自民党政治からの脱却進める自治労「賃金シェア」方針 追記あり
2010年 09月 03日
自治労の徳永委員長は、先般の定期大会で、正規と非正規の賃金シェアを提案しました。
自治労委員長が「賃金シェア」を提案
2010年 9月 5日 00:39 【取材ニュース】 <労働・雇用> <医療・福祉> <省庁・官僚>
さとうしゅういち
http://www.janjanblog.com/archives/14095
http://www.jichiro.gr.jp/news/2010/08/100830.html
これは、戦後の労働運動の歴史に大きな意味を持つでしょう。そして、日本の政治にも少なからぬ影響を与えるでしょう。
広島電鉄では、労使が合意して、正規と非正規の均等待遇に踏み出しました。産別で、こういうことを提案したのは異例です。
もちろん、実際には、結構、非正社員が女性を中心におられたのを、労働運動(定数内繰入闘争)により、正社員にさせたということも1950年代にはあったそうです。ただ、当時は、どんどん賃金が上がる時代でしたから、非正社員の給与を増やしても、正社員の給与がマイナスになることはありませんでした。
小泉純一郎さんら自民党政治家は、アメリカと一部の大手企業の利益ばかりを図ってきた。これは、全くの論外です。
しかし、一方で、もう、日本は、高度成長は終わってしまいました。人口構成も変わりました。それは、直視しないといけないのです。
かつては、給与が比較的安い若手が多く、年配者はそれなりの高い給料を得ても、システムは維持可能に見えた。そして、年率二桁近い成長。これなら、それなりの企業に入れば、男性一人で妻子を養うことは可能でした。それと対応して、他の先進国に比べれば、教育費の負担は重いし、住宅費の負担も重い状況に置かれた。
その体制を政治的に体現したのがいわゆる55年体制です。
経営者や官僚の代弁者であるが、一方で冷戦と高度成長を前提とした利益団体である自民党。男性正社員労組員中心の社会=総評、民社=同盟の両党。そこのモデルに入り切らない人には、公明党、共産党が浸透していました。
だが、政治でも経済でもこうしたモデルは、バブル経済崩壊までには役目を終えた。このころには、高度成長も、冷戦もなくなった。
日経連、自民党側は、生き残りのため、正社員比率を減らし、不安定雇用を増やす策にでた。一方で、連合などは、結局、正社員の目先の既得権護持のために、それを黙認してしまった。
そうした中で、貧困が拡大していきました。
小泉政権で、大手企業の利益は過去最大になる一方で、庶民の負担は増え、地方切り捨ても進んだ。
しかし、そういうモデルは、2008年の世界同時不況で完全に破綻が明らかになったのです。
もちろん、 財政政策、金融政策を駆使して、デフレを脱却しないとどうしようもありません。それでも、昔みたいに、毎年月給が1万円とか上がるなどということは、今後の日本ではあり得ない。かつてのように、どんどん給料が上がる状態を維持するのは難しい。そうであるからには、前提とした社会システム=男性稼ぎ手+扶養される妻子モデルを基本とした制度も持たない。
若者は職がない。
年配男性正社員も実は教育費や住宅費の負担が重い。民間でリストラにあった場合には真っ逆さまになる。
女性、とくにシングルマザーなどは低賃金に苦しむ。
高齢者は、孫の教育費や子どもの住宅費に備え、お金を溜め込む人も中間層以上では多い。そのために、経済にお金が回らない。
老若男女とも、ひどい状況に日本は落ちこんだ。
この部分については、各政党も、連合も正面からは向き合ってこなかったのではないか?と思われます。企業を通じた分配ではなく、社会的な分配の仕組みをきちんつくらないといけない。しかし、現実には、お金持ち減税など、逆行することも行われてきた。
2006年に、民主党が小沢一郎代表に交代してから掲げた「国民の生活が第一」は、企業、そして世帯を通じて間接的に行ってきたセーフティーネットを、個人に直接張ろう、という画期的な理念を元にしていました。
小沢一郎さんは、たしかにいいところに目をつけた。その延長上に政権交代がある。
高級官僚の天下りについては、何千万も年俸を払う余裕は日本にはない。そのかわり、同一価値労働同一賃金を原則に定年まで役所にいていただく。それでいいでしょう。
お金がある方からはもっと税金をいただく。公務員などの場合は、自治労委員長の提案どおり、正規と非正規の格差是正を図らねばならない。
一方で、教育費などの負担は社会で面倒をみる。それにより、正社員の子どもでも、非正社員の子どもでも、教育を受けられる権利が保障される。
まとめれば、年配男性正社員は受け取る給料は下がる。しかし、子どもの教育費や住宅の悩みは低下する。
非正社員は待遇が改善され、子どもは充分教育を受けられる。
お金を孫のために溜め込んで居られる高齢者は、税金を今までよりは納めることになる。しかし、孫の教育費や子どもの住宅費を心配しないで済むために、安心して自分のためにお金が使える。
かくて、経済は今までよりは回り出す。こういう社会を自治労や連合は構想し、実現させて行けば良い。
芥川龍之介の小説にでてきた、「お釈迦様の蜘蛛の糸」の話を思い出してください。自分たちだけ助かる、なんて無理ですよ。
苦しんでいる人も一緒に助かるようにしなければ、蜘蛛の糸は切れてしまいます。
もちろん、自民党政権のまま、正規の待遇引き下げは難しかったでしょう。
正規労働者、とくに年配正規労働者が賃下げを受け入れても、教育や福祉が充実する保障はない。自民党の取り巻きのエライ人が高笑いして終わり、になりかねない。
しかし、今度は民主党政権です。ここで、正社員中心労組が非正社員の待遇改善に乗り出さなければ、怖いことが待っている。すなわち、橋下知事とかみんなの党のような勢力の台頭です。
その前に、正規労働者中心の労組が動き出さなければならない。わたくし、さとうしゅういちは、以上のように考えます。
