なぜ、広島県知事選はわかりにくく見えるのか?
2009年 10月 23日
広島県知事選が10月22日(木)告示されました。11月8日(日)が投票日です。
届出順に
川元康裕さん(無所属、学習塾経営)
柴崎みち子さん(無所属、前県議、民主党を除籍)
村上昭二さん(共産党、党県委員長)
湯崎英彦さん(無所属、元通産官僚・コンサルタント、民主党県連・連合広島・民主県政会・自民党刷新会議支援)
河井案里さん(無所属、前県議、自民党を離党、自民党議員会支援)
が立候補されています。
NHKニュースなどで流れた各候補の第一声及び、マニフェストを分析すると以下のような主張を各候補はしています。
川元さんは、「藤田県政を応援した勢力に支えられた知事ではだめだ」と断じ、「しがらみのなさ」を強調しています。
柴崎さんは、「大手企業の誘致を通じ、県民所得を底上げする」と主張。
湯崎さんは、「中小企業など、広島県が持つ強みを引出す県政にする」と主張。
河井さんは、藤田県政16年間を「空白」と批判し、「県事業の民間移管を進める」と主張しておられました。
こうした新人候補者5人で争われることになります。
ただ「わかりにくい」という声も多い。
下記ブログはその代表例です。
[政治]なんともわかりにくい広島県知事選 11:56
「やっと藤田県政16年の呪縛から逃れられるというのに、なんだか、寂しい選挙戦になりそうです。」という気持ちはわかります。では、なぜ、そうなってしまうのでしょうか?
なぜでしょうか?
「議会の対立構図をそのまま知事選に持ち込んだ」ことがあげられます。
民主党広島県連も一度は独自候補を模索しましたし、若手や女性の党員・支持者には独自候補を後押しする動きが強かったのです。
広島県知事選挙、民主党が党主導で独自候補
しかし、最終的には、県議会での自民党刷新会議との連携を重視し、相乗りで湯崎英彦さんを推しました。現知事を支える「与党」の枠組みを維持したのです。
広島県知事選 民主・自民とも独自推薦候補を断念
一方、自民党も、自民党議員会(檜山派)と自民党刷新会議(反檜山派)の対立を抱えていました。その結果議員会出身の河井案里さんからでていた推薦願いを県連は取り下げてもらう事態になりました。そして、河井さんは離党して無所属出馬となりました。
結局、民主党と県議会民主県政会、自民党刷新会議が湯崎英彦さんを、自民党議員会と国民新党の亀井代表が河井案里さんを推す構図になったのです。
選挙を巡る各政治勢力の対応がわかりにくいのは、もはや、仕方がない。従って、論戦で候補者が、わかりやすい政策軸を提示することが求められます。
■政策と支援勢力のねじれ
第二に政策的な対立軸と支援政党・勢力のねじれです。
湯崎さんについていえば、「広島県は他にはない力も財産もあるのに、どうしてこうなってしまったのか?」(本人HPより)と、藤田県政に対して憤りを表明しておられます。また、藤田県政が進めた外部大手企業誘致よりも、むしろ地場の中小企業の競争力をつける事を重視しています。そういう意味では藤田県政から「チェンジ」しているといえます。
ただ、「湯崎さんは、藤田知事と同じ支持者に支えられているじゃないか?」という批判もないわけではない。実際、川元候補は第一声で「今までの県政を支えてきた人に支えられるような知事を選ぶのか?」と暗に湯崎候補を批判する演説を行なっています。
本当の事を言えば、民主県政会の議員も、連合広島参加の組合員、おそらく保守系の良識派の人も、藤田知事のリーダーシップのなさには辟易しているのです。しかし、「檜山前議長が権力を振るっていた時代よりはマシ」という理由で、2003年以降は檜山前議長と手を切っていた藤田知事をやむなく支えていたという人も多い。
県政無惨 広島県知事引退で残された苦すぎる教訓
しかし、そういう部分までは見えにくいのです。そして、それに反発する形で、社民党や民主党を支持している人でも、湯崎さんではなく川元さんを支持したり、「共産党か棄権か」という人もおられるようです。
また、勝手に知事選立候補を表明したとして、民主党を「除籍」となった柴崎さんは「大手企業を誘致し県民所得を底上げする」と主張します。これは、「大手企業が潤えば中小や労働者も潤う」というもので、典型的な自民党政治のモデルです。これが本当に元民主党県議か?と耳を疑う主張でした。そういう意味では「わかりにくい。」
