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by hiroseto2004
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5月21日の福井県原子力安全専門委員会の傍聴報告

[転送・転載歓迎/重複失礼]

美浜の会の山本重郎さんが書かれた5月21日の福井県原子力安全専門委員会の傍聴報告に、同じく傍聴された京都の藤井悦子さんが補足されたもの[(ふ)として追加挿入]を両人の了解を得てご紹介します。貴重な報告ですので、ぜひご一読ください。引き続き委員への要請もお願いします。

なお、報告中にも出てくる当日の配布資料は以下で見られます。

<福井県原子力安全専門委員会>
http://www.atom.pref.fukui.jp/senmon/index.html
※冒頭に5月21日の会議資料等の一覧のリンクがあります(議事概要は後日掲載)。

[その中からピックアップ]
・これまでの審議事項の整理・確認(福井県原子力安全対策課)=報告書の骨格案
http://www.atom.pref.fukui.jp/senmon/dai73kai/no2.pdf                ↑
※右側に「今後の更なる対策」とあり、例えば6ページには「免震事務棟の設置」「フィルタ付ベント設備の設置」「水素爆発防止対策(静的触媒式水素再結合装置の設置)」などが書かれていますが、今後の中長期計画に過ぎません。専門委員は本来これらの未設置こそを追及すべきです。

【参考資料】
5月21日の会議に向けて
福井県原子力安全専門委員会への要望書(5/20、グリーン・アクション、美浜の会)
http://www.jca.apc.org/mihama/fukushima/fukuisenmoni_youbou20120521.htm
大飯原発、県専門委が論点整理 安全性確認は審議継続(福井新聞、5月21日)
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/npp_restart/34812.html
★専門委員に更なる要請を集中してください! (↓ぜひツイートしてください)
委員(+福井県知事)の要請先一覧 http://2011shinsai.info/node/2183
----------------------------------- 以下、転 -------------------------------------------

美浜の会の山本です。

21日の福井県原子力安全専門委員会の傍聴に行きました。

今回は保安院の出席はなしで、関電だけを呼んで、
・制御棒の挿入時間の問題
・大飯原発周辺斜面の崩落の問題
を事業者から聞くという目的でした。

<(ふ)原子力安全専門委員会の出席者は、
中川英之(委員長) 福井大学名誉教授
三島嘉一郎 (株)原子力安全システム研究所 技術システム研究所長
田島俊彦 福井県立大学名誉教授
岩崎行玄 福井県立大学教授
飯井俊行 福井大学大学院教授
山本章夫 名古屋大学大学院教授
泉佳伸 福井大学附属国際原子力工学研究所教授
および県から
石塚博英 福井県安全環境部部長
川上修司 福井県安全環境部危機対策幹
櫻本宏 福井県安全環境部企画幹
岩永幹夫 福井県安全環境部原子力安全対策課課長>

中川委員長は、まとめよう、まとめようという姿勢が見られました。
また、委員会事務局である原子力安全対策課から「これまでの審議事項の整理・確認」という表がまとめられ、まとめ段階に進んでいくという対応も見られました。

このまま次回に報告書のまとめに入っていくという心配もありましたが、各委員の質問に関電が詳しい資料を提示したり説明したりができず、「別途、資料を出して説明する」ということを3,4回いいましたので次にまとめで報告書というのは、難しいのではないかという印象を持ちました。
会議は15時から1時間半ぐらいの予定でしたが、実際委員から多くの質問が出て、1時間も超過しました。

<(ふ)中川委員長がもっとも早くまとめてしまおうという態度で、
委員が関電に対して質問していることに、関電が答えられないのに関して、
勝手に自分で回答してまとめようとしたりしていました。
しかし、ほかの委員の方々は、「専門外なのでわからない部分もあるが」
とか「こういう解析結果だと出されているが、印象としては納得できない」など
「実は私たちは何もわかっていないで審議しているということが今日はわかった」
など、学者としてはあまり言いたくないであろう発言もしながら、
安易にゴーサインを出すことに抵抗しているように見えました。
単に抵抗のポーズで終わらせないように、
これらの人々には、きちんと議論すべき点を提供したり、
絶対に安易に結論を出さないように頑張ってほしいと、激励することが
必要ではないかと感じました。>

以下は細かいですが、問題になったのは次のような点です。
(長いので読み飛ばしてもらって結構です)。

関電からは3つの資料に沿って説明がなされました。

1.断層の連動性を仮定した地震動および主要施設の固有周期について

関電は、3連動を仮定した地震動と大飯3号主要設備の固有周期のグラフを出し、
「一部の周期で大飯の基準地震動を超えるものがあった、
しかし、その比率は大きいものでも1.4倍で、ストレステストの
クリフエッジ1.8倍を下回るから問題なし」と説明しました。

これに対して、委員から主要設備の固有周期の評価は、構造物単体の場合と他の
構造物との連性の場合で異なるがどう評価しているかという質問が出され、関電
は、単体の場合に評価が厳しくなるケースもあれば、連性を考えた方が厳しくな
るケースもあると、非常に一般論しか答えませんでした。
これに他の委員も「もう少しモデルを説明してもらわないとにわかには理解でき
ない」という発言があり、関電は「整理して別途説明する」と回答しました。

