大都市近郊エリートの変質とポストモダニズム
2016年 07月 12日
参院選では、兵庫県や大阪府で自公おが議席を独占し、神奈川県でも自公が四議席中三議席を取った。
かつて、兵庫県は「阪本勝」知事、大阪府は「黒田了二」知事、神奈川県は長洲一二知事と、名高い革新知事を生み出した革新地盤でした。国政でも兵庫は元祖護憲派・土井たか子(衆院議長)、神奈川県は飛鳥田社会党委員長と偉大な人材を輩出してきました。
大都市では貧困層では昔から公明が強いのは知られています。大都市で、意外と社会党や市民派の議員とかを支持してたのは、案外、近郊に居住する中流以上のエリートでした。
1990年代、生活者ネットなど市民派の女性議員が一世を風靡したが、その主軸はエリート家庭の高学歴主婦。東大や京大卒の主婦が結構市議とか都議に出た。
地域の医者や弁護士、大学教授の大豪邸の立派な壁に日本共産党の上田耕一郎さんや金子満広さんのポスターが貼ってあったり。近所のエリートサラリーマンの配偶者が生活者ネットの区議や都議になったり。日常的な風景でした。
ところが、今はそういうタイプの人たちは、おおさか維新とか自民党の若手に流れている。
市民派政党の公認をもらっておいて後で「維新」や「次世代」に寝返りと言う若手政治家もいたりしてあきれています。
大都市エリートは世代交代して確かに変質しています。
昔は、「生活に余裕がある人は自民党」と言ってしまうのは実は短絡的でした。
むしろ余裕があるからこそ、市民派の議員とか支援し、環境とか情報公開とか、既成政党を超える成果も上げた。あるいは日本共産党に投票してバランスを取った。
今は全然ちがう。大阪、兵庫、神奈川と言うかつての革新地盤は変質しました。
神奈川は小泉純一郎さんが総理の時代に、自民党の地盤と化しました。現在でも、たとえばみんなの党系参院議員が自民党推薦で再選されるなどしています。
その背景はやはりポストモダニズムの害毒が二十年かけて回ったことだと思う。
その雰囲気に若いときに染まった団塊ジュニア世代くらいのエリートが、社会の主軸を占めていると言うことでしょう。