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庶民派知事で何があっても心配いらない広島を ヒロシマ庶民革命


by hiroseto2004

貧困の連鎖を断ち切り、広島県民の生活底上げ実現を求める要請書

貧困の連鎖を断ち切り、広島県民の生活底上げ実現を求める要請書

反貧困キャラバン広島実行委員会は、昨日から広島県内に入り、今日から福山市など東部の自治体への要請行動を行っています。

以下は、その要請文です。

広島県知事 藤 田 雄 山 殿(各自治体首長名)
平成20年9月  日
 
反貧困キャラバン広島実行委員会
委員長    山  田  延  廣
後 援
広島弁護士会
広島司法書士会
広島県労働者福祉協議会
広島県社会福祉士会
広島県生活と健康を守る会連合会
広島県クレサラ被害者連絡協議会(つくしの会)

第1  要請の目的
貧困の連鎖を断ち切り、広島県民の生活の底上げを実現するため、労働、社会保障、多重債務各分野にわたる下記事項を要請いたします。

第2 要請の趣旨
(労働分野)
1.貧困問題の最大の要因は労働者派遣法にあります。労働者派遣法の規制強化・改正は急務であり、すでにその方向に流れは大きく変わっていることから、国に対し、日雇派遣の禁止と派遣料金のマージン率規制、派遣対象業務の専門的業務への限定および登録型派遣の廃止を含む労働者派遣法制の抜本的改正を行うよう要求するよう要請します。

2.国に対し、雇用形態の違いによって賃金等の労働条件に差異が生じないよう、労働条件の均等待遇を立法化するよう要求するよう要請します。

3.生活保護基準にも満たない広島県最低賃金を早急に引き上げ、生活保護基準との逆転現象をなくすよう、また、最低賃金の時給を1000円に引き上げるよう要請します。

4.非正規公務員の一方的な雇い止めを禁止し、均等待遇原則に基づく労働条件の処遇改善を図り、また、非正規公務員の正規公務員化を促進するよう要請します。

5.指定管理者制度を見直し、公立保育所をはじめとする公共サービスの民営化、外注化をやめ、また、公共サービス現場で働く労働者の労働条件基準を保障する「自治体公契約条例」を制定するよう要請します。

(社会保障分野)

1.国に対し、社会保障費の抑制方針を改め、生活保護費の国庫負担割合増大により生活保護制度を充実させること及び年金給付額が生活保護基準を下回ることのないよう公的年金給付額を引き上げることを要求するよう要請します。

2.国民健康保険の資格証明書の発行がなされている場合にはその発行を中止するよう要請します。

3.身近な相談機関として、消費生活相談窓口、生活保護を担当する福祉事務所、家庭内暴力・児童虐待相談窓口など庁内の連携強化、各窓口への福祉専門職配置などきめ細やかな相談体制を構築し、県民の健康と生活を守るよう要請します。

4.社会保障の最後のセーフティネットである生活保護に関し、福祉事務所の窓口規制など違法な運用がなされないよう指導するよう要請します。

5.就学児童を持つ家庭に対し、公立高校の授業料減免制度および就学援助制度の広報を周知徹底するよう要請します。

6.国に対し、介護労働者の人材確保のため介護報酬を引き上げることを要求するよう要請します。また、国の制度が変わるまでの間、介護報酬の上乗せをおこなうとともに、低所得者には介護保険料の減免をおこなうよう要請します。

7.「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」に即し、ホームレス対策に関する「実施計画」を早急に策定し、効果的かつ効率的な施策を総合的に推進するよう要請します。
(多重債務分野)

1.政府の多重債務者対策本部は,2007年(平成19年)に決定した「多重債務問題改善プログラム」において,多重債務問題が深刻な社会問題であるとの認識のもとに,丁寧に事情を聞いてアドバイスを行う相談窓口の整備・強化を最も重要な課題と位置づけていることから、多重債務問題を始めとする消費生活相談窓口の充実・強化を行い、広報等を通じて相談窓口の周知に努めるよう要請します。