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これは、戦後の労働運動の歴史に大きな意味を持つでしょう。そして、日本の政治にも少なからぬ影響を与えるでしょう。
広島電鉄では、労使が合意して、正規と非正規の均等待遇に踏み出しました。産別で、こういうことを提案したのは異例です。
もちろん、実際には、結構、非正社員が女性を中心におられたのを、労働運動(定数内繰入闘争)により、正社員にさせたということも1950年代にはあったそうです。ただ、当時は、どんどん賃金が上がる時代でしたから、非正社員の給与を増やしても、正社員の給与がマイナスになることはありませんでした。
小泉純一郎さんら自民党政治家は、アメリカと一部の大手企業の利益ばかりを図ってきた。これは、全くの論外です。
しかし、一方で、もう、日本は、高度成長は終わってしまいました。人口構成も変わりました。それは、直視しないといけないのです。
かつては、給与が比較的安い若手が多く、年配者はそれなりの高い給料を得ても、システムは維持可能に見えた。そして、年率二桁近い成長。これなら、それなりの企業に入れば、男性一人で妻子を養うことは可能でした。それと対応して、他の先進国に比べれば、教育費の負担は重いし、住宅費の負担も重い状況に置かれた。
その体制を政治的に体現したのがいわゆる55年体制です。
経営者や官僚の代弁者であるが、一方で冷戦と高度成長を前提とした利益団体である自民党。男性正社員労組員中心の社会=総評、民社=同盟の両党。そこのモデルに入り切らない人には、公明党、共産党が浸透していました。
だが、政治でも経済でもこうしたモデルは、バブル経済崩壊までには役目を終えた。このころには、高度成長も、冷戦もなくなった。
日経連、自民党側は、生き残りのため、正社員比率を減らし、不安定雇用を増やす策にでた。一方で、連合などは、結局、正社員の目先の既得権護持のために、それを黙認してしまった。
そうした中で、貧困が拡大していきました。
小泉政権で、大手企業の利益は過去最大になる一方で、庶民の負担は増え、地方切り捨ても進んだ。
しかし、そういうモデルは、2008年の世界同時不況で完全に破綻が明らかになったのです。
もちろん、 財政政策、金融政策を駆使して、デフレを脱却しないとどうしようもありません。それでも、昔みたいに、毎年月給が1万円とか上がるなどということは、今後の日本ではあり得ない。かつてのように、どんどん給料が上がる状態を維持するのは難しい。そうであるからには、前提とした社会システム=男性稼ぎ手+扶養される妻子モデルを基本とした制度も持たない。
若者は職がない。
年配男性正社員も実は教育費や住宅費の負担が重い。民間でリストラにあった場合には真っ逆さまになる。
女性、とくにシングルマザーなどは低賃金に苦しむ。
高齢者は、孫の教育費や子どもの住宅費に備え、お金を溜め込む人も中間層以上では多い。そのために、経済にお金が回らない。
老若男女とも、ひどい状況に日本は落ちこんだ。
この部分については、各政党も、連合も正面からは向き合ってこなかったのではないか?と思われます。企業を通じた分配ではなく、社会的な分配の仕組みをきちんつくらないといけない。しかし、現実には、お金持ち減税など、逆行することも行われてきた。
2006年に、民主党が小沢一郎代表に交代してから掲げた「国民の生活が第一」は、企業、そして世帯を通じて間接的に行ってきたセーフティーネットを、個人に直接張ろう、という画期的な理念を元にしていました。
小沢一郎さんは、たしかにいいところに目をつけた。その延長上に政権交代がある。
高級官僚の天下りについては、何千万も年俸を払う余裕は日本にはない。そのかわり、同一価値労働同一賃金を原則に定年まで役所にいていただく。それでいいでしょう。
お金がある方からはもっと税金をいただく。公務員などの場合は、自治労委員長の提案どおり、正規と非正規の格差是正を図らねばならない。
一方で、教育費などの負担は社会で面倒をみる。それにより、正社員の子どもでも、非正社員の子どもでも、教育を受けられる権利が保障される。
まとめれば、年配男性正社員は受け取る給料は下がる。しかし、子どもの教育費や住宅の悩みは低下する。
非正社員は待遇が改善され、子どもは充分教育を受けられる。
お金を孫のために溜め込んで居られる高齢者は、税金を今までよりは納めることになる。しかし、孫の教育費や子どもの住宅費を心配しないで済むために、安心して自分のためにお金が使える。
かくて、経済は今までよりは回り出す。こういう社会を自治労や連合は構想し、実現させて行けば良い。
芥川龍之介の小説にでてきた、「お釈迦様の蜘蛛の糸」の話を思い出してください。自分たちだけ助かる、なんて無理ですよ。
苦しんでいる人も一緒に助かるようにしなければ、蜘蛛の糸は切れてしまいます。
もちろん、自民党政権のまま、正規の待遇引き下げは難しかったでしょう。
正規労働者、とくに年配正規労働者が賃下げを受け入れても、教育や福祉が充実する保障はない。自民党の取り巻きのエライ人が高笑いして終わり、になりかねない。
しかし、今度は民主党政権です。ここで、正社員中心労組が非正社員の待遇改善に乗り出さなければ、怖いことが待っている。すなわち、橋下知事とかみんなの党のような勢力の台頭です。
その前に、正規労働者中心の労組が動き出さなければならない。わたくし、さとうしゅういちは、以上のように考えます。
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京野公子がんばれ!
by hiroseto2004
| 2010-09-03 00:28
| 経済・財政・金融
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