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by hiroseto2004

【歴史/財政】「緊縮財政リベラル」浜口雄幸への反動としてのファシズム

井手英策先生の議論の難点

「緊縮財政リベラル」浜口雄幸への反動としてのファシズム

浜口雄幸という昭和初期の首相(立憲民政党)。

立憲民政党というのは、今で言う多様性尊重のスタンス(現代で言うところの市民派っぽさ)を取る一方で緊縮財政主義だった。凄まじい緊縮財政を取った結果、「大学は出たけれど」という状況を招いた。
(ちなみに、立憲政友会=田中義一は、いまの安倍総理に似て、積極財政だが、中身が大手企業、軍拡に偏っている、という感じであり、主に地方を基盤としている点も似ている。)

そのことへの反動が、1930年代の青年将校(いわゆる「皇道派」)らによる「天誅!」の動き、さらには、「天誅!」で既成政党政治家や元老が排除されたことを背景とした「統制派」(東條英機)の権力掌握とその後の暴走につながったのは間違いない。

現代で言う立憲民政党は、1990年代の橋本龍太郎(故人、権力基盤は、自社さ連立で、今よりは「リベラル」だった)や小泉純一郎さん(女性閣僚を多く任命)、あるいは、民主党右派という感じだろうか。多様性尊重や一定の「市民派っぽさ」の一方で、緊縮財政主義という感じである。

その時期に、特に団塊ジュニア世代以下の困窮も進んだ。
「既成政党に天誅!」のノリの大阪維新などが台頭。反自民票が割れ「平成の東條英機」とも言える安倍晋三が返り咲いた。

安倍晋三の政治というのは、要は人々の「バブル期への郷愁」に便乗しつつ、自分自身の理想である「戦前どころか、封建時代を取り戻す」ということである。

もちろん、バブル期と今では条件は違いすぎる。大型ハコモノよりは、老朽インフラの更新、災害復旧(原発の廃炉も含む)であり、介護や保育、教育、さらにはエネルギーシフトに重点を置くべきだろう。労働力不足になっている現在では、より必要なところに労働力や資源が行くように工夫すべきであり、おそらく五輪をやっている余裕もなければ、今後、原発を動かしている余裕もない。

社会福祉については、企業に依存するこれまでの福祉から、個人を尊重する福祉へ切り替えないといけない。2009民主党政権の「国民の生活が第一」はおおむね「個人を尊重する福祉」という趣旨であったと思うし、大筋では間違いなかった。

ただ、前原誠司さんがもし代表になった場合、井手英策先生の指導の下、民進党が消費税大幅増税という方向に舵を切ることになるのではないか?

そして彼が総理になった場合、浜口雄幸や橋本龍太郎と同じ誤りを犯すことになりかねないと思う。

なるほど、経済成長は高度成長期ほどはないだろう。他方で、財政を黒字化しないとすぐ破綻するかのようなイメージに囚われると、逆に危ない。繰り返すが、たとえば日本政府(年金も含む)は、大量の外国証券を持っている。

 昔のアルゼンチンのような政府信用の失墜=大幅円安が万が一、起きたとしよう。だが、その瞬間に大幅円安により、日本政府所有の外国証券の価値は円ベースでは暴騰し、債務と資産のバランスは大幅に改善されることになる。(国債は円建てで発行しているので政府債務の円ベースでの価値に変化なし。)

 財政破綻のリスクを過大評価して、消費税の大幅増税を含む緊縮財政を行えば、その打撃は特に庶民を直撃する。

 しかし、実を言うと、薄々と多くの国民はそのことを感じている。何度も消費税増税がされても、福祉が良くなっていないことを実感しているからだ。井手先生がいくら、福祉の充実を力説しても、国民は納得しないだろう。

 消費税増税をいきなり掲げる政党に投票するほど、国民は愚かではない、とわたしは確信している。

 ただし、その「愚かでない」結果として、安倍総理が万が一「消費税減税」でも掲げた場合には、自民党をまたまた勝たせてしまうことになる。

 そして、その結果、総理の国家私物化は無罪放免とされ、暴走は続く結果になるだろう。

 パナマ文書でも明らかになったが「違法ではないが大手企業やお金持ちがセコい方法で税金を逃れている」実態がある。

 確かに、北欧の福祉国家の消費税率は高いが、日本の場合は、人口規模も違いすぎる。

現実的には、これまでも、日本がお手本としてきた英独仏が比較対象であるべきだろう。独仏よりも食料品にかかる消費税率は日本は高い。イギリスの場合はそもそも食料品と本(さすが教養を重視する国!)などは非課税だ。

こうしたことを踏まえ、消費税率、とくに食料品のそれへの引き上げは現実的ではない。むしろ、空洞化した大手企業や大金持ちへの課税の「強化」というより「再建」が必要だろう。

敢えて民進党が打ち出すなら、「消費税よりは国際連帯税」の議論をむしろした方が良いと思う。グローバルな金融取引などに課税し、貧困や疫病、環境対策に充てると言う方向である。

結論として
1,財政再建至上主義に陥らないこと
2,個人を重視した福祉への移行(これは井手先生とわたしで一致する点)
が必要であり、
・消費税率引き上げよりは、大手企業・大金持ち課税の「再建」
・消費税率引き上げよりは国際連帯税
であろう。

民進党が浜口雄幸・立憲民政党の誤りを繰り返さないことを願う。 

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タイトル : 井手先生は「現実的」なのか?
【歴史/財政】「緊縮財政リベラル」浜口雄幸への反動としてのファシズム 井手先生は「現実的」なのか? 井手先生は「現実的」だから「消費税増税」を言っているという面はあると思う。 しかし、それは逆だと思う。「消費増税」というイメージで捉えられた時点で、自民党に勝てなくなる。その時点で実現性がなくなるでしょう。 そんなことは、菅直人内閣で実証済みでしょう。 そもそも、財政黒字化を前提としている時点で、井手プランはその点が決定的な弱点です。 社会保障を先行実施して、一定程...... more
by hiroseto2004 | 2017-08-15 17:45 | 歴史 | Trackback(1)