2.庁内の連携を強化し、多重債務者を早期発見し、相談窓口につなぐよう要請します。

3.多重債務相談にあたる消費生活相談員・県民相談員などの人員を増やし,労働条件等の待遇を整備するよう要請します。

4.サラ金に依存しないためには、セーフティーネット貸付(社会福祉協議会による生活福祉資金、自治体による母子寡婦福祉資金等)の制度上および運用上の改善をおこない、県民にこれら貸付制度の広報を徹底するよう要請します。

5.ヤミ金融は犯罪であり,元本の返済義務もないことを県民に周知するとともに,ヤミ金融の取締を徹底して行うよう要請します。

第3 要請の理由
1.広がる貧困の現状

(1)不安定就労と低賃金労働の拡大

正規雇用の労働者が減少する一方、パート・アルバイト・契約社員・嘱託・派遣などの非正規雇用の労働者は増加し、2007年(平成19年)には非正規雇用の労働者が全労働者の3分の1を超えるに至っており、広島県でも正規労働者75万9000人に対し、非正規労働者41万2000人と、その割合は35.2%に至っています(平成19年総務省就業構造基本調査速報)。このように正規雇用から非正規雇用への切り替えが進み、不安定就労者や低賃金労働者が増大した結果、必死に働いていても苦しい生活しか送ることのできない人たちが増加し、年収200万円以下の給与所得者はついに1000万人を超えました(国税庁平成18年分民間給与実態統計調査)。とくに介護現場は、ハードな労働であるにもかかわらず賃金が低いため、人手不足が深刻化しています。
また、就業中に社会保険に加入できず、失業しても失業手当をもらうことのできない人たちの増加も懸念されます。

(2)無年金者の増大

老齢年金は、長期間にわたって保険料を支払い続けなければ受給できず、そのうえ受給できたとしても年金だけで生活できる水準ではありません。
老齢基礎年金の年金額を2007年(平成19年)度でみると、20歳から60歳までの40年間きちんと満額の保険料を支払い65歳から受け取る場合でも、月額の年金額は約6万6000円にすぎません。生活が苦しくて保険料を支払えない人たちも増加しており、今後、無年金者の急増が懸念されます。

(3)生活苦による借金と自殺

生活苦から高利の貸金業者から借入れをする人たちが多数存在しますが、その結果、多重債務に陥り、借金の返済に追われ、一層苦しい生活に追い込まれています。自殺者は、1998年(平成10年)から9年連続で毎年3万人以上に及び、そのうち経済苦・生活苦による自殺者は2002年(平成14年)以降8000人前後で推移し、2007年(平成19年)においても7300人ほどに及んでいます(警察庁統計資料)。

(4)社会的孤立

家族や友人らとのつながりを失って孤立した人たちは、生活苦から家賃が支払えなくなると、住居を失って野宿生活者やネットカフェ難民となり、地域社会から一層孤立しています。野宿生活者は2008年(平成20年)1月時点で全国に1万8564人いると報告され(厚生労働省「ホームレスの実態に関する全国調査」)、ネットカフェ難民は2007年(平成19年)8月時点で全国に約5400人いると推計されています(厚生労働省「住居喪失不安定就労者の実態に関する調査」)。孤立は社会全体に広がって、住居での孤立死も発生しており、高齢者の孤立死の防止が課題となっています。

(5)ホームレスの若年化

 2007(平成19)年1月に実施されたホームレスの実態に関する全国調査で18,564人のホームレスの存在が確認され、2003(平成15)年調査時から6,732人減少してはいますが、ホームレスの高齢化・長期化、不安定就労に起因する若者世代のホームレスの増加が進んでいます。不安定雇用や貧困の連鎖を無くし、根本的な対応策をとらない限り、民間団体等が支援をおこなっても新たなホームレスの発生を食い止めることはできません。しかし、県も市町も「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」(本年7月告示)に基づくホームレス対策に関する「実施計画」をいまだ策定していません。また、福祉、雇用、住宅、保健医療等の関係部局・関係団体との連携もいまだ不十分と言わざるを得ない状況です。

