人民元切り上げ、内需拡大路線へ緩やかに転換 : 広島瀬戸内新聞ニュース（社主：さとうしゅういち）

　中国は、人民元のドルとの連動を撤廃。事実上の「人民元切り上げ」に踏み切りました。

　巨額の経常黒字国が自国通貨の切り上げを許さない、というのはかなり無理があります。

　中国は経常黒字国ですから、基本的には外貨（ドル）を売って元を買う動きが強まります。しかし、中国通貨当局はこれまで、それを打ち消すような動きを必死でして来ました。すなわち、元をどんどん発行し、ドルを買う動きです。

　もちろん、それにより、元高は抑え込まれた。また、輸出も好調に推移した。しかし、一方で国内でのバブルと言う問題も出てきた。そうした中で、元を緩やかにですが、切り上げていく。そして、中国国民の生活を豊かにし、内需拡大を図っていく。そういう路線に「軟着陸」しようとしています。

もちろん、中国は、日本が1985年のプラザ合意以降、急激な円高を強いられた挙句、対応に失敗し、バブルを経ておかしくなったことの教訓はきちんと勉強しています。

まあ、日本と中国がきちんと内需拡大をしなければ、アメリカも欧州も不調な中で、世界経済はガタガタになってしまいます。

そういう意味からも、今日本が「急いで財政再建のために消費税を引き上げる」ことは愚策ではないでしょうか？

もちろん、所得再分配と言う意味でも、愚策である。「雇用対策、環境対策、医療対策も手薄、教育費の国民負担も重い状態」のまま「生活必需品への軽減税率もないままの税率引き上げ」など強行した日には、日本経済だけでなく、世界経済にも大きな迷惑をかけることになるでしょう。

経常黒字国としての自覚を日本政府は持つべきです。

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