【総選挙】自民党が台風の目、揺らぐ「二大政党制」
2010年 04月 08日
自民党が台風の目になり、二大政党制が揺らいでいる。
といっても日本のことではありません。イギリスのことです。
イギリスの総選挙が、5月6日投票されます。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/politics/election_2010/default.stm
現与党の労働党はブラウン首相が率います。1997年、2001年、2005年と総選挙で「3連勝中」。
その3連勝したブレア前首相から、ブラウン首相は2007年に政権をバトンタッチされました。
しかし、今回はキャメロン党首率いる保守党にリードを許しています。ただ、積極財政をとるなどして、追い上げてはいます。
そんなな中、注目を集めているのが第三党の自由民主党です。BBCも、自民党の党首を、党首討論に呼ぶなど、「泡沫ではない」扱いをしています。
自民党は、元々は、社会民主党(大昔に労働党から分かれた)と、自由党(労働党がない時代には、保守党とともに二大政党を担った。)が合併してできた政党。
路線としては、日本の自民党とは似てもつきません。2003年のイラク戦争では、労働党も保守党も戦争を支持する中で、唯一戦争反対の旗を鮮明にしています。
路線としては読んで字のごとく「自由民主主義」。日本の自民党のように古くさくない。
あえて言えば、「社会自由主義」というのがぴったりくるでしょう。
田中康夫さんが日本では一番近いかな、という感じです。
労働党と保守党の政策が似通ってくる中で、清新さを求めて自民党に流れる無党派層も多いようです。
労働党も保守党も過半数を取れず、自民党がキャスティングボートを握る可能性も出てきました。
二大政党制の「本家」としてよく挙げられるのが、イギリスです。しかし、そのイギリスでも、どうも、「二大政党だけ」ではうまくいかないことが、明白になってきているのです。
日本の場合は、どうやら、現野党(旧与党)サイドが、多党化していきそうな感じがします。
民主党の支持率が落ちても、自民党には行かないでみんなの党が奪っていく。
日本でも、国会で議席を獲得した政党の数を考えると、「二大政党への収斂」は2003年衆院選、2004年参院選で限界にきたのではないか、と思います。
2000年衆院選では、自民、公明、保守、民主、自由、共産、社民の7党が議席を獲得。2001年参院選も同様でした。
2003年衆院選では、自民、公明、保守新、民主、共産、社民の6党に減り、
2004年参院選では、自民、公明、民主、共産、社民の5党に議席獲得政党は減った。
ところが、2005年衆院選では、自民、公明、民主、共産、社民、国民、日本、大地の8党が議席を獲得。
2007参院選でも、自民、公明、民主、共産、社民、国民、日本の7党が議席を確保。
さらに、2009年衆院選では、民主、社民、国民、日本、大地、自民、公明、共産、みんなの9党が議席を獲得。
「多党化」が進んでいます。「選挙制度で無理やり収斂させる」ということに無理がきているように思えるのです。「みんなの党」について、賛同できることがあるとすれば「小選挙区制に否定的」なことでしょう。
たしかに、現行の小選挙区制は、「自民党をぶっ壊す」には役立ったと思います。
大昔、自民党は、中選挙区制度のおかげで勢力を維持してきたといっても過言ではない。同じ選挙区にたくさんの自民党候補がいて、切磋琢磨してきた。
一方で、日本社会党が中選挙区時代、過半数を取れるだけの候補を擁立しようとしなかったし、それに適合した運動をしてこなかった責任もある、とおもいます(社会党支持の労組も同様)。
ところが、小沢一郎さんが中心となって導入した小選挙区制のおかげで、自民党内の良い意味での競争がなくなりました。これが自民党の衰退に拍車をかけた部分はある。そういう意味では、現行制度には功績もあるわけです。
しかし、自民党がつぶれた後はどうなのだろうか?