また、「県事業を民間移管する」と主張する河井さんは、小泉路線を彷彿とさせます。たとえば、県立の病院を民間に移管したところで、利益は出ないから結局行き詰まってしまうのではないか?そういう危惧を抱きます。
ところが、新自由主義批判で鳴らし、大臣としては新自由主義を否定する政策を次々と打ち出す国民新党の亀井静香さんが、知事選では新自由主義の河井さんを推しています。
無党派を打ち出す川元康裕さんと共産党公認の村上昭二さんが生活重視の「今」の民主党的路線(実際には今の民主党の路線は共産党の模倣ですが)に近いでしょう。
産業政策的には、地場中小企業重視の湯崎、大手企業中心の柴崎、河井というのがわたしの印象です。また、経済政策全般から言えば、生活重視が川元・村上で、企業重視が柴崎・河井で、その中間が湯崎という感じでしょう。
政策軸は比較的思ったよりはっきりしているのですが、候補者の政策軸と、支持する組織や政治勢力の間にねじれがあるように見えてしまうことも、「わかりにくさ」に拍車をかけています。
各候補者のWEBサイトなど
かわもと康裕 オフィシャルサイト (川元康裕)
柴崎美智子オフィシャルホームページ
日本共産党広島県委員会
ゆざき英彦のオフィシャルサイト
広島県議会議員 河井あんり
参考リンク・記事
広島県知事選に向けた公開討論会10月14日に開催された公開討論会の様子です。
2009広島県知事選特集トップページ - 中国新聞・・よくまとまっています。
・「広島県知事選」のタグ付き記事
・2009広島県知事選の特徴
・広島県知事選挙の告示に当たって・・「みんなでつくる広島県」マニフェストを発表
・いよいよ今日、広島県知事選告示
・ 広島県知事選、ほぼ構図が固まる
・宮城県知事選「民主苦戦」の暗雲、広島にも拡大?
・湯崎英彦さんと民主党の課題
・福山駅前街宣&鞆の浦視察
以下は弊紙主筆執筆のJANJANニュース
・広島県知事選、民主独自候補断念で「与党分裂」へ
・「エライ人だけでつくる」から「みんなでつくる」広島県へ
・広島県知事選 民主・自民とも独自推薦候補を断念 2009/10/10
・ 広島県知事選挙、民主党が党主導で独自候補 2009/09/17
・「エライ人だけで作る」から「みんなで作る」広島県へ 2009/09/09
・県政無惨 広島県知事引退で残された苦すぎる教訓 2009/06/25
各候補者のサイト
ゆざき英彦のオフィシャルサイト
かわもと康裕 オフィシャルサイト (川元康裕)
柴崎美智子オフィシャルホームページ
日本共産党広島県委員会
広島県議会議員 河井あんり
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以下の与党各党も参考に
「建設的野党」日本共産党
解散・総選挙にのぞむ基本的立場(日本共産党)
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川元康裕さん(無所属、学習塾経営)
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が立候補されています。
NHKニュースなどで流れた各候補の第一声及び、マニフェストを分析すると以下のような主張を各候補はしています。
川元さんは、「藤田県政を応援した勢力に支えられた知事ではだめだ」と断じ、「しがらみのなさ」を強調しています。
柴崎さんは、「大手企業の誘致を通じ、県民所得を底上げする」と主張。
湯崎さんは、「中小企業など、広島県が持つ強みを引出す県政にする」と主張。
河井さんは、藤田県政16年間を「空白」と批判し、「県事業の民間移管を進める」と主張しておられました。
こうした新人候補者5人で争われることになります。
ただ「わかりにくい」という声も多い。
下記ブログはその代表例です。
[政治]なんともわかりにくい広島県知事選 11:56
「やっと藤田県政16年の呪縛から逃れられるというのに、なんだか、寂しい選挙戦になりそうです。」という気持ちはわかります。では、なぜ、そうなってしまうのでしょうか?
なぜでしょうか?
