エコでフェアでピースな世界をヒロシマから国政へ!成長戦略から成熟戦略。誰もが置きざりにされない社会を。核兵器も原発もない世界を。役人からヘルパーへ。庶民増税より格差是正。ヒロシマの心活かす市民発・政界再編。


by hiroseto2004

トランプ当選、日本共産党と社民党の見解



 米共和党のドナルド・トランプ氏が、大方の予想を覆して、民主党のヒラリー・クリントン前国務長官を破り、接戦のアメリカ大統領選を制しました。既存政治への米国民の強い憤りと不満の強さを表したものです。この声に、次期大統領がどのようにこたえていくのか、注目されます。






二大政党への痛烈な批判

 予備選を含めた年初からの選挙戦は「中間層の反乱」と評されました。生活と国の将来に不安を募らせる多くの国民が、格差の拡大、地方経済の深刻な疲弊、テロと戦争の悪循環など、現実に対する不満と怒りの声を上げました。既存の二大政党に強いノーのメッセージを発したことも特徴です。

 共和党では“トランプ旋風”自体が、従来の共和党の枠を突き崩す出来事でした。トランプ氏は、党内で政治経歴を積み上げてきた人物ではなく、いわば「過激発言」で関心を集めてきた実業家です。支持層には白人層が多く、所得があまり高くない層、大都市部以外に住んでいる層などが多いと指摘されます。

 トランプ氏は、従来の米国政治とそれをすすめてきた政治家を激しく攻撃し、クリントン氏を、深刻な現状をつくりだした張本人だと非難しました。海外への雇用移転を批判して環太平洋連携協定(TPP)に反対したり、ヘッジファンドの税逃れを批判したりするポーズも示しました。自身の政策を「アメリカ第一」と表現し、支持を集めました。

 民主党の側でも、「社会主義」の名のもとに格差是正を強く求めたバーニー・サンダース上院議員が、多くの「ミレニアル世代」(30歳以下の若者たち)の支持をひきつけ、旋風を引き起こしました。ウォール街との緊密な関係を指摘されるクリントン陣営の政策にも影響を与え、富裕層優遇税制の是正、学費負担軽減など、経済の公正な運営のために政府の役割を求める方向が、同党選挙政策の基調となりました。もともと無所属議員としての経歴の長いサンダース氏の健闘も、同党への有権者の強い批判が背景となりました。

 肝心の政策論戦は、「歴史的な醜悪さ」(ニューヨーク・タイムズ紙)と形容されたように、双方の非難合戦の様相を呈し、深まりませんでした。移民やイスラム教徒を敵視し、女性や障害者など少数派をあざけるトランプ氏の選挙戦術は、米社会の深刻な分断をあおることにもなり、批判を受けています。米国社会の深刻な分断を克服するために、次期大統領としてどのような姿勢を示すかが問われます。

 オバマ政権8年後の米国のかじ取りを次期大統領がどう構想するのかも、国際的な関心事です。しかし、トランプ氏の外交政策の具体的内容は不明のままです。

外交戦略をどう具体化

 トランプ氏は、選挙の論戦で、イラク侵攻はもともとすべきではなかったとして、同戦争を支持したクリントン氏を批判しましたが、過激組織IS対策については軍事対応の大幅強化を主張しています。同盟国への財政負担の大幅拡大を求めているのも特徴です。一時は日本や韓国の核武装を容認する発言をし、物議をかもしました。

 来年1月20日の就任までの間、トランプ氏が外交戦略をどういう方向で、どう具体化していくのか、注目されます。



 日本共産党の志位和夫委員長は9日、アメリカ大統領選挙の結果について次のような談話を発表しました。

 8日おこなわれたアメリカの大統領選挙で、共和党のドナルド・トランプ氏が勝利した。

 トランプ氏の勝利は、格差と貧困の拡大、中間層の没落などに苦しむアメリカ社会の矛盾と行き詰まりの一つの反映にほかならない。それはまた、多国籍企業中心のグローバル資本主義の陥っている深い矛盾を示している。

 トランプ氏は、移民問題などいくつかの危惧される発言を行っているが、新大統領として、今後どのような政策を提示するのか、注視していきたい。


2016年11月9日

アメリカ大統領選挙の結果について(談話)

