仏メーデー行進で暴動、警官6人負傷 大統領選投票、週末に控え
2017年 05月 02日
フランス大統領の決選投票を5月7日に控えて、フランス各地で大統領選に反対するデモが各地で開かれる中で、一部が暴徒化。パリでは火焔瓶を投げつけられた警官が火だるまになった。ガーディアンなどが報じた。
ハフポスト・フランス版によると6人の警官が負傷し、うち2人は重傷で入院しているという。マティアス・フェクル内務相は会見で「数百人のプロの活動家がいて、警官隊を攻撃するために参加していた」と話した。
フランスではメーデーの1日に労働者たちがデモ行進をするのが慣例になっており、フランス全土で14万2000人が参加した。今回はフランス大統領選の決選投票に進出した極右政党「国民戦線」のマリーヌ・ルペン党首と、元銀行家のエマニュエル・マクロン前経済相の双方に投票したくないという人たちが各地でデモに加わった。
パリでは、1回目の投票で敗れた急進左派のメランション氏の呼びかけで集まった多くの若者たちが、「どちらにも反対する」と書いたプラカードなどを手に大通りを練り歩いた。
ル・モンドによると、デモに参加した女性は「私にとってマクロンもルペンも大統領にふさわしいとは思えません。一人は人種差別主義者だし、一人は労働組合を排除することで社会を分断しようとしている」と話していたという。
【5月2日 AFP】フランスの首都パリ(
)で1日、メーデー( )に合わせて行われた労働組合のデモ行進が、暴動に発展した。一方、決選投票を6日後に控えた仏大統領選挙では、トップを走るエマニュエル・マクロン( )候補が極右候補のマリーヌ・ルペン( )氏を非難。同国が抱える分断が浮き彫りになっている。労働組合の活動家ら数万人が参加したパリのデモ行進では、火炎瓶を投げる覆面姿の若者らに機動隊が催涙ガスで応酬する衝突があり、警官6人が負傷した。
AFPのカメラマンは、機動隊の警官1人が炎に包まれる様子を撮影した。マティアス・フェクル(
)内相は暴力行為を非難するとともに、警官1人が手に、別の警官1人が顔にそれぞれ重いやけどを負ったと説明。ただ、写真の警官がどちらなのかは明らかにしていない。ルペン候補はツイッター(
)投稿でデモ現場での衝突に言及し、「このような混乱を(中略)これ以上、われわれの通りで目にしたくない」と批判。さらに、マクロン氏が体現する「金融、傲慢、そして金が王様となる世界」を拒否するよう有権者に呼び掛けた。一方、マクロン候補は数千人の支持者を前に演説し、7日の決選投票で有権者に選ばれれば「自由な民主主義」を守ると熱弁をふるった。(c)AFP/Guy JACKSON/Clare BYRNE