イギリスでも、「自由民主党」は、小選挙区ではなく比例代表中心の制度を主張している。その党がキャスティングボートを握るかもしれない。
わたしがイギリスの総選挙結果がどうなるか、注目するのは、選挙制度の面でも日本への影響も大きいと思われるからです。
小沢幹事長は、イギリスを結構モデルにしている方です。イギリスで情勢に変化があれば、小沢さんの心境にも変化が出る可能性もあるでしょう。
小選挙区の比重を増やそうという流れ、二大政党制にしようという流れに歯止めがかかる可能性が高まると思うのです。
今、日本国内でも、次々と「一票の格差」が違憲状態にある、という判決が出ています。一票の格差が大きな現行制度がいいのか?それとも、比例代表や中選挙区制(ただし、不毛な同士討ちを避ける連記制がいいと思う)を軸とした制度にするのがいいのか?議論が必要です。
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以下の与党各党も参考に
「建設的野党」日本共産党
解散・総選挙にのぞむ基本的立場(日本共産党)
といっても日本のことではありません。イギリスのことです。
イギリスの総選挙が、5月6日投票されます。
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現与党の労働党はブラウン首相が率います。1997年、2001年、2005年と総選挙で「3連勝中」。
その3連勝したブレア前首相から、ブラウン首相は2007年に政権をバトンタッチされました。
しかし、今回はキャメロン党首率いる保守党にリードを許しています。ただ、積極財政をとるなどして、追い上げてはいます。
そんなな中、注目を集めているのが第三党の自由民主党です。BBCも、自民党の党首を、党首討論に呼ぶなど、「泡沫ではない」扱いをしています。
自民党は、元々は、社会民主党(大昔に労働党から分かれた)と、自由党(労働党がない時代には、保守党とともに二大政党を担った。)が合併してできた政党。
路線としては、日本の自民党とは似てもつきません。2003年のイラク戦争では、労働党も保守党も戦争を支持する中で、唯一戦争反対の旗を鮮明にしています。
路線としては読んで字のごとく「自由民主主義」。日本の自民党のように古くさくない。
あえて言えば、「社会自由主義」というのがぴったりくるでしょう。
田中康夫さんが日本では一番近いかな、という感じです。
労働党と保守党の政策が似通ってくる中で、清新さを求めて自民党に流れる無党派層も多いようです。
労働党も保守党も過半数を取れず、自民党がキャスティングボートを握る可能性も出てきました。
二大政党制の「本家」としてよく挙げられるのが、イギリスです。しかし、そのイギリスでも、どうも、「二大政党だけ」ではうまくいかないことが、明白になってきているのです。
日本の場合は、どうやら、現野党(旧与党)サイドが、多党化していきそうな感じがします。
民主党の支持率が落ちても、自民党には行かないでみんなの党が奪っていく。
日本でも、国会で議席を獲得した政党の数を考えると、「二大政党への収斂」は2003年衆院選、2004年参院選で限界にきたのではないか、と思います。
2000年衆院選では、自民、公明、保守、民主、自由、共産、社民の7党が議席を獲得。2001年参院選も同様でした。
2003年衆院選では、自民、公明、保守新、民主、共産、社民の6党に減り、
2004年参院選では、自民、公明、民主、共産、社民の5党に議席獲得政党は減った。
ところが、2005年衆院選では、自民、公明、民主、共産、社民、国民、日本、大地の8党が議席を獲得。
2007参院選でも、自民、公明、民主、共産、社民、国民、日本の7党が議席を確保。
さらに、2009年衆院選では、民主、社民、国民、日本、大地、自民、公明、共産、みんなの9党が議席を獲得。
「多党化」が進んでいます。「選挙制度で無理やり収斂させる」ということに無理がきているように思えるのです。「みんなの党」について、賛同できることがあるとすれば「小選挙区制に否定的」なことでしょう。
たしかに、現行の小選挙区制は、「自民党をぶっ壊す」には役立ったと思います。
大昔、自民党は、中選挙区制度のおかげで勢力を維持してきたといっても過言ではない。同じ選挙区にたくさんの自民党候補がいて、切磋琢磨してきた。
一方で、日本社会党が中選挙区時代、過半数を取れるだけの候補を擁立しようとしなかったし、それに適合した運動をしてこなかった責任もある、とおもいます(社会党支持の労組も同様)。
ところが、小沢一郎さんが中心となって導入した小選挙区制のおかげで、自民党内の良い意味での競争がなくなりました。これが自民党の衰退に拍車をかけた部分はある。そういう意味では、現行制度には功績もあるわけです。
しかし、自民党がつぶれた後はどうなのだろうか?
イギリスでも、「自由民主党」は、小選挙区ではなく比例代表中心の制度を主張している。その党がキャスティングボートを握るかもしれない。
わたしがイギリスの総選挙結果がどうなるか、注目するのは、選挙制度の面でも日本への影響も大きいと思われるからです。
小沢幹事長は、イギリスを結構モデルにしている方です。イギリスで情勢に変化があれば、小沢さんの心境にも変化が出る可能性もあるでしょう。
小選挙区の比重を増やそうという流れ、二大政党制にしようという流れに歯止めがかかる可能性が高まると思うのです。
今、日本国内でも、次々と「一票の格差」が違憲状態にある、という判決が出ています。一票の格差が大きな現行制度がいいのか?それとも、比例代表や中選挙区制(ただし、不毛な同士討ちを避ける連記制がいいと思う)を軸とした制度にするのがいいのか?議論が必要です。
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「建設的野党」日本共産党
解散・総選挙にのぞむ基本的立場(日本共産党)
by hiroseto2004
| 2010-04-08 12:48
| 国際情勢
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