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県政にガツンとモノ申し、何があっても心配しないで良い広島を


by hiroseto2004

漢人明子さん「世帯単位はいまや張り子の虎?!」を読む

「ピープルズ・プラン」に小金井市議の漢人明子さんの論文が載っています。

http://www.peoples-plan.org/jp/modules/tinyd0/index.php?id=55

「世帯単位はいまや張り子の虎?!」というものです。

ご自身、非婚の(事実婚も解消)シングルマザーでおられる漢人さん。

・「中心となる男性稼ぎ手、扶養される妻・子ども」という「モデル世帯」から外れると貧困まっしぐら・・

・「モデル世帯」の現象や機能の低下により、世帯単位が支えてきた社会保障はガタガタ状態

・世帯単位からシングル単位へのターニングポイントは意外に近いかもしれない

と指摘します。その上で、提言をされている。

子どもにこそシングル単位をー生存権は個人に属する
保育所は収容所ではないー子どもが育つ場としての大増設を
児童虐待が温存・再生産される「家庭」の縛り
多様な親密圏と、育みと支えあいの地域コミュニティーを
ジェンダー平等と格差社会が求めるシングル単位
権利としての納税と最低所得の保障を個人に
ワークライフバランスとパパクオータ
多様な「家族」を認め合い、選択できる社会に

 わたしは、「世帯単位」体制を、「自民党体制」ないし「自・民・社体制」と呼ぶことがあります。





自民党(高度成長と冷戦を前提とした反共を旗印とした利権分配集団)・官僚が大手企業を保護し、大手企業がよければ民社・社会系の企業内組合員でもある男性正社員世帯主もよし。教育も、住宅も、そういうシステムの上に、提供されてきた。(そこから外れた人には共産党と公明党が一定程度浸透した。)

こうしたモデルは、おそらく1980年代には実際には機能不全が明らかになってきたのではないか?

しかし、その転換は先延ばし、先延ばしにされてきた。

「家族は大事」というのを言う保守派もいるが、所詮、「自民・民社体制」の家族のみを前提としたものでした。無理やり、糊塗するしようとしてきた。非正規雇用者の増加などです。
それにより、アメリカへの輸出に依存し、アメリカに従属した、「男性稼ぎ手、扶養される妻子モデル」を護持しようとした。一見改革を叫んだ小泉さんも結局はそうである。

しかし、ついに、それは持たなくなった。持たなくなったから政権交代ではなかったのか?

「国民の生活が第一」というのも、「自民社体制」の打破を求める国民のニーズを(むしろ典型的な自民党政治家だった)小沢一郎さんが感じ取った結果だったと思います。

ただ、政権交代してみて、民主党及びその支持組織が、「国民の生活が第一」を血肉としているかといばそれは違う。

地方議員や国会議員秘書レベルでも「保育所を増やすと家族が解体される」などというわけの分からないことを言う人が少なくない始末である。

支持組織の連合でも、「非正規労働者の待遇改善」をここ5年ほどは、掲げてきてはいた。最近では広電などが、均等待遇を実施に移しています。しかし、多くは掛け声倒れの側面が強かった。

高校無償化も、大手企業サラリーマンなど中間層に恩恵が厚いもので、貧困層には恩恵があまり向かわないものであった。

そして、「国民の生活が第一」から脱線し、「労組幹部出身企業の利益が第一」ではないか、と思われる場面が出てきた。鳩山内閣でもそれはみられましたが、菅直人内閣でそれはひどくなりました。インドに原発を輸出すれば、企業が潤い、それが庶民を潤す。こんな理屈を参院選マニフェストでは掲げだした


まさに、「自民・民社モデル」への回帰である。これは、一つは、大手企業労組に依存して選挙を闘ったことの帰結でもあります。

「自民・民社」モデルは「二階から目薬」であり、あるべき民主党のモデルは本来は「高さ三十センチから目薬」であるべきだった。しかし、後者を求める国民に後押しされたはずの民主党政権は、自民・民社的なものに「簒奪」されているのです。

ただ、明るい兆しもあります。自治労の徳永委員長は8月26日の定期大会の挨拶で、正規職員の賃下げ分を、非正規職員の待遇改善に充てるよう交渉する、という具体案を出しました。産別ではおそらく異例のことです。

「男性稼ぎ手+扶養される妻子(だんだん専業主婦よりは非正規労働者が多くなっていますが)」モデルを打破するよう労働界が動く先鞭となれば、と思います。

そうでないと、今度は、「モデル」から外れた若者を中心にファシズムへの傾斜になりかねない。戦前のイメージのような軍国主義がそのまま今の日本でウケることはまずない。

しかし、例えば、橋下徹・大阪府知事的なものは、バカ受けしかねないと思います。あるとすれば、日本が空襲されるのではなく、どこか遠くの国に、アメリカ軍と一緒に自衛隊が行動するという形での戦争でしょう。


 民主党代表選挙との関連で言えば、このまま菅総理を再選させてしまえば、「国民の生活が第一」から「自民・民社モデル」への回帰を加速させてしまった菅総理を是認したことになります。

 これは皮肉なのですが、社民連ご出身で「生活者の政治」に近いはずだった菅総理が、「自民・民社モデル」(経済政策面でも、社会保障面でも、そして、今や外交面でも)に傾いてしてしまった。それに少しでも歯止めをかけるために、自民党出身の小沢さんへの投票をわたしは呼びかけざるを得ません。ただし、小沢さんを全て肯定するわけではない。小沢候補は小沢候補で、「大きな政府」(少なくとも現状よりは)にする、という覚悟はあるかどうか、示していただかないといけない。

 本筋に戻せば、やはり「無条件での生存権」、とくに子どもに対して「直接」生存権を保障するという価値観を共有化させないといけない。


「権利としての納税と最低所得の保障を個人に」には大賛成です。

 最低所得のために、わたしは、例えば、一人年間100万円。政府紙幣を原資として無条件で所得を保証する、というのがわかりやすいのではないか、と思います。

総括・参院選(1)総理がぶち上げるべきは「消費税」ではなく「政府紙幣」だった
http://www.janjanblog.com/archives/9071

その際、
「現代では、生産性が上がっているために、生産物に比して、労働力はさほど要らない。
 そのために、どうしても、失業者が増えて大恐慌に落ち込んでしまう運命にある。(昔の自動車や家電に匹敵する華々しい新製品が出れば雇用を吸収するでしょうが、今度は環境面で地球が持たないでしょう)。そこで、最低収入を無条件で各人に保証し、最低限の暮らしができるようにしよう。最低所得保障は、市場経済を維持するためにも不可欠。」
という形で、世論を説得するのがよい、と考えています。

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by hiroseto2004 | 2010-09-02 21:42 | ジェンダー・人権 | Trackback