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庶民派知事で何があっても心配いらない広島を ヒロシマ庶民革命


by hiroseto2004

ダブル選挙で「与党3分の2」はやはり自信がなかった?安倍総理

 安倍総理は、もともとは「消費税増税の延期」を争点に「衆参ダブル選挙」をやる気満々だったとされています。

しかし、実際にはしませんでした。

そうはいっても、与党で「3分の2」を衆院で取るのは難しい。

そのように判断したから、と見るのが自然でしょう。

参院選は、非改選=2013年には、自民65,公明11、当時の日本維新(与党補完勢力)が8でした。おおさか維新も合わせれば、今回の参院選で、そこそこ自民党が議席を取れば、与党で3分の2の162に達するのも夢ではない。おおさか維新が前回の日本維新通り8議席、公明も11議席取ってくれれば、自民党は改選過半数の61に達しない59議席程度でも補完勢力と併せて3分の2は不可能ではない。

ところが、衆院選となると、野党共闘が立ちはだかります。3分の2を自公とその補完勢力が失う可能性が高い。
衆院で3分の2を切ると、法案や安保法に基づく「海外派兵案」の「ごり押し」がほぼ不可能になります。
野党が粘りまくり、時間切れ戦術に出た場合、いわゆる60日ルールが使えなくなるのです。

第五十九条  法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
○2  衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
○3  前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを求めることを妨げない。
○4  参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

安倍総理としては、現状、3分の2を衆院でも維持した状態で、海外派兵案など暴走できればそれで良いのでしょう。
衆院の3分の2を失うリスクを冒す意味はそもそもなかった。






東京の多摩地区や京都などの大都市近郊では、民主党も共産党もそこそこ強く、一本化すれば自民党は「辛勝一転KO負け」という選挙区もごろごろあります。

50から60は議席を減らす可能性が強い。野党の票を単純に足すと、59選挙区で逆転、というデータもあります。

今の世論の感触は、自民党も爆発的な人気はないが、民主党もそう強くなかった2003年衆院選、2004年参院選の頃に似てます。

2003年、2004年との違いは、民主党が、1)民進党に代わり、2)また共産党が当時よりは2倍くらいの勢いがある、3)おおさか維新の会が存在しない、くらいの点です。
衆院選をこうした現状で行った場合どうなるか?

自民党は、単独では下手をすると過半数をぎりぎり割るくらいの230議席程度。
おおさか維新(25議席前後)や公明(30議席強)と合わせても280議席~290議席程度にとどまり、3分の2の310議席には届かない状況になる。
民進党は、2003年の民主党の獲得議席から、大阪(9議席)兵庫(3議席)の小選挙区議席と比例区の近畿ブロック(11)の大半の議席、東京や南関東、東海あたりで、比例で1議席づつ程度をおおさか維新に奪われる位のイメージでしょう。
ずばり、150議席程度に伸びる。

共産党が25議席程度、社民、生活、オール沖縄系無所属などをあわせて10議席程度。
野党連合は180議席程度になる。

要は、衆院は、小泉政権時代の2003年~2004年くらいの構成に戻ってしまうのです。

これでは安倍総理が解散を先送りも当然です。

そして、強引に
「アベノミクスの成果で景気は良くなっている」
しかし
「リーマンショック前だから『新しい判断』として消費税増税は延期」
という理屈で
「消費税増税延期+衆院解散はなし」
というところに持ち込んだと思われます。

なお、野党側は、揚げ足取りよりは、
1,数度の社会保障充実どころか改悪により、消費税増税の大義が失われたこと。
2,食料品の消費税率は既に独仏より高い一方、大手企業や大金持ちへの課税が十分でないこと。
を前提に、
3,格差是正
を訴えていくべきでしょう。
総理の理屈がめちゃくちゃなのはその通りだが、それに引きずられすぎてはいけないのです。

そして、引き続き、参院選で三分の二を総理と補完勢力に取らせてしまった場合、暴走の可能性は、極めて高いでしょう。
野党と市民連合は参院選を勝ちきる(与党3分の2を防ぐ)とともに、これを反転攻勢の契機として、院内と院外の市民運動を連動させていくべきです。
安倍総理を月にたとえれば、これまで満ちてきた月は欠ける段階に入りました。


by hiroseto2004 | 2016-06-04 16:56 | 経済・財政・金融 | Trackback