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庶民派知事で何があっても心配いらない広島を ヒロシマ庶民革命


by hiroseto2004

そして、ついに「独身者に天誅!」の時代に

1980年代後半くらい、農民や国鉄など、主に「田舎」に「天誅!」という雰囲気が、大都市のサラリーマン層を中心に高まった。

その後、「弁護士に天誅!」「医者に天誅!」「商店主に天誅!」という「都市部の既得権層」に「天誅!」という雰囲気が強まった時代があった。1990年代後半の司法改革とか、医療改革、あるいは大店法廃止の時代である。

さらに、2000年代の後半あたりからは、格差拡大を背景に、「大手企業正社員に天誅!」「公務員に天誅!」という世論誘導が、一部左翼も含めてなされた。

2010年代に入ると、「高齢者に天誅!」という世論誘導もさかんになってきた。

「恵まれている」印象の人たちへの「天誅!」の裏腹に「生活保護者へのバッシングなども進んだ。

そして「独身税」という提起が、30~40代の母親たちによって行われるに至った。

独身者は恵まれているから、税金を重くしろ、と。

議論が粗雑すぎる。財務官僚もその場では、各種控除や手当などで既婚者・子育て世帯に配慮しているという回答をしたという。

ただし、こういうことが世論としてある、ということが可視化されたことで、2020年代に向け、「独身者に天誅!」が大きな流れになる危険はある。

他方で、こういうことがあると、既婚子育て世帯への独身者、すなわち、若い人だけでなく、中高年の単身者、シングルマザー/ファザー、高齢者の単身者の総反発が強まることも予想される。その結果として起きるのは、罪のない子どもたちがとばっちりを食うことだろう。

「天誅!」を繰り返してきた結果、日本はすっかり暗い社会になってしまった。もちろん、ひょっとしたら、全ての人が「天誅!」の対象になり、「天誅!」が不毛であることを悟るときが来るかもしれない。しかし、それでは遅すぎると思う。

だいたい、今の「天誅!」は戦時中の青年将校による「天誅!」よりもレベルが低い。戦時中の青年将校はそれでも、財閥の規制、再分配強化など、後に、結局GHQが行うことになる改革を提案していた。現代の「天誅!」にはそういう視点はほとんどない。

「戦前・戦時中に戻る」どころではない。封建時代に戻っているだけではないのか?

政党・政治家や官僚、大学教授や著名ジャーナリスト以外の人を批判というのはよほどのことがないとしたくはないが、今回のケースでは、炎上した当事者が、市役所の「ママ課」という形で、政策を左右するような立場にあるわけだから、批判は覚悟していただきたいと思う。


by hiroseto2004 | 2017-09-03 20:02 | 思想・哲学 | Trackback