参院選 比例区は与党苦戦か?
2010年 02月 26日
参院選は、どうしても「時の与党」に厳しい結果になりがちです。
1989年 自民惨敗、社会圧勝
1992年 自民微減(比例区) 社会伸び悩み 日本新党初陣で4議席
1995年 社会KO負け、自民伸び悩み、新進躍進
1998年 自民KO負け 民主・共産躍進
2001年 自民圧勝 民主伸び悩み 共産大敗
2004年 自民判定負け 民主判定勝ち
2007年 自民KO負け 民主KO勝ち
2010年?
過去8回は、時の与党第一党の「1勝7敗」。あの人気のある小泉純一郎さんでさえ、参院選は「1勝1敗」でした。
参議院は、どうしても「バランスを取ろう」という有権者の感覚が働きます。これは別にアメリカの陰謀とか財界の陰謀とかそういうことではない。「政権が移動しないから安心して与党にお灸を据えられる」のです。
1、「与党にお灸を据えるため」無党派層がとくに、野党に流れる傾向が強い。
2、2004年参院選、2007年参院選については、無党派層は民主党に流れました。民主党は当時は、「自民党を打倒しうる唯一の政党」として、支持を集めた。だから「野党内でも民主一人がち」の状態が続いた。
この二つの要素により、民主党は2004年参院選、2007年参院選、2009年衆院選では圧勝した。
しかし、今回は、この二つの要素が消えてしまいます。
一方、自民党側は、「政権与党」としてのうまみが消えます。公明党との公式の選挙協力や経済界からの献金斡旋もストップしてしまいます。ですから、とくに地方の「1人区」では苦戦は免れない、と思います。候補者も、民主党は若手を擁立し、ベテランが多い自民党に対抗している。
ただ、比例区については、苦戦は免れない。
民主党は、だいたい、2003年以降の国政選挙では、全国で「2000万票」、広島県で「45万票」を「下限」としています。
従って、これを下回ることは考えられない。ただ、「無党派層」の支持が全く無いような世論調査結果が出ています。
みんなの党や共産党に無党派が流れていると推測される結果になっています。
1、セーフティネットや景気対策が不十分
2、意思決定過程の不透明性
これが自民党政治の問題点でした。それを(自民党との相対的な問題ですが)是正する事を求めて民主党は支持された。
ただ、今は、政権交代も成就した。これにより「本当は民主党もチョッと・・」という方が、「自民党以外の政党なら、別に民主党でなくても安心して投票できる」状態に精神的にはなった。「比例区まで民主党にして失敗した!」というリベラル派の方もおられるでしょう。
そういう方のうち、リベラルな方は共産党へ、保守的な方はみんなの党へ流れるのではないか?
公明党は、自民党と距離を置いてよくなった。「介護ビジョン」など、前向きな政策提言もみられる。自民党との連立時代に去って行った庶民の票が戻るのではないか?一方で、自民党との選挙協力がなくなると、「バーター」でもらった票が消滅しますが、今後はむしろ、現場レベルでは民主党候補との協力、というのも裏ではありうるでしょう。
ただ、もちろん、一番厳しいのは自民党。比例区での得票率は、「みんなの党」へ流れると予測される8%程度を差し引く必要があります。
与党二党も厳しい。社民党はなかなか爆発的に伸びる要素は見当たらない。国民新党も、亀井さんが郵政労働者の非正規雇用是正、支払猶予法などがんばっているが、一方でポスターの三本柱を「郵政改革」はともかく「夫婦別姓反対」「外国人参政権反対」にするようでは、これは票が伸びないのではないか?とくに二番目で働く女性の票が票田から外れてしまう。せっかく非正規労働是正ではむしろ民主党よりもいいと思われているのにもったいない。
投票率は60%として、
比例区は
民主党 2100万くらい→18議席
社民党 250万 2議席
国民新党 120万 1議席
自民党 1200万くらい 11議席
公明党 850万くらい 8議席
共産党 500万くらい 4議席
みんなの党 450万くらい? 4議席
自民vs民主となる一人区ではそうはいっても、民主党は、「やることをやれば」優位に立つ。業界団体を失う自民党は苦しい。自民党が強いのは群馬や和歌山、福井など限られてくるでしょう。自民党は一人区で10議席取れるかどうか?
しかし、無党派層が多い都市部の選挙区は波乱がありそうです。有権者のバランス感覚が働くと、「民主党の複数議席」もなかなか厳しいものがある。
「二議席民主党にやるよりは、共産党かみんなの党、公明党に」という意識が微妙に働くのではないか?
自民党は伸びない。40議席くらいが、関の山か?
しかし、民主党も2007年参院選、2009年衆院選のようにはいかない。50議席台半ばにとどまり、ぎりぎり単独過半数に達しない可能性が高いのではないでしょうか?もちろん、わたしも民主党員としては候補者の全員当選を願う立場にあるわけです。そして、いい政治を民主党がするよう努力せねばならない。
だが、目の前にある現実としては「自民党はもちろん許さない。しかし、民主党にもぎりぎり過半数を取らせない」くらいの判断を有権者は現時点ではもっている、という感じがします。
これは、2011年4月実施の統一地方選挙にも言えることです。2007年の統一地方選よりは有利な条件でしょうが、さりとて2009年都議選のように「候補者を立てれば当選する」状況ではありません。
とくに市議選や県議選の複数区なら自民党以外でも、公明党、共産党、みんなの党、無所属など選択肢は多い。もちろん、「利益誘導」手段を失った自民党の惨敗は免れないでしょう。しかし、2009年都議選のように「自民惨敗分」がそのまま民主党にくることはあまりかんがえられない。その地域での、政党の政治姿勢や、日常活動などを有権者は精査し、選ぶのではないでしょうか?
