2009広島県知事選の特徴 : 広島瀬戸内新聞ニュース（社主：さとうしゅういち）

広島県知事選が１０月２２日(木)告示されました。

今回の知事選の特徴は以下です。

第一に、主要政党が、県民が望んでいる、と見られる「チェンジ」（県政刷新）より、県議会の対立構図をそのまま持ち込んだことではないでしょうか？

全国的にいえば「チェンジ」を有権者が求める傾向が読み取れます。

自公＋労組相乗りの官僚市長が続いていた千葉市長選挙での民主党推薦・31歳市長の誕生。横須賀市での自公相乗り官僚出身市長を倒しての33歳市長誕生。宝塚市での、男性自民系市長二代連続逮捕を受けての女性市長誕生など、枚挙に暇がありません。

民主党広島県連も一度は独自候補を模索しましたし、若手や女性の党員・支持者には独自候補を後押しする動きが強い。しかし、最終的には、県議会での自民党刷新会議との連携を重視し、相乗りで湯崎英彦さんを推しました。現知事を支える「与党」の枠組みを維持したのです。

一方、自民党も、自民党議員会（檜山派）と自民党刷新会議（反檜山派）の対立を抱えていました。その結果議員会出身の河井案里さんからでていた推薦願いを県連は取り下げてもらう事態になりました。そして、河井さんは離党して無所属出馬となりました。

結局、民主党と県議会民主県政会、自民党刷新会議が湯崎英彦さんを、自民党議員会と国民新党の亀井代表が河井案里さんを推す構図です。

県民にとってはわかりにくい構図です。

■[政治]なんともわかりにくい広島県知事選 11:56

以上のようなご意見が県民の今の雰囲気を表していると思います。

広島でももやもや感を感じる県民が多いわけです。政党の構図がわかりにくいのはもはややむをえないかもしれないが、論戦で候補者がわかりやすい政策転換を提示することが求められます。

第二に政策的な対立軸と支援政党のねじれです。

前自民党県議の河井案里さんと民主党を除籍になった前県議の柴崎美智子さんがネオコン的な路線に見えます。

大手企業を誘致するという柴崎さんは、大手企業が潤えば中小や労働者も潤うというトリクルダウンそのものの主張です。

県事業を民営化する河井さんは、小泉路線を彷彿とさせます。

　一方で、新自由主義批判で鳴らし、大臣としては新自由主義を否定する政策を次々と打ち出す国民新党の亀井静香さんが、知事選では新自由主義の河井さんを推しています。

こうしたことが、知事選の構図をさらにわかりにくいものにしています。

　無党派を打ち出す川元康裕さんと共産党公認の村上昭二さんが生活重視の「今」の民主党的路線（実際には今の民主党の路線は共産党の模倣ですが）。湯崎さんがその中間というところでしょう。

市民の声を聞くという点は、村上さん、川元さん、湯崎さんが盛り込んでいます。

湯崎さんが経済政策的にも、政治的にも真ん中な候補です。

第三に女性立候補者が五人中、二人と四割になったことです。

ただし、女性立候補者二人が、最もネオコン寄りであることは皮肉です。

とくに保守政党では議員になるために女性ほど保守的になって生き残りを図らないといけない実情があるのでしょう。

参考リンク・記事

広島県知事選に向けた公開討論会10月14日に開催された公開討論会の様子です。

2009広島県知事選特集トップページ - 中国新聞・・よくまとまっています。

・「広島県知事選」のタグ付き記事
・いよいよ今日、広島県知事選告示
・広島県知事選、ほぼ構図が固まる
・宮城県知事選「民主苦戦」の暗雲、広島にも拡大？
・湯崎英彦さんと民主党の課題
・福山駅前街宣＆鞆の浦視察
以下は弊紙主筆執筆のJANJANニュース
・広島県知事選、民主独自候補断念で「与党分裂」へ
・「エライ人だけでつくる」から「みんなでつくる」広島県へ
・広島県知事選　民主・自民とも独自推薦候補を断念 2009/10/10
・広島県知事選挙、民主党が党主導で独自候補 2009/09/17
・「エライ人だけで作る」から「みんなで作る」広島県へ 2009/09/09
・県政無惨　広島県知事引退で残された苦すぎる教訓 2009/06/25

各候補者のサイト

ゆざき英彦のオフィシャルサイト
かわもと康裕オフィシャルサイト（川元康裕）
柴崎美智子オフィシャルホームページ
日本共産党広島県委員会
広島県議会議員河井あんり

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