員が多いのです。青森県では、最低賃金が賃金水準で、ボーナスなし、昇給なしなどという正社員募集もあります。

あるいは、正社員と同じ仕事をしてフルタイムで働く非正社員も多い。こういう人は、「燃料のように使い切られた」という感想を述べます。

「派遣労働者」は「モノ」のように「ポイ捨て」という感じですが、フルタイム非正社員やなんちゃって正社員は、「燃え尽きさせられる」という感じになります。

もちろん、大手企業の基幹的社員は、相変わらずそれなりの高給は取っています。が、一方で、建設業界の場合、過労死寸前の労働時間の人も2割もいます。

正規になりさえすれば勝ち組、というのはウソです。

社会を変えないとどうしようもないところに来ています。
(つづく)

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