森田健作被疑者不起訴処分に対する審査申立書(2)
2010年 07月 25日
森田健作被疑者不起訴処分に対する審査申立書(1)
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5 森田氏の不合理な説明の数々
(1)森田氏が理屈に合わない説明を押し通すのは、「完全無所属」についてだけではない。
森田氏をめぐって、知事当選後、様々な疑惑、問題が報道されている。それらの疑惑、問題に関する森田氏の回答、説明をみると、森田氏が法律を軽視する人物であること、また、平気で理屈に合わない説明をする人物であることがわかる。
(2)森田氏が本件知事選に当選した後の4月11日、森田氏の資金管理団体「森田健作政経懇話会」が平成17年に自民党山崎派の団体「近未来研究会」から300万円の寄付を受けながら、政治資金収支報告書に記載していなかったことが報じられた(甲49・朝日新聞記事)。この記載漏れについて、森田氏の事務所は「寄付を受けた後、会計担当者が退職し、交代したことから事務ミスで記載漏れになった」と説明した。ここでいう「会計担当者」が政治資金規正法にいう「会計責任者」にあたるのかどうか不明であるが、同法は、「引き継ぎミス」という言い訳ができないように、わざわざ罰則付きで会計責任者の引き継ぎ義務を定めている(同法第15条、第24条)。政治資金規正法は政治家にとってはもっとも基本的な法律であるが、その法律にてらして通らない言い訳が、森田氏側からなされたといえる。
(3)森田氏は、4月16日に、森田氏が支部長をつとめる政党支部が、政治資金規正法(平成18年改正前)の禁止する外資からの出資が50%を超える企業(ドン・キホーテ)からの献金を受け取っていた問題に関し、「ドン・キホーテが(外資からの出資が)50%超えてるかどうか分かんないでしょう?私もわからなかった。全然そんな意識もなかった」と説明している(甲3・毎日新聞記事)。
企業の出資割合は、毎年公表される有価証券報告書を見れば誰にでもわかることである(甲26~29参照)。
政治資金規正法は、政治家にとって基本的かつ重要な法律であるから、献金元の企業の有価証券報告書をチェックすべきは当然であって、「全然そんな意識もなかった」ということではすまされない。
なお、週刊文春の記事(甲32)では、ドン・キホーテの幹部の話として「二年前にも『赤旗』から同じ指摘を受け、森田さんへの献金は違法だと指摘されました。当社は森田さん側に『大丈夫なのか』と質したところ、適切に処理しますといわれたのです」という事実が報じられている。
(4)森田氏は、5月14日、福岡県の公立高校から平成19年に森田氏がおこなった講演料として支払われた50万円を、自身の資金管理団体「森田健作政経懇話会」に入金させて政治資金として処理していた問題に関し、「(学校での講演は)政治活動だと思っているが、教育基本法に触れる政治活動はしていない」と説明した(甲50・朝日新聞記事)。教育基本法は学校が政治的活動をすることを禁じているから、森田氏の講演が政治活動ならば、教育基本法に触れる政治活動がされたことになり、森田氏の説明は説明になっていない。
(5)アエラ5月25日号には、『森田健作知事の剣道2段は「自称」』として、森田氏が本件知事選の候補者紹介でも「剣道2段」と紹介されていた(甲9・千葉日報記事、甲10・読売新聞記事)のに全日本剣道連盟の段位を取得していないことが報じられた(甲51・アエラ記事)。
この問題に関し、森田氏は5月21日の会見で「40年ほど前、剣道を一生懸命やっている時に範士から『二段を許す』と言われた」ので二段を名乗ってきた、と説明し、今後は改めるのかと問われると「40年間言ってきて指摘されることがなかった。私の思いはそういうことです」と答え、今後も改めるつもりのないという考えを示した。翌22日には、記者団から「初段は取得しているのか」と尋ねられ「ない。二段、二段。それで十分」と答えた(甲52・毎日新聞記事)。ウソをついてばれなければそれでよし、ばれてもウソをおしとおすという森田氏の人格態度が端的にあらわれた説明といえる。
(6)6月19日、森田氏は議会で全会派が森田氏に対し森田氏の政治資金問題を質問したことについて、「それしか(聞くことが)ねえんだろ」と発言した(甲53・毎日新聞記事)。重大な問題であるからこそ全会派が質問したのだが、森田氏には問題の重大さが理解できていないのであろう。
