ミャンマーのイスラム教徒に対する犯罪の継続 子ども・女性26人死亡
2017年 09月 03日
ミャンマーには「仏教徒過激派」という人たちもおられます。そういう人たちが、軍と一緒にイスラム教徒を迫害しています。
目撃証言による報告が、ミャンマー軍はもっとも悲惨な形でロヒンギャ族のイスラム教徒を虐殺していると伝えています。
IRIB通信によりますと、タイ・バンコクに本拠地を置く人権団体フォーティファイ・ライトは、1日金曜、ある村から、ミャンマー西部ラカイン州の都市ラテダウンに避難した、ロヒンギャ族の目撃証言による報告を発表しました。
この証言者は、ミャンマー軍の兵士は子供を斬首し、人々を生きたまま焼殺していると語っています。
また、ミャンマー軍はラカイン州の村で、およそ200人のロヒンギャ族を殺害したとしています。
さらに、目撃者の話によりますと、ミャンマー軍は多くのロヒンギャ族の人々を拘束し、竹でできた檻の中に閉じ込め、そこに火をつけているということです。
先月25日からこれまで、ミャンマー西部ラカイン州では、軍のイスラム教徒に対する弾圧的な攻撃が新たに大規模なものとなり、これにより400人が死亡しています。
国連は2日土曜、ロヒンギャ族のイスラム教徒6万人は、この8日間で、ミャンマー軍の暴力により、住む家を捨て、バングラデシュに避難することを余儀なくされていると発表しました。
ミャンマーのイスラム教徒に対する犯罪の継続
ロヒンギャ族のイスラム教徒多数が、ミャンマー軍の弾圧から逃れようとして、バングラデシュとの国境にある川で命を落としました。バングラデシュの国境警備隊の公式発表によれば、この出来事で、少なくとも子供11人と女性15人が命を落としたということです。こうした中、国連は、ミャンマー西部ラカイン州で、ロヒンギャ族のイスラム教徒の住宅2600棟以上が軍によって燃やされたと発表しました。国連人権高等弁務官事務所の報告でも、衝突の拡大により、およそ6万人のイスラム教徒がバングラデシュに避難したとされています。
ロヒンギャ族のイスラム教徒に対する暴力の新たな波は、ミャンマー政府軍がラカイン州に派遣されたことによって始まりました。この派遣の結果に対する政界の抗議にも拘わらず、ミャンマー政府は、これらの軍隊は、ロヒンギャ族のイスラム教徒の治安を確保するために派遣されたと主張しました。しかし、ミャンマー政府軍自身が、彼らを殺害し、暴力の元凶になっていることが改めて証明されています。イスラム教徒の一部は、直接、銃撃を受けるなど、過激派仏教徒の暴力によって死亡しています。また一部は、ボートの転覆や飢餓によって死亡しています。こうした中、ミャンマーの政治・経済改革の実施後、この国の政府には、ロヒンギャ族の問題の解決に向けて措置を講じることが期待されていました。なぜなら、ミャンマー政府は、イスラム教徒に市民権を与えず、彼らが殺害されたり、迫害されたりする原因を作っているからです。ドイツ・ハイデルベルク大学のラール教授は次のように語っています。
「ミャンマーの政治・経済改革により、都市人口の経済状態は改善されたが、農村地帯や辺境地の住民は、その恩恵にあずかっていない。それどころか、多くの少数派にとっては、住む家を守ることが非常に難しくなっている」
ロヒンギャ族のイスラム教徒に対する新たな暴力の波が続く中で、西側は、ミャンマー政府の反発などを懸念し、沈黙を守っています。西側にとって、経済的な利益は、人権問題などよりも優先されます。アメリカ・ワシントンに住む、パレスチナ系アメリカ人のジャーナリスト、バルド氏は、次のように語っています。
「ミャンマーへの制裁の解除後、西側は、この国の天然資源を利用する機会を得た。西側諸国は、それを人権問題よりも優先させている。そのため彼らは、ミャンマーのイスラム教徒の殺害に対して沈黙を守り、自分たちの経済的な利益のみを追求しているのだ」