(6)世代を超えて広がる貧困

就学援助を利用する世帯は増加しており、就学援助の受給者は2004年(平成16年)度で全国に約133万7000人、受給率は全国平均で12.8%に及びます(文部科学省統計資料)。また、授業料や給食費の滞納の増加も指摘されています。生活が苦しい世帯は子どもに十分な教育費をかけることができず、低学歴となった子どもたちが不安定就労や低賃金労働に従事し、子どもたちに貧困が連鎖していることが懸念されます。

(7)多重債務と貧困問題のつながり
 多重債務者の多くは,借金の問題を人に隠そうとするため相談窓口に訪れにくい心境にあります。この点、多重債務者は,税金や公共料金等を滞納していることも多いため,自治体から滞納徴収という形で住民に接触する機会があり、多重債務者の掘り起しが期待されますが、いまだ庁内の連携は十分とは言えません。

また、多重相談窓口の職員数や労働条件も十分なものとは言えません。
さらに、母子家庭、高齢者、障害者等の低所得者層のように銀行等の金融機関から借り入れをすることができない人が病気、事故など緊急時に高利の消費者金融から借り入れをしてしまうという事態が絶えず、また、総量規制など貸金業法の改正に伴い、従来借りていた人が貸付を受けられなくなることから、セーフティーネット貸付けの早期整備が求められます。しかし、既存の公的融資制度はほとんど活用されておらず、広島県内でも生活福祉資金貸付金の一つである緊急小口資金の平成19年貸付実績は申込みがわずか9件、申し込み金額合計が63万円と極端に少ない状況です。

ヤミ金融については、その行為が現行出資法の上限金利(29.2%)に違反し、出資法5条2項により5年以下の懲役が科される犯罪であり、最高裁判所平成20年6月10日判決も,借主(被害者)は借りた元本すら返還する義務がないことを明確に示していますが、相談を受けた警察官がヤミ金融被害者に対し,「借りたものは返しなさい」という誤った対応をおこなう例が多々見られます。

2.貧困対策の必要性
上記のような現状は、日本に貧困が急速に広がっていることを示しています。また、貧困を防止し、あるいは貧困から救い出す社会の仕組みがきちんと機能せず、人々の生存さえ脅かされていることを物語っています。県民の間に将来に対する不安は確実に広がっています。

ところが、国は、最後のセーフティネットである生活保護の捕捉率調査を行わず、貧困の実態をきちんと把握しようとしていません。昨年末には生活保護の基準を引き下げようとし、それが世論の反発を受けて阻止されると、今度は生活保護の通院移送費の原則廃止を強行しようとしました。さらに、権限移譲の名の下に地方に生活保護の責任と費用負担を負わせようとする動きも強まっています。国は、全国各地に広がった貧困の実態を正視していません。このままでは、ますます貧困が広がり、県民の「健康で文化的な生活」を実現することは困難となります。
すでに世代間に貧困の連鎖が生じ、国の将来を担う子どもたちにも貧困は拡大しています。貧困の連鎖を断ち切る対策は喫緊の課題です。

3.結語
  以上の理由により、貧困の連鎖を断ち切り、誰もが地域の一員として安心して生活し続けることのできる社会にするため、県民生活の底上げを求めて、要請致します。



9月8日から9月11日にかけて、西日本ルートのキャラバンカーが広島県内を走っています。

10日には以下の集会が開催されますので、よろしくご参加ください。

反-貧困キャラバン2008広島集会
~人間らしい生活と労働の保障を求めて、つながろう!!~

日 時 : 9月10日(水) 18:00~
場 所 : 広島県庁前広場
訴 え : 労働現場からの訴え、生活保護生活者、サラ金被害者からの訴え
石口俊一広島弁護士会会長のはなし
山田延廣実行委員長のはなし
集会後、路面電車通りを稲荷町までデモ行進します。

反貧困全国キャラバン2008
≪主催≫ 
反貧困全国キャラバン2008広島実行委員会

実行委員長  弁 護 士 山 田   延 廣
事務局      弁 護 士 秋 田 智 佳 子
お問い合せ先 TEL:082-227-8181
≪後援≫ 
広島弁護士会
広島司法書士会
広島県労働者福祉協議会
広島県社会福祉士会

   ☆ どなたでもご参加いただけます ☆

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