(7)森田氏は、6月20日、ドン・キホーテから違法に受け取った政治献金480万円を返金処理したのに、6月18日の時点で政治資金収支報告書を修正していないことについて県議会本会議で問われた。森田氏はこれに対し、返金処理をしたのは4月中旬と説明しながら、7月に予定している政党支部の解散後まで収支報告書の修正はしないとし、その理由を「スタッフが不足しているため」と説明した(甲54・毎日新聞記事)。政治資金収支報告書には、虚偽の記入をしてはならない(政治資金規正法第24条)のであるから、収支報告書の記載が事実と食い違うことがあれば何をさておいても修正しなければならないはずで、人手不足が(もし本当に人手不足であったとしても)すぐに収支報告書を修正しないことの言い訳にならないのは当然である。
(8)10月2日には、森田氏が本件知事選に立候補を表明する前月の平成20年12月まで政党支部を受け皿として企業献金1816万円を受領し、1212万円が森田氏の資金管理団体である森田健作政経懇話会に寄付されていたことが報じられた(甲55・朝日新聞記事)。森田氏はこれまで「自民党支部のお金は知事選には使っていない」と説明していたが、実態は森田氏の説明とは異なることが明らかになった。なお、平成21年1月以降の収支について、森田氏は法律上平成22年3月までに提出すればよいので、それ以前には提出しない、としている。しかし、「自民党支部のお金は知事選には使っていない」というのであれば、その根拠を示すべきであろう。
(9)以上のとおり、森田氏の発言には、法律を軽視していると思わざるを得ない発言や、理屈に合わない言い逃れとしか言いようのない発言がいくつもある。
したがって、「完全無所属」についての森田氏の説明もまた、公職選挙法を軽視して虚偽の事項を公表しておきながら、理屈に合わない言い逃れをしていると考えて差し支えない。
6 公職選挙法の趣旨
公職選挙法235条(虚偽事項の公表罪)は、虚偽事項の公表が、「買収行為や選挙の自由妨害等とともに、選挙人をしてその公正な判断を誤らせる原因となるものであって、選挙の自由公正を害するところ大なるものがある点に鑑みて」(安田充ほか編著『逐条解説 公職選挙法(下)』)、これを不正行為として処罰対象とするものである。
したがって、公表された事項が「虚偽」かどうかは、一般の選挙人の判断において、235条の列挙事由に関し公正な判断を誤らせるかどうか、という基準で判断されるべきである。そして、前記第4項で述べたとおり、「完全無所属」をうたった2号ビラは、一般の人の判断において、森田氏の「身分」ないし「所属」に関し公正な判断を誤らせる可能性がある。
これを総務省の国会答弁(甲2・議事録)にあてはめると、総務省が「公職選挙法235条第1項に抵触するおそれがある」とする場合(立候補届における無所属ということではなく、実際の政党への所属関係について、当選を得または得させる目的をもって公職の候補者の政党その他の団体への所属に関し虚偽の事項を公にした、そういうふうに認められる場合)にあたるといえる。
したがって、このようなビラを配布した森田氏の行為を処罰することが、公職選挙法の趣旨にも合致する。
7 公職選挙法235条の「身分」の解釈について
(1)なお、検察官からは、不起訴の理由のひとつとして、公職選挙法235条の「身分」に、政党とのつながりがあるかないかを評価する具体的事実(政党支部の代表であって、個人では法律上受領できない企業・団体献金を、政党支部を通じて知事選に利用できる地位にあったこと等)が含まれない、ということが挙げられていたことから、この点について反論しておくこととする。
(2)検察官は、公選法の前身である普通選挙法の解釈において、「身分」等の列挙事由が制限列挙と解されていたこと、各列挙事由の内容も制限的に解釈されていたことを指摘するとともに、公選法の「身分」も普通選挙法の「身分」と同様に制限的に解釈されるべきであるとして、公選法の「身分」が政党とのつながりがあるかないかを評価する具体的事実を含むような広い概念と解することはできない、とする。
