【全国フェミニスト議員連盟夏合宿・片山善博元鳥取県知事の講演】
2013年 08月 03日
全国フェミニスト議員連盟夏合宿・片山善博元鳥取県知事の講演
『地方議会改革と女性議員への期待』というタイトルでした。
以下は片山さんのお話です。
改革派知事と言われた知事です。
「なにかとりたてて大上段にイデオロギーを振りかざしたわけではない。日常に変だなと思った事を直しただけ。お金の無駄遣いがいっぱいありました。予算を使い切る主義だったのをやめさせた。」
「税をいただくのは恨みを買う。大変な作業である。取られた方は倒産することもある。それを湯水のごとく使うのはおかしい話。」
「情報公開請求に対しても隠すばかり。」
「隠す部分があるなら知事決裁にしよう。」
という風にした。
案件がたくさんあるという脅しを職員からうけたがそれをおしきった。結局知事に決裁を取るのを面倒なので役人も情報公開に積極的になったのです。
大臣時代に総務省でも、鳥取県の仕組みを踏襲しました(これは部下が提案)。
世の中は男女半々。行政、そしてそれを決めるのは議会です。
お客は男女半々です。
しかし、そういうお店が、仕入れから販売から、レイアウトまで男性ばかりの店になっていたら、流行らないでしょう。
女性の顧客にターゲットを置かないといけない。
しかし、県庁は中枢部は男性ばかり。県議会も男性ばかり。
そこで、女性のキャップを予算編成で三割程度配置した。
今までは男性中心で徹夜辞さずという状況でやっていた。
しかし、男性にも無理があった。それを変えた。
子育ての審議会を高齢の男性ばかりだったのを改めた。
それを、4割から6割におさめた。
議会は県民が選んだ結果を受け入れざるを得ない。
しかし、やっぱり変です。
これならずれてくるなあ、と思いました。
そこで、女性議員が増えるようにセミナーをつくった。
議会は女性を待っているという題だったが、猛反発を食った。
自分が知事の時は否決や修正が当たり前だった。
それが議会として当たり前です。
嫌がらせや足の引っ張りはなかった、という感じだったそうです。
セミナーは否決されそうになったが、女性が半分県民なのに、みんな男性で決めるのは変ではありませんか?
というと、それもそうだ、ということで、可決されたそうです。
おかげで、女性議員も増えました。
片山さんの改革の思いの一つは、顧客の半分は女性ということですが、議会のあり方を変えて欲しいという思いもありました。
今までの議会はプロイセンの帝国議会のレイアウトのままです。
みんな男で政治をやっていました。
それを踏襲しています。
女性が増えてよかったではいけない。女性が増えて議会が変わって政策がかわらないといけない。
女性議員のうちふたとおりにわかれました。
志を忘れてないが、孤軍奮闘でバーンアウトしかかる人もいる。
一方でほとんどおじさん化する人もいます。これはがく然としました。「会派で決まっている」という議員もいます。それでは意味がない。
問題は、なにができるのかできないのか、ということです。
議会改革へのイメージは高邁なことではなく、変だなと思う事を変えて行く事です。議会改革のミッションは、何か?
議会基本条例は結構ある。市民から高い評価を受けるという例は残念ながら、ない。議会基本条例を否定するものではない。しかし、それで評価が変わったという例はない。
市民は地方議会に違和感をもっている。議会が廃止されたらどうか?という問いかけに対して、別にうーん、という反応でした。
教育委員会がなくなるかもしれないということになっています。
小学校はなくなっても困らないが、教育委員会廃止についてどこからも反対はない。(片山さん自身は責任を果たせる教育委員会にすべき、という持論です。)
いろんなことが起きているのだから、もっと自分の問題として取り組まないといけないのだが、全然していない。
市民からみて変なことを変えないといけない。
市民に背を向け、議員は知事を向いている。
議会に市民が行っても「傍聴」するしかない。
昔は傍聴人は取締規則が適用された。議会をみにくるのは変な人というレッテルを張っていた。
市民参加とかいい方を変えたらいい。
選挙は自己宣伝をする作業です。
日本は謙譲の美徳ですが、選挙は変な作業です。
それはともかく、教育委員会が選挙でやっていた。しかし、それが
変わり、議会の同意で選任されるようにした。
しかし、議員が品定めをしているのでしょうか?
また、会期制もおかしい。欧米は一週間に一回です。
会期制があるのは、日本と韓国だけ。
通年制にしたところもあるが、結局議案はまとめてしまっている。
アメリカは来週の議会で何が議論されるか周知される。
日本はいつ何が議論されるかもわからない。しかも、昼間に議会だから行けない。議案の審議はほとんどない。
しかも、アメリカは議案ごとに質問する。しかし、日本は議員ごとに質問なので、いつ何が質問されるかわからない。
議員単位から議会単位でしたらいい。
また、執行部がいないとできないという議会でなくていい。
しかし、アメリカでは市長が来ない議会もたくさんある。
執行部は、審議に必要な時だけ課長を呼んでいます。
また、アメリカの議会では毎週一回市民がしゃべる時間があります。
前の日までに登録した人が、しゃべる時間があります。
日本の議会は市民を隅っこにおいやっている。
そして、日本の議員は役人からばかり意見を聞く。
アメリカでは議会の主役は市民で、議員は市民同士の意見をジャッジするある意味、裁判官に似た役目です。
アメリカでは図書館の充実のために固定資産税を少しあげようという結論になりました。
会期の由来は、もともとは、王政の時代の産物です。王様が税金を取られる人の同意を得るために議会を召集していたからです。
しかし、いまは、市民の代表が集まって出てくるわけですから会期は必要ないのです。
議員個人ではなく、市議会で公聴会を、委員会単位で聞いて欲しい。個人単位で聞くと、口利きになりやすいです。
by hiroseto2004
| 2013-08-03 15:21
| 女性と政治キャンペーン
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