ノルウェー、父親の育休14週間に
2012年 10月 11日
ノルウェー、父親の育休14週間に
ノルウェー連立政権は、パパの育児休暇(いわゆるパパ・クオータ)を14週に延長することを決定した。
今週、月曜日に公開された政府の次年度予算案に計上された。
パパ・クオータは、パパが育児休業をとらなければ、無効になる。ママが代わってとることはできない、というしくみだ。現在、両親に与えられる育児休暇のうち、パパ・クオータは12週間。今後、2週増えることになる。
これによって、親たちは、育児休暇を100%有給で49週間か、80%有給で59週間かのどちらかを選択できる。
このパパ・クォータが、ノルウェーで制度化されたのは20年ほど前の1993年。
ねらいは、男女ともに、子どもの親となった後も、仕事と家庭を両立できるようにすることだ。こうした長い育児休業と、充実した保育園のおかげで、ノルウェーの働く女性数は、ヨーロッパ各国の中で最も多い。それだけではない。出生率も1.9まであがった。
男性の育児休業を熱心にすすめてきたのは、労働党に加え、連立の一翼を担う左派社会党だ。左派社会党の新党首はアウドゥン・リースバッケン。日本にもファンの多いクリスティン・ハルヴォルシェン(女性)から代わった。
リースバッケンの妻は、前夫との間に連れ子のいる女性。彼は、子ども平等社会大臣就任中に、彼女との間に生まれた子どもを育てるため、4ヶ月間、育児休暇をとって世間をびっくりさせた。
育児休業をすべての働く人がとれるようにするには、もちろん財源がいる。しかし、子どもにとって最高の環境と、両親ともに(とくに女性)キャリアを続けられる環境、それに少子高齢化社会の改善につながるのだから、「なんのこれしき」だろう。
◆SV vil gi far flere uker med pappaperm
http://www.vg.no/nyheter/innenriks/norsk-politikk/artikkel.php?artid=10046777
■ママが世界一幸せな国はノルウェー
http://frihet.exblog.jp/17937821/
■男性のおむつ替え
http://frihet.exblog.jp/17797386/
■パパにもっと時間ができた!
http://frihet.exblog.jp/16443970/
【写真上:リースバッケン著『自由、平等、そしてパパ』。大臣就任中に育児休業をとった彼が育児体験を書いた本。写真下:2012年夏のナイスショット。オスロの友人夫妻はパパがもっぱら育児。トイレの中でおむつをかえるパパ】

by hiroseto2004
| 2012-10-11 18:28
| ジェンダー・人権
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