トランプ大統領よ、あなたのやったことは全く法的根拠がない
2017年 04月 08日
今回のトランプがやったことは、国際法上まったく根拠はありません。
国連決議はもちろんありません。
イラク戦争の時のブッシュでさえ「テロをアメリカにやってくる国への予防的な先制攻撃」という形での「自衛権の発動」とこじつけていたが、それでさえもありません。
反政府勢力支援といっても、国家としての体はないので集団的自衛権でもない(ロシアによるアサド政府支援は同盟国への集団的自衛権と見なせる。なお、アサド政府やロシアによる空爆を肯定するわけではない。)。
そして化学兵器もアサド政府のものか確定していない。イスラム国やヌスラ戦線も化学兵器を持っていると化学兵器禁止機関は確認しています。
以上のように、トランプのシリア攻撃には、法的には何の根拠もありません。
戦略的にも不味かった
戦略的にもこういうやり方は不味かったのではないか?
現在、シリアはアサド政府、反政府勢力(ヌスラ戦線など)、ISの三国志状態です。
基本はアサド政府と反政府勢力の停戦をまず何とか実現して、ISを倒すというのが定石でしょう。
しかるのち選挙でシリア国民の判断を仰げばよい。
やはり、支持率低下の中での打ち上げ花火+在庫整理ということなのでしょうか。
ただ、法的根拠さえない攻撃は、なおさら敵を増やし、戦略的にも前途多難になるのではないでしょうか?
また、金氏朝鮮への牽制球という見方もあります。だが、実際には、金正恩「帝」がむしろ焦って軍拡を急ぐ結果になりかねません。
また、「化学兵器を使ったかどうか疑わしい」段階のアサド政府を攻撃する一方で、イエメンにクラスター爆弾を使って攻撃しているサウジアラビアはおとがめなしです。
こういうところがアメリカの信用度をおとしていくのですよ。
トランプ
さん。