館長雇止めバックラッシュ裁判、三井さん逆転勝訴
2010年 03月 30日
館長雇止め・バックラッシュ裁判は原告の三井マリ子さんが逆転勝訴しました。
(追記あり)
豊中市幹部らの人格権侵害認め、三井マリ子さん逆転勝訴
2010年03月30日法律・裁判大阪さとうしゅういち
http://www.janjannews.jp/archives/2966624.html
館長雇止め・バックラッシュ裁判、ようやく控訴審判決
http://www.janjannews.jp/archives/2929707.html
この事件は、大阪府豊中市の男女共同参画推進センター「すてっぷ」(財団法人・とよなか男女共同参画推進財団)の全国公募の非常勤館長だった三井マリ子さんが、2003年度末限りで、組織再編を名目に雇止めにあい、その上、新設された後継の常勤館長のポストへの採用も、茶番の面接の末、断られたという事件です。
事件の背景は以下のようなものです。2002年夏ごろから、豊中市議(当時)Kさんや、いわゆる「行動する保守」などの男女平等推進に反対する(バックラッシュ)勢力による「すてっぷ」への誹謗中傷が起きていました。
なお、「行動する保守」は、最近では、2008年9月に創価学会と関係ないお店に国旗などを持って大人数で押しかけ「創価学会出て来い」などと罵倒する「東村山駅前表敬訪問事件」などの騒ぎを起こしています。
【実況】瀬戸一派による洋品店襲撃の一部始終【転載歓迎】
http://d.hatena.ne.jp/three_sparrows/20080904/p1
また、2009年以降は、関西地方のリーダーが小学校長を脅したとして、暴力行為法違反で逮捕・起訴されています(一名について略式起訴で有罪確定)。さらに東京では、活動家が公明党を誹謗中傷する街宣などをしたとして、公明党などから民事訴訟を起こされたり、刑事告訴され、ついには、まきやすともさんが逮捕されるなどしています。
そうした中で、今回、大阪高裁は、三井さんの訴えを一部認め、被告に150万円の損害賠償を命じました。
さて、豊中市は最初は、三井さんをかばっていたのですが、途中から態度が急変。三井さんに隠れて、組織体制の見直し、後継館長候補探しをしていました。三井さん側は、市当局が、当時与党最大会派幹部だったKさんに、男女共同参画条例に賛成してもらう引き換えに、三井さんのクビを差し出したのではないか、と主張しています。実際、そのK市議は、2003年秋の定例議会で、男女共同参画条例についてボロクソに言う討論を行なったのです。ところがKさんはその討論を「賛成討論だ」と強弁し、条例案には賛成しています。
一審の大阪地裁は2007年9月12日、豊中市が三井さんに対して情報を隠していたことについて、不当性を認めつつも、「損害賠償をしなければならないほどではない」として、原告(三井さん)の請求を却下してしまいました。
「10発殴られたら法律でなんとかするけど、5,6発だろう、我慢しろ」とでもいうような判決でした。
これに対して三井さんは大阪高裁に控訴。控訴審では、新たに、市や財団の取った行動が「人格権侵害に当たる」として、浅倉むつ子教授の意見書を提出。この部分についても裁判官の判断を仰ぐこととしました。
また、非正規労働問題への取り組みで有名な脇田滋・龍谷大学教授の意見書なども提出しました。
そして、2009年5月、結審しました。それから10ヶ月以上。提訴から5年以上。三井さんの労苦が報われました。
控訴審判決で塩月秀平裁判長は市の本郷文化部長(当時)と財団の山本事務局長(市幹部職員から出向)が、三井さんに情報を隠した上、三井さんを雇止めにする事を前提として、後任探しを相手方に「三井さんは辞めたがっている」などと嘘をついてまでしていたことなどを三井さんに対する「人格権侵害」を認定しました。
そして、自治体が屈すべきではない相手(バックラッシュ勢力)に屈し、三井さんに嘘をついたことを厳しく批判しました。
三井さんは「市はわたしに情報を徹底して教えなかった上、わたしがいってもいないことをひろめた。」
と振り返ります。
「行政が男女平等なんてくそくらえ、なんて議員に屈してしまった。」とくやしがる三井さん。
今回の判決を、
「全国の非常勤職員に大きな光。」
とよろこびました。
今回、「人格権侵害」での損害賠償が認められたことは、尊厳を傷つけられるような状況におかれている多くの労働者にとっても朗報となりそうです。
また、とくに非常勤特別職公務員は正規公務員としての保護も、民間労働者に適用される解雇法理も適用されず、「法の谷間」に置かれているといわれています。
そうした方々を、ひどいやり方で雇止めにする例も多くあります。既に山梨県の昭和町で事件が非常勤職員雇い止めにされた事件で人格権侵害が認定されていましたが、それを踏襲した形です。
(ただし、三井さん側は、非常勤特別職公務員ではなく、あくまで、民間労働者としての解雇法理の適用を求めていましたが、この点は却下されました。)
・・・・・・
午後から、開催された支援者による集会では、嘱託職員の組合を結成して闘った芦屋市の元女性センター長や、東京都、愛知県、秋田県、山口県など遠方から駆けつけた支援者から喜びの声が上がりました。
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by hiroseto2004
| 2010-03-30 11:19
| ジェンダー(すてっぷ裁判)
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