一方で関電は、断層の3連動は念のためであって、基本的には2連動で十分であ
るかのような言い方をしました。

<(ふ)この質問で食い下がったのは泉委員でした。
「それぞれの設備を単体の固有振動数でしか評価していないようだが、
連結して評価したものもあるということなら、具体的で正確な資料と説明をせよ。
連結すると固有振動数が変わるが、
この振動数が地震の振動数と一致したところが最も弱いのだから。」>


2.制御棒挿入性評価について

3連動地震の際に、制御棒の挿入時間が許容値の2.2秒以内に
収まるのかという問題です。
関電は、これまでの「応答倍率法」での評価2.16秒では
余裕が小さいので、保安院に詳細な解析を求められてきている、
詳細評価で「スペクトルモーダル法」→「時刻歴解析法」という図を
提示、「いきなり時刻歴解析もありうる」という説明をし、
その概略を説明してこれまでの2連動で2.16秒を1.88秒に
引き下げた結果を示しました。
そして「ストレステスト審査の過程において…回答対応の参考として…
1.88秒(時刻歴解析法)を提出した」というまとめを説明しました。

<(ふ)挿入時間に関しては、関電は「2.2秒は目安であって絶対ではない。
11秒でも問題は起きないという結果が出ている」という趣旨の発言をしました。>

これに対して委員からは、
解析の数式に対する質問が数人から出されました。

時間のパラメータが入っているか?
それぞれの抗力の寄与度はどの程度か
地震による抗力が大きいともっと大きくなっているのでは等。
<(ふ)これらを質問したのは飯井委員と三島委員>

関電は数値はあるが、今日は持ってきていないと回答し、
中川委員長が解析をして数値があるのだからいいのではないかと納めようとしま
したが、委員たちはそれを示して欲しいという反応でした。
関電は「別途説明する」としました。

<(ふ)また、山本委員から、「鉛直方向と水平方向の揺れの相関性はないという
評価の仕方は学会では一般的なのか?」との質問があり、関電からそうだとの回答。
岩崎委員から「もんじゅで、制御棒が引き抜けなくなった事故があったが、
制御棒の一つが曲がってしまったら挿入できなくなるのではないか?」と質問。
中川委員長が、「基本的にまとまってかなりの重力で落下するから、
一本だけ入らないことはない」という回答。これはあまりくいさがれずにおわった。>


この評価については国で審議されていないことが問題としてあるのですが、
それには委員からの直接の言及はありませんでした。


3.大飯発電所周辺斜面の安全性評価

大飯1・2号の隣接する斜面が地震の際に崩落する可能性について
5月14日の国の意見聴取会に説明した資料の説明でした。
関電からそれまでは変位量が0.09cmと0.023cmだった評価が
意見聴取会ですべり安全率が1を切った後は「ピーク強度」でなく
「残留強度」を使うことと指摘され、評価し直した結果、
0.11cmと2.5cmになったと説明。今後崩れやすい表層を
取り除く工事を行うが2、3年先になるということでした。

この問題について、委員からかなり多くの疑問が出されました。
国の意見聴取会でさらなるコメントはなかったか?<(ふ)山本委員>
一度すべり始めたら、止まるというのはイメージとして理解しがたい<(ふ)田島委員>

(当初の解析の際の仮想すべり面が一番すべりやすいと言う関電の説明に)
仮想すべり線はどうやって想定できるのか<(ふ)田島委員>
3・4号機側の斜面(A-A’断面)については考慮不要か?<(ふ)飯井委員>
弱い地震の複数回での想定はないのか 等々

<(ふ)これらの質問では、みなさん食い下がっておられましたが、とくに飯井委員は

「専門家ではないから言いにくいが、印象としてはこの解析結果は納得できない」とか、

「みな内容があまりわかっていないで議論していたことがわかった」とか、
中川委員長がまとめようとする中、頑張って発言しておられました。>

この後、原子力安全対策課からだされた
「これまでの審議事項の整理・確認」という表の説明があり、
今後のまとめにあたって意見はないかと委員長からありました。

委員から
・福島事故のシーケンス(時系列)に沿っての対策のまとめも必要<(ふ)山本委員>

・表は事業者の対応のみだが、これまで委員会として国に対して要望を出してき
ているのでそれについても記載が必要(2名の委員)<(ふ)三島・泉委員>
という意見が出されました。

<(ふ)泉委員は、「規制庁もまだできておらず、今後もっと国に対して、報告書の中で、
委員会から意見を述べていく」と発言>

次回は、事務局が各委員の日程調整をして決める、
まとめについては、文章化していく、その際に委員の先生方にも意見を聞きなが
ら、という事務局の説明で、この日は終わりました。
<(ふ)委員長は、「今日は中身に踏み込めなかった」と発言>
次回即報告書になるのかは、普通に考えると難しいように感じました。

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by hiroseto2004 | 2012-05-23 12:30 | エネルギー政策 | Trackback