すなわち、三宅正太郎ほか著『普通選挙法釈義』(大正15年初版、昭和5年第5版)には、「身分というのは華族士族というがごとき族称のみならずそれより少しく広く社会上の門地を指すものと解する。例えば『候補者は県下唯一の名望家××氏の娘婿にあたる』というがごときである」との記述がある。この解釈を根拠に、公選法の「身分」も、限定的に解釈されるべきとするのが検察官の解釈である。
(3)しかし、現行憲法のもとでは、身分制度は廃止されているから、憲法改正の前後で「身分」を連続的に解釈することには無理がある。
現在では、選挙の候補者が政党と人的・資金的つながりがあるかどうかは、有権者の重大な関心事であり、投票先を決定する際の重要な考慮事項である。したがって、その正確性を担保するため、「身分」に含めて解釈することの必要性がある。
また、「身分」という言葉自体は幅のある概念を含みうる言葉であり、例えば、刑法65条の身分とは、男女の性別、内外国人の別、親族の関係、公務員たる資格だけでなく、すべて一定の犯罪行為に関する人的関係である特殊の地位または状態を意味する、と解されている(最高裁昭和27年9月19日判決)。公選法235条の「身分」について、「同条の他の列挙事由以外の地位または状態であって、選挙人の投票に関する公正な判断に影響を及ぼす可能性のあるもの」というようにある程度広く解釈することは文理解釈として可能であり、一般人にとって不意打ちとならないと考える。
さらに、自治省選挙局内選挙制度研究会編『改正公職選挙法解説』(昭和37年発行)には、虚偽事項の公表罪の改正について、「虚偽事項の内容として『その者の政党その他の政治団体への所属又はその者に対する政党その他の政治団体の推薦若しくは支持』が規定されたが、これは従来は、身分に含まれると解釈されていたものを明文化したものである」との記述がある。この記述は、「身分」は相当程度広い概念であったとの解釈を示すものである。
以上より、「身分」に関する検察官の解釈は誤りであり、森田氏は「身分」に関し虚偽の事項を公表したといえる。
8 おわりに
選挙において、候補者についての誤った情報が流されれば、有権者は公正な判断をすることができない。そこで、公職選挙法は、選挙の公正を確保するために、買収行為、選挙の自由妨害とともに、虚偽事項の公表を禁止している。
このことは、選挙に関する基本的なルールであって、森田氏も当然知っていたはずである。ところが、森田氏はこの基本的なルールをあえて無視して、自らを「完全無所属」と称するビラをまき、政党への所属、政党とのしがらみの有無という有権者の関心の高い事項について誤った情報を流した。森田氏ほどの知名度の高い人物が、わざわざこのような違法行為を行ったのは、当時それだけ不利な情勢にあると判断したためなのか、あるいは違法行為をおこなっても当選しさえすれば見逃してもらえるとたかをくくったのか。
いずれにしても、森田氏が行ったのは、一種の情報操作である。選挙において情報操作がまかりとおるのでは、もはや民主主義国家とはいえない。このような危機感をもって、告発人らは千葉検察庁に対し告発を行った。しかし、検察庁は森田氏を不起訴とし、結果的に森田氏の行為を見逃す判断をした。
そこで、申立人らは、権力としがらみのない市民の方々に、今回の知事選が公正に行われたかどうか、また、森田氏の行為について裁判所の司法判断が必要ではないか、判断して戴きたく、この申立を行うものである。
第2 政治資金規正法違反
告発人らは、ドン・キホーテから第二支部に対しなされた寄付のうち、平成18年12月法改正以前の寄付について告発したが、このうち最後の寄付がなされたのが平成18年11月24日であり、審査申立の時点で3年の公訴時効が完成している。
したがって、申立人らは、検察官が「森田氏側には違法な献金であることの認識がなかった」として不起訴処分をしたことについては不服があるが、この点についての審査申立は行わないこととする。
以上
添付書類
1、委任状 通
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by hiroseto2004
| 2010-07-25 01:50
| 司法
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