ロヒンギャ虐殺に国連安保理懸念、イラン最高指導者顧問、「イスラム世界は、ミャンマー政府の犯罪行為に沈黙しない」
2017年 09月 14日
ミャンマー政府軍と仏教徒過激派によるロヒンギャ虐殺に対し、国連、そしてイランなどのイスラム諸国の対応です。
国連安保理が、ミャンマーのイスラム教徒に対する暴力に懸念を表明
国連安保理が、ミャンマーのイスラム教徒に対する暴力を非難し、彼らの状況について懸念を表明しました。
フランス通信によりますと、国連安保理は、13日水曜、声明の中で、ミャンマー西部ラカイン州のロヒンギャ族のイスラム教徒に対する暴力を停止させるための緊急措置を求めました。
安保理はまた、ラカイン州への救援隊の到達を求めました。
国連の難民高等弁務官事務所は、13日、「ミャンマーのロヒンギャ族のイスラム教徒に対する暴力が再開されてから、これまでに、およそ38万人のイスラム教徒がミャンマーから隣国のバングラデシュに避難しています。
イラン最高指導者顧問、「イスラム世界は、ミャンマー政府の犯罪行為に沈黙しない」
イランイスラム革命最高指導者の国際担当顧問を務めるヴェラーヤティー氏が、ミャンマー政府を西側の傀儡政権だとし、「イスラム諸国は、ロヒンギャ族のイスラム教徒に対するミャンマーの政府軍と過激派仏教徒の犯罪に抵抗する」と語りました。
ヴェラーヤティー顧問は14日木曜、「アメリカは、ミャンマー政府の犯罪の共犯者である」とし、「イスラム諸国は国際機関を通じて、この独裁政治を阻止するだろう」と述べました。
イランのガーズィーザーデ保健医療教育大臣も14日、ミャンマーのイスラム教徒の残忍な殺害を非難し、「イランからの医療スタッフや医療機材の提供に関して、特にWHO・世界保健機関を初めとする国際機関との間でやり取りが行われた」としました。
先月25日から現在までに、ミャンマー西部ラカイン州ではロヒンギャ族のイスラム教徒に対する政府軍の新たな攻撃により、6000人以上が死亡したほか、8000人が負傷し、数十万人が隣国のバングラデシュに避難しています。
ラカイン州では、2012年からミャンマーの政府軍と過激派仏教徒による、ロヒンギャ族のイスラム教徒の攻撃が行われていますが、同国に在住する100万人のロヒンギャ族のイスラム教徒は、市民権を与えられていません。
イラン大統領特別補佐官が書簡にて、スーチー氏に大量殺害の停止を要請
イランのモウラーヴェルディー市民権担当大統領特別補佐官が、ミャンマーのアウンサン・スーチー国家顧問に対する書簡を送り、ミャンマーでのイスラム教徒の大量殺害の停止を求めました。
イルナー通信によりますと、この書簡では、ロヒンギャ族のイスラム教徒への無残な殺害が非難されるとともに、スーチー氏に対し、「我々は、貴殿が過去において少数派の人々の権利を維持するために必要な法律の制定を強調しが、現在、その理念の実現、確固たる一歩を踏み出すことを期待している」とされています。
モウラーヴェルディー大統領特別補佐官はまた、「私は、市民権問題を担当するイラン大統領副題という立場から、貴殿に対し、単なる立場の表明ではなく、即時に具体的な行動をとり、歴然とした人権侵害となっている、ミャンマーでも前代未聞の暴力行為を止めさせ、被害者らへの国際的な人道支援の提供を平易化するよう求める」としています。
さらに、「スーチ氏の努力により、近年ミャンマーの西部で発生している衝突や問題の収束への道が開かれ、同国政府が少数民族であるロヒンギャ族に、他の民族と同様に正式に市民権を与え、彼らを暴力や差別から守るよう希望する」となっています。
先月25日から始まっている、イスラム教徒に対する過激派仏教徒とミャンマー政府軍による再度の暴力により、これまでに数千人のロヒンギャ族のイスラム教徒が死傷したほか、30万人近くが隣国に避難しています。