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by hiroseto2004

「自己責任」「マイホーム主義」論の克服を!

山田昌弘中央大学教授が、日本の若者は親と同居している割合が高いから暴動を起こさない、という趣旨の発言をしたことが、発言から一年近くたったいまも波紋を残しています。

住宅について自己責任、マイホーム主義を前提として、今時の若者を見下していると受けとられかねない発言をしたことがやはり、かなり怒りを読んでいるように思います。

これを機会に、わたくしさとうしゅういちが、2007年に執筆した記事を再掲します。

要旨は
・住宅問題を依然個人責任としていることが問題を悪化させている。
・親との同居は環境面でみても合理的ではないか?
・住宅購入時に発生する土地代が、地主の懐にたまり込み、日本経済の循環を悪くしているという問題もある。
とし、過剰なマイホーム主義を日本は捨てるべき、と提言しています。

http://www.news.janjan.jp/living/0710/0710264635/1.php

依然深刻、住宅問題 今国会でも議論深めよ

さとうしゅういち2007/10/28
日本人が、豊かさを感じられない理由は何か?そのひとつは公的な住宅政策の貧困ではないでしょうか?住居費に多くの費用を特に東京近郊の人は取られてしまうことです。昔からこれは散々言われてきました。しかし、全然改善していないと思います。



 日本人が、豊かさを感じられない理由は何か?そのひとつは公的な住宅政策の貧困ではないでしょうか?住居費に多くの費用を特に東京近郊の人は取られてしまうことです。昔からこれは散々言われてきました。しかし、全然改善していないと思います。

 最近では、マスコミなども親の家から出ない人を「パラサイトシングル」などと揶揄して、住宅問題を「個人の責任」にしてしまっているのですから事態が改善しないのは当然です。

 平成16年全国消費実態調査は以下のように伝えています。

 「●平均消費性向は住宅ローンのある世帯が74.0%。住宅ローンのない世帯が84.0%。平成11年と比べると、それぞれ0.6ポイント、5.3ポイント上昇と住宅ローンのない世帯の上昇幅が大きい。」

参照:
・平成16年全国消費実態調査 二人以上の世帯の家計収支及び貯蓄・負債に関する結果速報(要約)(総務省)

 ローン負担が人々の消費を押さえ込んでいる様子がわかります。ローンによる負担でそもそも消費が押さえ込まれてはいるが、伸び率まで押さえ込まれているのです。

 以下のような国際比較データもあります。

 「次に住宅費であるが、日本の住宅費は25.6%と、北欧の諸国、すなわちスウェーデンの29.6%、デンマークの28.0%を除くと最も高くなっている。もっとも欧米先進国では2割を超える国が多く、途上国のタイが8.7%、インドが11.3%と1割前後、あるいはスリランカが3.6%と小さいのと対照的となっている。」

参照:
・図録▽家計消費の国際比較(社会実情データ図録)

 たしかに私が訪問した北欧のノルウェーでも、住宅価格が高く、農村地帯の「普通の別荘」に見える住宅が1億円します。しかし、北欧の場合は教育費が無料である、介護などのセーフティーネットもしっかりしている、などの要素が大きいので、住宅にその分、「金をかけられる」のです。

 そして、最近、またインフレ傾向の中、庶民の住宅事情に暗雲が垂れこめてきました。「マイホームに手が届かない!」という人々の悲鳴が、週刊誌のタイトルに掲げられるようになって来ました。

■過剰なマイホーム主義に苦しめられる日本人
 さて、日本では、過剰なマイホーム主義が人々を苦しめているのです。

 おそらく、これには、日本人を「政治的におとなしい存在」にしようという意図もあったかも知れない。「人々はローンを抱えるとモノをいいにくくなる」と自民幹部は思ったのかもしれない。

 また、大手企業も、若手には社宅を供給、ついで企業内で住宅資金融資(公務員は共済組合、大手企業は企業内労組が担う場合もあるが実質会社による企業内福祉)を通じマイホーム取得を後押し。

 これは、従業員には有り難いようにみえたが、実は会社が労働者を大人しくさせる政策だったともいえる。ローンを抱え、また配偶者が専業主婦(主夫)ないし低賃金という(主に男性)社員は管理されやすかったといえます。





■「パラサイトシングル」も「親との同居」も経済合理性の結果
 今でも若者は親から独立しないと「パラサイトシングル」などと批判されます。しかし、公共住宅政策が不十分な中ではやむをえないのではないか?むしろ親と同居し費用を浮かし、内需拡大に貢献しているのが彼ら彼女らではないのか?

マネーサプライ」(日本銀行)、「ESRI, 1.統計資料」(内閣府)より筆者作成。GDPの伸びに比して、マネーサプライの伸びは大きい。どこかに「凍りついたお金」があることを暗示しています。">
「マネーサプライ」(日本銀行)、「ESRI, 1.統計資料」(内閣府)より筆者作成。GDPの伸びに比して、マネーサプライの伸びは大きい。どこかに「凍りついたお金」があることを暗示しています。
■土地代が日本経済のブラックホールに
 住宅はたしかに重要な内需項目です。経済発展をひっぱってきました。昨今の格差拡大で住宅を買いたくても買えない人が多いのは問題です。

 しかし、小泉さんによる「改革」が始まる前からある、ここ数十年の構造問題を指摘したい。住宅を買う場合日本では土地代に多くが消えます。

 そして土地代を得た土地の売り主は、たいてい代金を溜め込み消費しない傾向があります。土地代だけに絞った統計は残念ながらないです。ただ、マネーサプライがここ10数年増えているのに、名目GDPがさほど伸びていないのは、土地をとくにバブル期に売った人が、金を溜め込んでいるせいではないでしょうか?