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以下の与党各党も参考に
「建設的野党」日本共産党
解散・総選挙にのぞむ基本的立場(日本共産党)
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2010年?
過去8回は、時の与党第一党の「1勝7敗」。あの人気のある小泉純一郎さんでさえ、参院選は「1勝1敗」でした。
参議院は、どうしても「バランスを取ろう」という有権者の感覚が働きます。これは別にアメリカの陰謀とか財界の陰謀とかそういうことではない。「政権が移動しないから安心して与党にお灸を据えられる」のです。
1、「与党にお灸を据えるため」無党派層がとくに、野党に流れる傾向が強い。
2、2004年参院選、2007年参院選については、無党派層は民主党に流れました。民主党は当時は、「自民党を打倒しうる唯一の政党」として、支持を集めた。だから「野党内でも民主一人がち」の状態が続いた。
この二つの要素により、民主党は2004年参院選、2007年参院選、2009年衆院選では圧勝した。
しかし、今回は、この二つの要素が消えてしまいます。
一方、自民党側は、「政権与党」としてのうまみが消えます。公明党との公式の選挙協力や経済界からの献金斡旋もストップしてしまいます。ですから、とくに地方の「1人区」では苦戦は免れない、と思います。候補者も、民主党は若手を擁立し、ベテランが多い自民党に対抗している。
ただ、比例区については、苦戦は免れない。
民主党は、だいたい、2003年以降の国政選挙では、全国で「2000万票」、広島県で「45万票」を「下限」としています。
従って、これを下回ることは考えられない。ただ、「無党派層」の支持が全く無いような世論調査結果が出ています。
みんなの党や共産党に無党派が流れていると推測される結果になっています。
1、セーフティネットや景気対策が不十分
2、意思決定過程の不透明性
これが自民党政治の問題点でした。それを(自民党との相対的な問題ですが)是正する事を求めて民主党は支持された。
ただ、今は、政権交代も成就した。これにより「本当は民主党もチョッと・・」という方が、「自民党以外の政党なら、別に民主党でなくても安心して投票できる」状態に精神的にはなった。「比例区まで民主党にして失敗した!」というリベラル派の方もおられるでしょう。
そういう方のうち、リベラルな方は共産党へ、保守的な方はみんなの党へ流れるのではないか?
公明党は、自民党と距離を置いてよくなった。「介護ビジョン」など、前向きな政策提言もみられる。自民党との連立時代に去って行った庶民の票が戻るのではないか?一方で、自民党との選挙協力がなくなると、「バーター」でもらった票が消滅しますが、今後はむしろ、現場レベルでは民主党候補との協力、というのも裏ではありうるでしょう。
ただ、もちろん、一番厳しいのは自民党。比例区での得票率は、「みんなの党」へ流れると予測される8%程度を差し引く必要があります。
与党二党も厳しい。社民党はなかなか爆発的に伸びる要素は見当たらない。国民新党も、亀井さんが郵政労働者の非正規雇用是正、支払猶予法などがんばっているが、一方でポスターの三本柱を「郵政改革」はともかく「夫婦別姓反対」「外国人参政権反対」にするようでは、これは票が伸びないのではないか?とくに二番目で働く女性の票が票田から外れてしまう。せっかく非正規労働是正ではむしろ民主党よりもいいと思われているのにもったいない。
投票率は60%として、
比例区は
民主党 2100万くらい→18議席
社民党 250万 2議席
国民新党 120万 1議席
自民党 1200万くらい 11議席
公明党 850万くらい 8議席
共産党 500万くらい 4議席
みんなの党 450万くらい? 4議席
自民vs民主となる一人区ではそうはいっても、民主党は、「やることをやれば」優位に立つ。業界団体を失う自民党は苦しい。自民党が強いのは群馬や和歌山、福井など限られてくるでしょう。自民党は一人区で10議席取れるかどうか?
しかし、無党派層が多い都市部の選挙区は波乱がありそうです。有権者のバランス感覚が働くと、「民主党の複数議席」もなかなか厳しいものがある。
「二議席民主党にやるよりは、共産党かみんなの党、公明党に」という意識が微妙に働くのではないか?
自民党は伸びない。40議席くらいが、関の山か?
しかし、民主党も2007年参院選、2009年衆院選のようにはいかない。50議席台半ばにとどまり、ぎりぎり単独過半数に達しない可能性が高いのではないでしょうか?もちろん、わたしも民主党員としては候補者の全員当選を願う立場にあるわけです。そして、いい政治を民主党がするよう努力せねばならない。
だが、目の前にある現実としては「自民党はもちろん許さない。しかし、民主党にもぎりぎり過半数を取らせない」くらいの判断を有権者は現時点ではもっている、という感じがします。
これは、2011年4月実施の統一地方選挙にも言えることです。2007年の統一地方選よりは有利な条件でしょうが、さりとて2009年都議選のように「候補者を立てれば当選する」状況ではありません。
とくに市議選や県議選の複数区なら自民党以外でも、公明党、共産党、みんなの党、無所属など選択肢は多い。もちろん、「利益誘導」手段を失った自民党の惨敗は免れないでしょう。しかし、2009年都議選のように「自民惨敗分」がそのまま民主党にくることはあまりかんがえられない。その地域での、政党の政治姿勢や、日常活動などを有権者は精査し、選ぶのではないでしょうか?
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以下の与党各党も参考に
「建設的野党」日本共産党
解散・総選挙にのぞむ基本的立場(日本共産党)
by hiroseto2004
| 2010-02-26 07:30
| 新しい政治をめざして
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