小泉さんが残した時限爆弾と保険料主義の限界 : 広島瀬戸内新聞ニュース（社主：さとうしゅういち）

小泉さんが残した時限爆弾。まだ残っています。

その一個がまた、三日後に爆発する。

年金保険料の引き上げです。

小泉さんが2004年に成立させた「年金改革」法で毎年10月になると保険料が上がる仕組みになっています。今もそれは続いています。また、家計が冷え込む材料です。

昨年は政権交代直後、今年は、自民党が事実上組んだ予算をある程度組みなおすだけで精一杯でした。しかし、来年度以降もこういうものが放置され続けたらどうなるか？

そもそも、日本の社会保障が保険料主義を軸としているのが、持続不可能になって久しいのです。

介護保険も、結局は、介護労働者の待遇改善のために国費を投入しないともたない状態です。
そして、保険料も、生活保護ギリギリの人と、年収何億の大金持ちで、三倍しか違わない。言ってみれば逆進性をもったものです。（国民年金保険料も、一定額ですから、逆進性を持ちます。そもそも、大金持ちは、年金保険料を納めなくてもあまり損はしませんし。）

庶民に取り負担が重く、大金持ちには軽い。そういうところに、また、河村たかし市長も目をつけて「減税」で負担を減らす、などというイメージを醸し出しています。

しかし、今すべきは、年金も、介護も医療も失業保険も、全て張り直すような構想力です。市民税を減税するより、介護保険料や国保料、年金保険料の減免のほうが助かる人が庶民ほど多いのです。

当面は、積極財政により家計を支えるべきです。すでに、新党日本と国民新党が提案しています。

田中康夫さんがおっしゃるようなベーシックインカムを射程に入れた制度改革。そしてその前提として、不公平税制の是正。消費税もきちんとインヴォイスを整備する。休眠口座の資金も活用する。

ベーシックインカムプラス現物サービスを保険料ではなく、税金で充実させる。今のままだと、教育や医療、失業給付などのセーフティーネットからこぼれる人が多すぎるのです。

効率的で大きな政府を民主党はめざすべきです。菅直人総理は、大きい政府だが、大手企業本位で、消費税増税に傾斜している。

一方で民主党出身の河村市長や民主党の松木けんこう衆院議員の主張する小さな政府でも、持続不可能ですし、低所得者にはたいした負担減にならない。その分、サービスが減ったら大損です。

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