 「ご先祖様にいただいた金だから使えない」、という日本人特有の感情はあるのでしょう。また、そもそも、土地を大規模に売る人はたいていお金持ちですが、そういう人はもともとお金を溜め込みやすい(だからお金持ちになるのです)。

 したがって、とくにバブル経済期以降は、住宅費用は特に一戸建てにおいては、内需拡大への波及効果は薄いのではないか、とも思われるのです。

■住宅増やしてもゴーストタウン増やすだけ
 だいたい、人口はこれから減るのだから、下手に子どもが新たに独立してもゴーストタウンが増えるだけです。現にニュータウンがオールドタウン、ゴーストタウンになりかかっている笑えない実態が広島近郊でもあります。パラサイトシングルや、結婚してからも親と同居することは経済合理性にも環境にもやさしく、大いに結構です。

 むろん、親の家を継げない人も多くいる。個人ごとにいろいろな事情がある。足りない住宅は、どうするか?低所得者に対しては、国や自治体がそれこそ、無料ないし廉価で住宅を貸せばよい。中間層に対しても廉価でそれなりの賃貸住宅はできないか?

 あるいは、阪神大震災や中越地震などの教訓が示すように、しっかりした住宅に住めば、命が助かるのです。とくに高齢者に対しては住宅こそ最大の福祉です。福祉政策と住宅政策をうまく連動させて成果を上げている自治体も多いです。これをさらに充実させていくことも課題です。

関連記事:
・秋田で全国フェミニスト議員連盟の夏合宿

 空いている国有地や公有地などいくらでもあります。そこに低家賃の賃貸住宅を建てればよい。あるいは空き家を国が買い上げるなり、斡旋しても良い。地域によっては「空き家NPO」などもありますが、公的なサポートも必要です。

■地方主権の徹底が東京人も救う
 そもそも、みなさんもご存知と思いますが、東京の地価が高いのは、異常な東京への人口の集中があります。

 その根本は地方に地域でお金が循環する地場産業を育てることに不熱心だったためです。国が公共事業のための起債を地方交付税で面倒を見る政策を取ったために、東京の大手企業ばかりが儲かるような大型事業を優先したのです。

 その結果、若い者は東京に出る。親と切り離される。核家族状態で、仕事も子育てもせざるを得ない。地方で、親との同居率が高い地方圏のほうが、女性も仕事につく率が高いし出生率が高いのは良く知られています。私の地元の人でも、フルタイムで働いたら子どもの相手までは出来ても、家事までは十分出来ないから親に頼ってしまう、と女性も男性も言います。東京では仕事はあるが、男女共同参画度も出生率も低いことを、先般の日本女性会議で学びました。

 だから、地方に産業を興し、分散して住むようにする。親と住むことも選択肢として選びやすくする。もちろん、先ほど述べたような廉価な賃貸住宅を供給するのも、子育て支援を充実させるのも当然です。本当に、本腰を入れた、総合的、多角的なアプローチが必要です。

 地方に産業を興すには、もう、地方に財源と、それから、権限を思い切って渡すしかないと思います。そしてその地域その地域にあった政策を取っていけば良いのです。

 かくて、「地方分散」は東京人のためでもあるのです。そのこと自体は、(私は他の政策は賛成できないものが多いが)石原慎太郎さんでさえもよく理解しているのです。だから、関東地方知事会も、減らされた地方交付税の復元を求めているのです。大問題なのは、庶民感覚のない国政の自民党政治家でしょう。

■国民生活復興のため焦眉の急
 私が思うに、「日本人が金を吸い取られる」2大ブラックホールは、「土地代」と、日本の大手企業が輸出代金で買って持ち続ける「アメリカ国債」です。

 この2つは「ふつうの日本人」が稼いでも稼いでも思ったほど豊かにならないゆえんです。これらのお金がきちんと世の中に出回ったら、景気も回復し、財政赤字などすぐ減ります。そのためには、住宅政策の充実も必須です。

 くどいようですが、2001年以降、小泉さんが内需を押さえ込んだ。このために、企業やお金持ちの余剰資金が投機に流れた。日銀の低金利に便乗し、円を低コストで得たアメリカ人や中国人も日本の土地を買い占めた。そのことで、地価がまた上がっている。

 「ブラックホール」はさらに巨大化しています。そうではなく、住宅政策を見直し、内需を抜本的に拡大する(国民の暮らしを豊かにする)議論をすべきです。生活の三要素として衣食住と言うとおり、「住」も大事です。「食」がいま、食品の安全問題や価格急騰で、危うくなりつつある。住も危うい。今国会では、本気になって政治家は取り組むべきです。

 ただ、2世、3世、4世ばかりが多く、なおかつ「庶民感覚」が欠けている議員が多くなった自民党にそれが可能とは私は思いません。彼ら、彼女らは自分たちは、親から継いだ地盤や家屋敷にのっかっている、庶民をえらそうに批判しています。

 とくにネオコン的な議員の方々は、核家族化して他に頼れない若い人々に「子どもをもっと産め」「女性は家に」などと叫ぶだけで、何の有効な解決策も持ちえていません。笑止千万です。

 低所得の家庭で今、子どもをたくさん産んだ上に女性が働かなかったら下手をすれば一家で飢え死にしてしまうでしょうに。もちろん、そんなこともわからないから、自民党は参院選で「KO負け」したのです。

 私は野党がもっときちんと取り組むべきだと思います。もちろん福田さんも住宅政策は掲げておられますが、今の自民党の構造の中でどれだけのことができるか疑問です。世論を喚起するとともに、きちんと福田さんに、生活復興のための住宅政策を強いていくことを期待します。



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by hiroseto2004 | 2010-11-09 12:28 | ジェンダー・人権(反貧困) | Trackback