沖縄タイムズ記者のこの記事が一番今回の発言への評論として妥当だと感じます。

「バカ」「アホ」は、江戸人、大阪人限定ですが、「対等な相手への挨拶代わり」にとも受け取れます。

ヒートアップした現場で「バカ野郎」とか「アホ」くらいの怒号がお互い飛んでもおかしくはない。だが、それはお互い「対等な紛争当事者(喧嘩相手)」としての言葉の範囲でしょう。抗議側も「この税金泥棒!」くらいは言うことはあり得るでしょうし。

しかし、「土人」となると、侵略者(主に欧米帝国主義)の目線で、先住民をおとしめる言葉になります。

逆に言えば、「土人」という発言をした警官は、自分は琉球に対する侵略者であるとどこかで思っていると言うことになるでしょう。

文明的に進んでいる(帝国主義者)である自らは、「土人」に対して何をしてもいい。そういう文脈で使われた言葉が「土人」です。

アメリカが、戦時中に日本人を「イエロー・モンキー」呼ばわりし、原爆を落としてもいいというところまでエスカレートしてしまったのも似た文脈でしょう。(同じ欧米帝国主義国であるドイツに対しては早く降伏してしまったということはあるにせよ、原爆は使用していません。)

もはや、大阪を含む日本本土は、琉球人を対等に話し合う相手とみていない。そのように琉球人に受け取られても仕方が無いのでは無いかと思います。

「土人」発言 歴史に刻まれる暴言 警察は県民に謝罪を【記者の視点】

警察官による「土人」発言は歴史的暴言である。警察は発言者を特定、処分し、その結果を発表しなければならない。ビデオがインターネットで公開されている。すぐにできるだろう。

 市民らは発言者が大阪府警の機動隊員だとしている。事実なら府警本部長が沖縄に来て、受け入れた沖縄県警本部長と並んで県民に謝罪する必要がある。

 逆に警察がきちんと対処しない場合、それはこの暴言を組織として容認することを示す。若い機動隊員を現場に投入する前に、「相手は土人だ。何を言っても、やっても構わない」と指導しているのだろうか。

 この暴言が歴史的だと言う時には二つの意味がある。まず琉球処分以来、本土の人間に脈々と受け継がれる沖縄差別が露呈した。

 そしてもう一つ、この暴言は歴史の節目として長く記憶に刻まれるだろう。琉球処分時の軍隊、警察とほぼ同じ全国500人の機動隊を投入した事実を象徴するものとして。

 ヘリパッドを完成させ、米軍に差し出すことはできるかもしれない。政府は引き換えに、県民の深い絶望に直面するだろう。取り返しはつくのだろうか。(北部報道部・阿部岳)