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庶民派知事で何があっても心配いらない広島を ヒロシマ庶民革命


by hiroseto2004

アメリカの圧力による武器輸出三原則の緩和とウィキリークス絶賛の危うさ

【武器三原則崩しを止める要請の集中を! 韓国からも菅首相に反対の声!】

きまぐれな日々さんも、今日の記事で、武器輸出三原則緩和問題を取り上げておられます。

それとともに、ウィキリークスを持ち上げすぎることも戒めておられます。

http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1134.html

まあ、バイアスのない情報なんないわけです。それを前提としながら賢く利用する。当たり前のことですが、そのことはつい忘れがちなんで気をつけましょう。

ウィキリークスによるアメリカの公電の暴露が話題になっている。

これを、手放しで賛美する人たちもいる。参院選で「みんなの党」に投票し、臨時国会冒頭では稲田朋美を絶賛した天木直人もその一人である。
http://www.amakiblog.com/archives/2010/12/05/#001762





上記リンク先で天木直人自身が書いているように、天木はテレビ朝日のサンデーなんとかに出演し、ウィキリークスを絶賛した。

天木は、「ウィキリークスの判断基準は、『お前は権力側に立つのか、弱者の側に立つのか』だ」とか、「アサンジ氏を『弱者に代わって不義を討つ』英雄だと思っている」などと、例によって熱を込めてウィキリークスを絶賛しているが、これでよく外交官が務まったものだと呆れる。

というのは、どんな情報にも、情報を流す側によってバイアスがかかっており、情報を評価するものは冷静でなければならないからだ。初めからウィキリークスを熱狂的に賛美する天木直人のような人間は、外交官の適性を欠く。こんな人間を雇っていたから、日本の外交はダメだったのだと言いたいくらいだ。

掲示板を見ていても、「目覚めた民」を名乗る投稿者が、「マスコミ(=マスゴミ)は洗脳機関である」、「ウィクリークスこそ真の情報媒体である」などと高揚感に浸っているが、かつて日本政府の中枢にいた小沢一郎に都合の悪い情報がリークされた場合、目覚めた方々はどう反応されるのだろうかと、他人事ながら心配になる(笑)。

昨日は、TBSの「サンデーモーニング」でも、冒頭でウィキリークスの話題が出て、毎日新聞の主筆様を務める岸井成格は、ウィキリークスから得た情報でも、「裏がとれれば毎日新聞も記事にするだろう」と語った。岸井の言う「裏取り」には疑念もあるが、言っていることは間違っていない。

そして、その岸井が引き合いに出したのが、武器輸出三原則緩和をめぐるウィキリークスの暴露だった。ウィキリークスへの対応は、朝日新聞主筆様の船橋洋一も同じらしく、1日付のasahi.netで参照することができる(下記URL)。
http://www.asahi.com/international/update/1201/TKY201012010342.html

以下引用する。

武器輸出三原則見直し求める米公電暴露 ウィキリークス

 【ワシントン=伊藤宏】日米両国が2014年をめどに共同開発を進める海上配備型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」について、米政府が欧州への輸出を可能とするために、日本政府に武器輸出三原則の見直しを求めた内容の外交公電が明らかになった。民間告発サイト「ウィキリークス」が公表した。

 この外交公電は昨年9月17日付で、米国務省からミサイル防衛関係各国の米大使館にあてられている。

 それによると、米国のミサイル防衛戦略として、SM3ブロック2Aを「将来的には北大西洋条約機構(NATO)や欧州の同盟国に売却する可能性を探りたい」と指摘。将来的にミサイル防衛の地球規模のネットワークを構築するために「日本政府が戦略的な決断ができるよう協力していきたい」としている。

 ゲーツ米国防長官が昨年10月、北沢俊美防衛相と会談した際、「SM3ブロック2A」の第三国供与に言及。三原則を見直し、新型ミサイルを欧州などに輸出できるようにするよう非公式に求めたとされる。公電の日付は、こうした時期とも符合しており、菅政権が進める三原則の見直し議論にもつながっている可能性がある。

(asahi.com 2010年12月1日19時19分)

北澤俊美は、鳩山内閣からずっと防衛大臣を務めている。先般政界を引退した羽田孜の系列の保守政治家で、自民党を出発点として、新生党、新進党、太陽党、民政党を経て民主党入りした。

岸井成格は、民主党政権になって急に武器輸出三原則の緩和を言い出したのはなぜなのかなあ、と思っていたら、こんないきさつがあったことがわかった、などと言っていたが、なるほど、これでは「対米従属」の政権と言われても仕方ないだろう。

この件は別として、ウィキリークスに流れた日本関係の情報はごく少なかったという。それだけ日本の地盤低下が深刻だということなのだろうが、先の国会の醜態を見ていれば止むを得ないかとも思う。

もっとも、ウィキリークス自体に対して手放しで賛美するような態度は、当ブログはとらない。先の「尖閣ビデオ」の流出事件もそうだったが、これらは権力側からの情報流出であって、「尖閣ビデオ」の流出が日本において右翼的言説が力を増したことと同様、クーデター的な動きにつながる恐れもある。日本の民主党政権同様、アメリカのオバマ政権も深刻な支持率低下に悩まされており、「ティーパーティー」の台頭に見られるように、右翼的・新自由主義的な動きが強まっている。

そういえば、天木直人らと親和性が高いのではないかと思われる副島隆彦一派も、「ティーパーティー」に入れ込んでいる。そして、副島は小沢信者の間で神格化されている植草一秀とつるんでいるので、小沢信者は誰も副島を批判できない。こうして彼らは右翼的・新自由主義的な方向へとどんどん引っ張られる。少し前までは植草一秀が果たしていた「ハーメルンの笛吹き」の役割を、今では副島隆彦が担っている。そんな彼らの「ネットde真実」とはいったい何なのか。

世の中には、色のついていない情報などあり得ない。「知られざる真実」や「ネットde真実」など、幻想に過ぎない。






by hiroseto2004 | 2010-12-06 12:16 | 反核・平和 | Trackback