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庶民派知事で何があっても心配いらない広島を ヒロシマ庶民革命


by hiroseto2004

「長洲一二」神奈川県知事への「反作用」としての「植松聖」被疑者

■「長洲一二」神奈川県知事への「反作用」としての「植松聖」被疑者

相模原大虐殺の現場は、言うまでもなく神奈川県です。
その神奈川県で、植松聖被疑者という男が現れたのは、偶然ではないと思います。
筆者は、1975年から1999年まで知事を務めた「長洲一二」にその背景を求めます。
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長洲一二が犯人というわけではない。しかし、長洲が知事を務めた神奈川県で植松が現れたのは偶然ではないとも思うのです。
長洲は、日本社会党右派を代表する学者で、1975年県知事選挙で革新知事として当選。しかし、79年には自民党も相乗りし、以降はオール与党体制で、なんと毎回の選挙の有力対抗馬が「共産党公認候補」と「日本労働党公認候補」という全国でも面白い?選挙でした。

長洲は「日本社会党公認」ではなく「県民党」を名乗った。
そして、政策自体、実を言えば、自民党政権下での新自由主義路線の原型になる方向性だったのです。
だからといって、金丸信とか竹下登のような農村自民とはほど遠かった。
敢えて言えば、小さな政府+多様性尊重という、ポストモダンな政治家の走りだったと言えます。
同じ神奈川県で、小泉さんが国政へ行ったのと長洲が長期政権を築いたのは根っこは同じだったと思います。
 神奈川県は東京都よりも人口比で見れば、中産階級のインテリが多いくらいではないでしょうか?彼らは左翼というよりは、多様性を好むリベラルで、しかし、格差是正にはさほど関心を払わないという傾向があったと思います。
 腐りきったイメージがある農村自民は大嫌いだから、仕方なく日本社会党、という人も多かったのではないか。
 田舎の泥臭い政治家は嫌いだが、都会的な官僚とか学者、タレントは好き。そういう傾向があったと思います。
 神奈川県は従って、純粋な自民党系の知事は誕生していません。岡崎元知事にしても自社公民相乗りの官僚、松沢知事は民主党右派、黒岩現知事も民主党右派です。基本的には図の右上の領域のスタンスの知事が続いています。
 ただし、そういった神奈川県の中では、貧困は自己責任とされていく。
そして、低所得・低賃金で精神的な余裕がないと、多様性を尊重するなんて優先順位が低くなっていきます。
 されど、多様性尊重&貧困は自己責任(小さな政府)。これが大げさに言えば神奈川県の支配的なイデオロギーです。
 こういう環境では、植松被疑者のような低所得労働者は精神的に追い詰められていくのではないでしょうか?特に、多様性尊重の理想を求められる一方で自分自身は低所得という介護現場の労働者を追い詰めるのではないでしょうか?
 言い方は悪いが、まだ、保守的な都道府県、すなわち多様性尊重などどこ吹く風の都道府県の方が、植松被疑者のような人間にとっては精神的負担は少なかったかもしれないのです。
 長洲県政以来形成された神奈川県のイデオロギー環境のもとで、植松被疑者は暴発した。そして矛先を「多様性尊重」の「受益者」(と植松被疑者が認定した)「障がい者」に向けた。
このようにも考えられるのです。
 ともかく、多様性尊重は格差是正とセットでないと持続可能ではない。
このことを改めて筆者は訴えたいのです。 

by hiroseto2004 | 2016-09-02 21:33 | 相模原大虐殺 | Trackback