社会民主党幹事長 又市征治

1.本日、アメリカ大統領選挙の開票が行われ、共和党候補のドナルド・トランプ氏が接戦の末民主党候補ヒラリー・クリントン氏を下した。政治経験は全くないものの著名な実業家であるトランプ氏の、「偉大な米国を取り戻す」との訴えが、格差や貧困の拡大、ウォール街を中心とする既得権や既存政治への強い不満を持つ大衆の感性に響いたのであろう。しかし、移民やイスラム教徒に対する無用の憎悪をあおるなど、極端な排外主義と宗教保守主義の強調、メディアを駆使し、大衆の鬱屈する心情に扇動的に訴えかけるやり方は、危険なポピュリズムといわざるを得ない。

2.アメリカの経済力が弱まる中、自国の発展のためにこそ予算を使うべきだというトランプ氏は、在日米軍撤退や日本核武装容認などを打ち出し、日米安全保障条約についても「不公平だ」と指摘し再交渉に言及している。日本から援助を得る駆け引きであり、日本が駐留経費の負担を大幅に増額させられる可能性や、アメリカの戦争に日本がより巻き込まれ肩代わりさせられる危険性も払拭できない。トランプ氏が何を要求するにしても、思いやり予算は廃止すべきであり、駐留経費の負担増や核武装は断じて応じられない。それで米軍が撤退し、「駐留なき安保」に進んでいくのであれば、非軍事面での日米協力を強化する立場からはむしろ望ましいともいえる。

3.2期8年のオバマ民主党政権の下、日本政府は、「日米同盟」強化として、日米防衛協力指針の改正、武器輸出三原則の見直し、「戦争法」制定など、日米の軍事一体化を進めてきた。日本にとって、対米関係が重要であることは疑いないが、アメリカの世界的な軍事戦略に日本が従属するような構造からは脱却しなければならない。社民党は、トランプ氏の大統領就任を日本の安全保障と外交の歪みを正す機会と捉え、平和憲法を外交政策の柱に据え、毅然とした姿勢のもとで主体的で対等な日米関係を構築していくよう求めていく。

4.米軍人・軍属による女性の人権を踏みにじる卑劣な事件が繰り返されるなど、沖縄県民、基地周辺住民は日米同盟の犠牲になってきた。「自由と民主主義」を標榜するアメリカ大統領として、沖縄県民の民意を尊重し、辺野古新基地建設や高江ヘリパッド建設の即時中止、普天間飛行場の即時閉鎖・全面返還をはじめとする沖縄県民の基地負担の軽減や日米地位協定の全面改正に取り組むよう求める。

5.経済政策的には保護貿易主義を掲げているトランプ氏は、自由貿易は外国製品の流入を招き労働者から職場を奪うという考え方から、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定について、「アメリカを犠牲にして日本が大きな利益を得る」「ひどい協定」であるなどとして反対している。トランプ氏とは考えを異にするが、我が国も多国籍企業の利益を優先するTPP協定承認を急ぐべきではないと考える。

6.レーガノミクス以来の新自由主義によって、アメリカは、1%の富裕層が富を独占する一方、99%の国民に格差と貧困が広がり、希望が見いだせない、「格差先進国」、「貧困大国」となった。とりわけ学費が高騰し、卒業と同時に約2万7千ドルの学生ローンの借金を背負い、卒業後の仕事も非正規雇用しかない若者層に、絶望と閉塞感が募っている。17か月に及ぶ今回の大統領選挙で注目された「サンダース旋風」や「トランプ現象」は、格差と貧困の拡大、深刻な不平等による社会と経済の歪みに対し、強い不満が広がっていることの表れである。アメリカ社会の抱える深刻な矛盾をどう解決していくのか。社民党は、SNSなどのソーシャルメディアを活用し、雇用創出、最低賃金の引き上げ、公立大学の授業料無償化、累進課税による真の税制改革、人権としての皆保険、男女平等など、ラディカルな政策を訴え、格差・貧困を拡大している不公正な社会のシステムそのものの是正を求める、1980~2000年頃に生まれた若者(「ミレニアル世代」)を中心とする新しいリベラルの動きに注目していく。

以上


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by hiroseto2004 | 2016-11-11 06:26 | 国際情勢 | Trackback