「議会の対立構図をそのまま知事選に持ち込んだ」ことがあげられます。
民主党広島県連も一度は独自候補を模索しましたし、若手や女性の党員・支持者には独自候補を後押しする動きが強かったのです。
広島県知事選挙、民主党が党主導で独自候補
しかし、最終的には、県議会での自民党刷新会議との連携を重視し、相乗りで湯崎英彦さんを推しました。現知事を支える「与党」の枠組みを維持したのです。
広島県知事選 民主・自民とも独自推薦候補を断念
一方、自民党も、自民党議員会(檜山派)と自民党刷新会議(反檜山派)の対立を抱えていました。その結果議員会出身の河井案里さんからでていた推薦願いを県連は取り下げてもらう事態になりました。そして、河井さんは離党して無所属出馬となりました。
結局、民主党と県議会民主県政会、自民党刷新会議が湯崎英彦さんを、自民党議員会と国民新党の亀井代表が河井案里さんを推す構図になったのです。
選挙を巡る各政治勢力の対応がわかりにくいのは、もはや、仕方がない。従って、論戦で候補者が、わかりやすい政策軸を提示することが求められます。
■政策と支援勢力のねじれ
第二に政策的な対立軸と支援政党・勢力のねじれです。
湯崎さんについていえば、「広島県は他にはない力も財産もあるのに、どうしてこうなってしまったのか?」(本人HPより)と、藤田県政に対して憤りを表明しておられます。また、藤田県政が進めた外部大手企業誘致よりも、むしろ地場の中小企業の競争力をつける事を重視しています。そういう意味では藤田県政から「チェンジ」しているといえます。
ただ、「湯崎さんは、藤田知事と同じ支持者に支えられているじゃないか?」という批判もないわけではない。実際、川元候補は第一声で「今までの県政を支えてきた人に支えられるような知事を選ぶのか?」と暗に湯崎候補を批判する演説を行なっています。
本当の事を言えば、民主県政会の議員も、連合広島参加の組合員、おそらく保守系の良識派の人も、藤田知事のリーダーシップのなさには辟易しているのです。しかし、「檜山前議長が権力を振るっていた時代よりはマシ」という理由で、2003年以降は檜山前議長と手を切っていた藤田知事をやむなく支えていたという人も多い。
県政無惨 広島県知事引退で残された苦すぎる教訓
しかし、そういう部分までは見えにくいのです。そして、それに反発する形で、社民党や民主党を支持している人でも、湯崎さんではなく川元さんを支持したり、「共産党か棄権か」という人もおられるようです。
また、勝手に知事選立候補を表明したとして、民主党を「除籍」となった柴崎さんは「大手企業を誘致し県民所得を底上げする」と主張します。これは、「大手企業が潤えば中小や労働者も潤う」というもので、典型的な自民党政治のモデルです。これが本当に元民主党県議か?と耳を疑う主張でした。そういう意味では「わかりにくい。」
また、「県事業を民間移管する」と主張する河井さんは、小泉路線を彷彿とさせます。たとえば、県立の病院を民間に移管したところで、利益は出ないから結局行き詰まってしまうのではないか?そういう危惧を抱きます。
ところが、新自由主義批判で鳴らし、大臣としては新自由主義を否定する政策を次々と打ち出す国民新党の亀井静香さんが、知事選では新自由主義の河井さんを推しています。
無党派を打ち出す川元康裕さんと共産党公認の村上昭二さんが生活重視の「今」の民主党的路線(実際には今の民主党の路線は共産党の模倣ですが)に近いでしょう。
産業政策的には、地場中小企業重視の湯崎、大手企業中心の柴崎、河井というのがわたしの印象です。また、経済政策全般から言えば、生活重視が川元・村上で、企業重視が柴崎・河井で、その中間が湯崎という感じでしょう。
政策軸は比較的思ったよりはっきりしているのですが、候補者の政策軸と、支持する組織や政治勢力の間にねじれがあるように見えてしまうことも、「わかりにくさ」に拍車をかけています。
各候補者のWEBサイトなど
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参考リンク・記事
広島県知事選に向けた公開討論会10月14日に開催された公開討論会の様子です。
2009広島県知事選特集トップページ - 中国新聞・・よくまとまっています。
・「広島県知事選」のタグ付き記事
・2009広島県知事選の特徴
・広島県知事選挙の告示に当たって・・「みんなでつくる広島県」マニフェストを発表
・いよいよ今日、広島県知事選告示
・ 広島県知事選、ほぼ構図が固まる
・宮城県知事選「民主苦戦」の暗雲、広島にも拡大?
・湯崎英彦さんと民主党の課題
・福山駅前街宣&鞆の浦視察
以下は弊紙主筆執筆のJANJANニュース
・広島県知事選、民主独自候補断念で「与党分裂」へ
・「エライ人だけでつくる」から「みんなでつくる」広島県へ
・広島県知事選 民主・自民とも独自推薦候補を断念 2009/10/10
・ 広島県知事選挙、民主党が党主導で独自候補 2009/09/17
・「エライ人だけで作る」から「みんなで作る」広島県へ 2009/09/09
・県政無惨 広島県知事引退で残された苦すぎる教訓 2009/06/25
各候補者のサイト
ゆざき英彦のオフィシャルサイト
かわもと康裕 オフィシャルサイト (川元康裕)
柴崎美智子オフィシャルホームページ
日本共産党広島県委員会
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「建設的野党」日本共産党
解散・総選挙にのぞむ基本的立場(日本共産党)
by hiroseto2004
| 2009-10-23 01:17
| 広島県政(広島県議会)
|
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