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by hiroseto2004

イラクのクルド人自治区の独立問う住民投票、イランの報道

本日実施のイラクのクルド人自治区における独立の是非を問う住民投票。
クルド人のイラク政府への怒りはもっともですし、そもそも国境線を勝手に引いたのは当時の英仏帝国主義というのも事実。
しかし、いざ、独立となれば課題は山積みです。
イランもクルド人を抱えており、警戒している立場と言うことは割り引いた上で、以下の記事を読んで頂きたいと思います。
第一の目的、クルド人の英雄になること

第一の目的は、住民投票の実施によって、クルド人の英雄や指導者になることです。住民投票で独立に多くの賛成票が投じられたとしても、それが実現しない可能性もあります。バルザニ議長は、今後、別の人物がクルド人自治区のイラクからの独立に関する住民投票を実施し、独立が実現して、その人物がクルド人の英雄になることを阻止しようとしています。なぜなら、住民投票のタブーは、すでにバルザニ議長が破っているからです。言い換えれば、バルザニ議長は、住民投票の実施により、クルド人の歴史に永遠にその名を刻もうとしています。

第二の目的、クルド人を、要求を訴えるイラクの少数派にすること

第二の目的は、イラクのクルド人を要求を訴える人々にすることです。言い換えれば、バルザニ議長は、住民投票の実施によって、イラクからの分離独立を、クルド人にとって非常に強い要求であるように示そうとしています。こうした中、もしクルド人が独立を望んでいることが住民投票で証明されたとしても、それをひとつの権利と見なすことはできません。なぜなら、クルド人自治区はイラクの領土の一部であり、世界には他にも、さまざまな民族が暮らす国が存在します。あらゆる民族が住民投票によって国からの独立を求めれば、世界の多くの国の領土保全は危機に直面するでしょう。そして、政府から住民投票の結果が受け入れられなければ、流血の戦争が始まります。これは現在、一部の国の関係者やアナリストが、バルザニ議長が住民投票の実施に固執した結果として、警告している点です。

第三の目的、国内や地域の関係者を試すこと

第三の目的は、国内や地域の関係者を試すことです。バルザニ議長は、国内や地域からの数々の警告を真剣に捉えておらず、住民投票の実施によって、国内や地域の関係者が、その警告を実際に実行するのか否かを見ようとしています。もしそれらの警告が実際に行われれば、クルド人自治区は、流血の惨事に陥るか、トルコ、イラン、シリアなどの国による、非暴力的な反応を目にすることになります。流血の惨事になれば、まず犠牲になるのはバルザニ議長自身であり、非暴力的な反応の結果、クルド人自治区は、社会的、経済的に大きなダメージを蒙ることになるでしょう。もしこれらの警告が実行には移されず、クルド人自治区がイラクからの独立においてそれほどの問題に直面しなくても、バルザニ議長は、“クルド人の英雄になること”、という最大の目的を実現することができます。とはいえ、このような状況になることは考えにくいでしょう。各国の関係者の意志を試すことは、政治音世界においては、理性的で賢明な行動とは言えません。なぜなら、流血の惨事、あるいは経済的、社会的な問題という結果につながることになるからです。






  • イラク、クルド人居住区
    イラク、クルド人居住区

イラクのクルド人居住区の分離独立の是非を問う住民投票の問題は、依然としてイラク人の間で議論されており、イラクの近隣諸国は、この投票の実施に反対しています。この中で、イランは、イラクのクルド人居住区の住民投票の実施そのものに反対しています。

一部の地域諸国、そして地域外のアメリカをはじめとする国々は、この住民投票の実施に反対していますが、投票そのものには反対しておらず、実施の日程が不適切だとしています。このような立場は、イラクの分離を支持していることを示しており、それは、アメリカとシオニストが望んでいることです。この中で、シオニスト政権イスラエルの法務大臣は、11日月曜、「イスラエルはイラクのクルド人居住区の分離独立を支持する」と語りました。シオニスト政権の政治家が、クルド自治政府のバルザニ議長の立場を支持していることは、住民投票の危険な側面を物語っており、バルザニ議長の意志とは根本的に異なっています。

シオニストは、バルザニ議長が訴える住民投票を支持していますが、イラクのクルド人の権利を守ろうとはしていません。それどころか、イラクと、その周辺国や地域の地理的な状況の破壊を狙っています。イスラエルは、この政策をシリアに関しても追求しましたが、それが実を結ぶことはなく、現在、シリアの政治や戦闘において敗者となっています。

クルド人自治区の分離独立に関する住民投票の実施の危険な結果は明らかであり、そのため、イランはその実施に強く反対しています。この反対は、住民投票そのものと、それによる危険な結果に対するものです。これについて、イラク駐在のマスジェディ・イラン大使は次のように強調しています。

「イラクのクルド人居住区の分離独立の是非を問う国民投票へのイランの反対は、イラクのクルド人の同胞にはっきりと伝えられている」

マスジェディ大使は、11日月曜、イラクのメディア関係者やエリートらとの会合で、イランが住民投票そのものに反対しているのは、さまざまな状況の分析に基づいたものだとし、次のように語りました。

「イラクのクルド人自治区は現在、安定した状況にあり、住民投票は、この地域に、イラク政府や地域諸国との政治、安全保障、経済面での危機をもたらすことを意味する」

イラク、クルド人居住区

バルザニ議長の考える住民投票は、法的な側面すら持たず、戦略的な過ちと見なされます。それが9月25日に実施された場合、その結果は、クルド人自治区を超えて実感されることでしょう。この戦略的な過ちは、イラクの現在の状況だけに関するものではありません。住民投票の実施に固執することは、それがいつ行われたとしても、イラクや地域の統一、領土保全、安全保障に破壊的な影響を及ぼします。このような状況の中で、イランをはじめとするイラクの近隣諸国は、地域の現在と今後の状況を理解し、クルド人自治区の分離独立に関する住民投票そのものに断固反対する立場を表明することを、自分たちの権利であると考えています。

西アジアは危機的な状況にあります。テロ組織ISISの危機により、別の形によって地域の情勢不安を継続させるような機会を作ることは、地域の独立諸国が望んでいることではありません。このような状況の中で、地域の安定と安全を、自分たちの安定と安全と考えるイランのような国は、シオニストの望みである、このような機会が生まれることを決して許してはならないのです。


by hiroseto2004 | 2017-09-25 21:02 | 国際情勢 | Trackback