この春こそ収入アップを国民に届けられるのか?
2014年 01月 07日
安倍総理が、「この春こそ収入アップを国民に届けたい」と
意気込んでおられます。
その通りになればこれほどうれしいことはない。
しかし、「おい、ちょっと待て」ということがたくさんあります。
第一に賃上げ要請をするのは、労働組合の仕事です。
ただ、労働組合がその本来任務をしなくなり、「労働貴族」に堕してしまった
ような労働組合幹部も多いのが情けないことです。これにより、完全に特に
連合は、自民党にお株を奪われてしまった。これは、安倍さんの問題というよりは
労働組合の問題です。
第二に、そもそも、今好調なのは輸出大手だけです。内需関連や中小企業には
好調さは及んでいません。むしろ原材料輸入価格上昇等のアベノミクスのマイナス
効果が及んでいます。全体で見ても、日本はもはや貿易赤字国で輸入国。これ以上の
円安は、輸入物価押し上げによる悪影響のほうが全体としては大きく出るでしょう。
第三に、非正規雇用者に賃上げをどう波及させるおつもりなのか?常勤と同じ時間働いている
パートには、正社員と同様の待遇を義務付ける法改正も厚生労働省は検討しているという。
それは良いことだが、そもそも、物価が上がって、非正規雇用者のみなさんなど庶民に
悪影響が出る前にすべきことではなかったのか?
第四に、いわゆるブラック企業をそのままにして、賃上げもないでしょう。厚労省も
昨年秋以降、重い腰を上げましたが、徹底した労働行政の強化または、事後的な重い刑罰・
賠償を科すなどしないと、状況は良くならないでしょう。
最後に、消費増税を4月から実施する中で、企業経営の中で消費増税のしわ寄せが人件費
に行く可能性があることです。
その上、たとえ、1%賃金が上がっても、3%増税されたらたまったものではありません。
また、増税の近い道も社会保障の充実・安定化といいながら、実際は、大手企業本位の
大型事業や法人減税中心の経済対策に消えてしまうのです。これでは、一般労働者は
子育てや介護の不安から安心して働けないし、消費もしにくくなります。
結局、この春以降、日本を襲うのはスタグフレーション、すなわち不況下の物価高となる
可能性が高い。または、買い控えにより、需要サイドが急速にしぼめば、物価高にはならない
可能性もありますが、この場合は、すさまじい収入減少が労働者・国民を襲うことになる
でしょう。
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| 2014-01-07 18:26
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