中選挙区制の復活を求める声が多く感じる今日この頃 : 広島瀬戸内新聞ニュース（社主：さとうしゅういち）

今回の総選挙で、いつになく感じたことがひとつあります。

それは、『中選挙区制』を懐かしむ声がいつになく強かったことです。

2003年、2005年の総選挙ではそういう声はあまりなかった。

ところが、2005年の総選挙で、自民党が圧勝し、議席を悪用しだしてから、小選挙区制について疑問を呈する声が強まった感じがあります。

そして、１人区で民主党が圧勝した2007参院選のころからそれが強まった。

さらに、今回総選挙で民主党が圧勝する勢いが報じられると、自民党支持の方から、自分たちがまけそうだから、ということを割り引いても、中選挙区制を懐かしむ声が強まりました。

そして、現実に民主党圧勝となってみると『こりゃ怖い』という声が、民主党に投票した人からもでています。

わたしは、中選挙区制に戻すなら過半数連記制がいいと思います。

定数５なら三人まで連記できる。

そうすると、中選挙区制の同一政党の同士討ちはなくなる。あるいは、民主党と共産党とか、男性と女性とか、バランスを取った投票も可能です。

護憲派のみなさんが民主党の比例定数８０削減に反対することについては、わたしも概ね賛成です。

しかし、どうせやるなら対案をだしたほうがよい。その有力な案のひとつが中選挙区連記制です。

完全比例代表が望ましいが、中選挙区制復活が社民党や共産党はもちろん、公明党や自民党も賛成しやすい。

中選挙区制なら社民党でも、大分とか沖縄、秋田、新潟、香川あたりでいけそうです。小選挙区制であきらめて民主党にいっていた票ももどります。共産党なら京都や大阪、東京でかなり取るでしょう。国民新党も亀井久興さんらが復活。

自民・公明も賛成でしょう。無所属の市民派も、国会を狙えます。

自民党を木っ端微塵にした小選挙区制は、歴史的役目を終えていると思われます。たしかに、自民党をぶっ壊すには、中選挙区制は良かった。

かつては、多様な人材がいた自民党が、いまや執行部にはむかう人も余りいない有様です。それは、現行選挙制度が、異様なまでに「執行部本位」なシステムだからです。

http://www.news.janjan.jp/government/0907/0907187332/1.php

衆議院選挙制度改革試案
http://www.geocities.jp/multiple_seat/index.html

政界再編のバイタリティーを取り戻すためにも中選挙区制はよいと考えます。たとえば「みんなの党」ももし、中選挙区であれば、1993年総選挙（中選挙区制最後の総選挙）の日本新党並みに旋風を起こせたでしょう。

ちなみに、参議院の例でいえば、大昔、「全国区」がありました。1983年の参院選から全国区の変わりに「拘束名簿方式」の比例代表を導入。しかし、5回の選挙を経て2001年の参院選からは非拘束名簿方式の比例代表制にしました。

このように、5回程度試したあと、制度を変更した例もあります。衆議院においても今の「小選挙区比例代表並立制」が導入されて5回の選挙を経ました。

そろそろ、総括が必要ではないでしょうか？もちろん、今は「生活再建」が最優先です。しかし、比例代表を減らして小選挙区ばかりにする、という今の民主党のマニフェストをまともに実行するとえらいことになると思います。

そこで、わたしは、対案として「中選挙区連記制を提案します。

記事へのご意見・ご感想はこちら(hiroseto（ＡＴ）f2.dion.ne.jp、（ＡＴ）を＠に変えてください)へどうぞ！

なるほど！と思ったら下をクリックお願いします！