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庶民派知事で何があっても心配いらない広島を ヒロシマ庶民革命


by hiroseto2004

中丸衆院議員に、「大学教員非正規化法廃案」を要望

【中丸衆院議員に、「大学教員非正規化法廃案」を要望】
夕方、中丸啓・衆院議員(比例中国・日本維新の会)を安佐南区長束の事務所に訪ね、議員本人に「研究開発力強化法案」=大学教員非正規化法廃案を要望しました。
臨時国会では継続審議になりました。
大学教員を非正規ばかりにする法案は止めさせないと、研究開発力は却って低下します。とにかく、野党唯一の広島市選出議員、また大学が多い安佐南区地盤の議員としてお願いしました。衆院文部科学委員会所属議員にも申し伝えいただけるとのことです。


以下は、わたくし、さとうしゅういちが本日夕方、中丸啓衆院議員にお願いした内容です。

2014年1月5日

衆議院議員 中丸啓 様

緑の党・ひろしま 共同代表 さとうしゅういち

研究開発力強化法案等の拙速な改正に断固として反対します

  日頃より私たち国民のためにご尽力いただき、誠にありがとうございます。
 11/27(水)、いわゆる研究開発力強化法と大学教員任期法の改正案が国会に提出されたと伺いました。しかしながらこの改正には大きな疑問があります。研究開発力強化法改正法案の殆どは「必要な施策を講ずるものとする」といった抽象的方向を示すだけで、唯一の具体的効果が、労働契約法18条の5年ルールを10年に延長することです。しかも、現行法で対象とされていない人文科学系の研究者、さらに法案提出者(自・公)によれば、研究者として採用されておらず任期教員でもない大学の非常勤講師にまで10年延長規定の適用を主張しています。
 そもそも5年ルールができたため、長期(例えば7~10年)のプロジェクトが組めなくなったという主張は誤解です。労働基準法は、一般には3年ないし5年を超える期間の労働契約締結を禁止しますが、「一定の事業の完了に必要な期間を定める」労働契約は、認められています(労働基準法14条1項)。
 また5年ルールができたため、5年にならないうちに解雇しなければならないから10年延期が望ましいという見解もあります。しかしそのような解雇こそ、雇用の安定という労働契約法18条の趣旨に反します。また10年ルールに変えても、その間の雇用が保証されるわけではなく、何ら保証のない短期雇用が更新されるだけです。そうなれば雇止めを恐れて現状批判の声もあげられず、研究や研究者相互の協力も阻害され、研究・教育にマイナスの効果しかもたらしません。またそのような職務に優秀な人材は集まりません。現に、全員が任期教員となった首都大学東京でのこの10年間について、当事者の声を聞いていただきたいと思います。逆に5年で無期になったとしても、その労働条件は、期間の定めがなくなっただけで、従来の条件と変わるものではありません(労働契約法18条1項)。使用者の負担が増えるわけではなく、かえって研究・教育の意欲を発揮させることになります。しかしこの法案では、その意欲を否定します。
 労働契約法は、5年ルールの規定につき附則第3項で、政府は「施行後8年を経過した場合において…その施行の状況を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」としますが、今回の法案提出は、施行後1年も経たないうちに、その状況を勘案せず議員立法として提案されています。労政審の手続きやパブリック・コメントを求めることもなく、附則で定める労働契約法の改正をまたずに無関係の法律内に特例を作ることがなぜ研究開発力の強化になるのでしょうか。
 立法が合憲性・妥当性を持つためには、その法律が必要とされる社会的・経済的事実(いわゆる立法事実)が必要です。しかし法案第2条の定義で「『研究開発』とは科学技術(人文科学のみに係る者を除く。)」としながら、続けて「第15条の2第1項を除き、以下同じ。」としていますが、どうして労働契約法の特例だけを人文科学研究者に加えるのでしょうか。また、どうして非常勤講師にまで適用しようとするのでしょうか。この法案は、大学の研究者・教育者を対象に労働契約法の趣旨であった雇用の安定を否定し、大学経営者らの使い捨ての要望に応えるだけの法案です。また法案は、「国及び国民の安全に係る研究開発等」の分野に資源の重点的配分を行うとしますが、それによって具体的に研究開発能力の強化にどう繋がるのか、その立法事実も不明です。                   
 特定の対象者に確実に不利益を与える法改正を、当事者の意見聴取もなく極めて短時間で強行することに強く反対し抗議します。研究者・教員個人の無期転換の自由・学問の自由を一方的に制限し、組織の道具として利用するための法改正の強行は、民主主義のいかなる手続き・正当性にも反するため、絶対に認めることはできません。
以上

by hiroseto2004 | 2014-01-05 22:12 | ジェンダー・人権(労働問題) | Trackback