銀座眼科・溝口被疑者逮捕 レーシック集団感染の背景(JANJAN)
2014年 02月 06日
本当に国家戦略特区を東京でやっていいのでしょうか?
監督体制強化なき規制緩和なら、医療は大混乱です。
国家戦略特区の結果、銀座眼科のような事件が続発したら目も当てられません。
野放図な規制緩和に歯止めをかけるには宇都宮けんじを都知事に!
銀座眼科・溝口被疑者逮捕 レーシック集団感染の背景
http://www.janjanblog.com/archives/25655
角膜をレーザーで削って視力を回復させるレーシック。そのレーシックを行う銀座眼科(現在閉鎖、当時の院長・溝口朝雄被疑者)で、2008年から2009年にかけて、患者多数が集団感染とみられる角膜炎などになりました。
レーシックは、マイクロケラトームというかんなで、角膜を蓋状に切り、蓋を外したあと、角膜にレーザーを照射して削り取り、再び蓋をするものです。近視は、眼のレンズが厚いか、レンズと眼底までの距離が長すぎるかによって眼底よりも手前に像が結んでしまうことでおきます。角膜を削ることで、レンズを薄くし、焦点距離を長くして、眼底に像が結ぶようにするのです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/レーシック
視力を回復させようと、胸をときめかせて銀座眼科で手術を受けた多くの人が、角膜炎などを起こしてしまった。既に多くの人が院長の溝口朝雄被疑者を民事提訴しています。
警視庁は今日、その溝口被疑者を業務上過失傷害の被疑事実で逮捕しました。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2010120790115730.html
警視庁の調べやこれまでの週刊誌などの報道によると、溝口被疑者は、手術に使用する機械を開業以来消毒していなかったというお粗末な実態でした。ですから、レーシックが怖いとか、そういうイメージが広がると他のクリニックが迷惑すると思います。
ただ、こういうことが起きた背景には、以下のようなことがあります。
溝口被疑者が経営しているような、入院設備がない医療機関は、ほとんど保健所も検査に入らない。というより、数百の医療機関を3,4人の係員で受け持つという保健所の人員体制上、検査に入るのが無理ということもあるでしょう。
20床以上の病院が年一回、それ未満の入院設備がある診療所が、三年に一回、概ね検査をします。
しかし、そうでない、いわゆる「町医者」の先生方や歯医者の先生方のところまでは、検査に入る余裕がありません。(わたし自身、医療機関指導を担当していたことがありますからそれはわかります。)
それは、「医師の先生方は金儲けのためではなく、良心でやっている」と信じてある程度おまかせする、という暗黙の前提もあるとは思います。
第二に、レーシックは、自由診療(公的保険がきかない)ので市場原理むき出しになるということです。金儲けのためには、安さを医師は競い合います。その結果、余裕がなくなる。
そういう中で、角膜炎まではいかないが、手術する患者の順番を間違えて、レンズを削りすぎて、遠視にしてしまった例は広島県内でも発生し、報道されています。
こうしたことが背景にあるにせよ、溝口被疑者は非常識すぎるのは確かです。銀座眼科で、集団感染とみられる事件が起きたあと、銀座眼科を閉鎖した溝口被疑者は、埼玉県でまたクリニックを開いていたという。反省のない態度に、警視庁もキレて、在宅での捜査ではなく逮捕に踏み切ったのでしょう。
ただ、以下のことは言えると思います。少なくとも「医療に対する検査体制を現行より大幅に増強しないまま、アメリカなどが要求している医療への市場原理導入を受け入れたら、溝口被疑者のような医師が続出しかねない」ということです。