「五輪は復興にマイナス」・・被災地首長アンケートにみる日本経済の「供給サイド劣化」
2014年 03月 03日
「五輪は復興にマイナス」・・被災地首長アンケートにみる日本経済の「供給サイド劣化」
(東日本大震災3年)「五輪、復興に逆風」6割 被災42市町村長へ朝日新聞社調査
2014年3月3日05時00分
http://www.asahi.com/articles/DA3S11008507.html?ref=nmail
2020年の東京五輪について、東日本大震災で大きく被災した岩手、宮城、福島3県の42市町村の首長の約6割が、
復旧・復興にマイナスの影響を与えるとみていることが朝日新聞のアンケートでわかった。五輪の招致活動では震災復興
が強調されたが、資材や人手の不足による復旧・復興工事の停滞への懸念が広がっている。
(引用終わり)
朝日新聞のアンケート調査で、東京五輪は東日本大震災の復旧・復興にマイナス・そのように考える首長が多いことが
明らかになりました。建設資材や人材が五輪に回れば、復旧・復興は遅れるということ。
消費税増税についても、工事費の値上がりで復旧・復興が遅れるのではないか?ということを
懸念されている首長が多いことを同調査は示しています。
いま、確かに、日本経済、特に建設業の供給サイドは、需要に対応しきれていません。
実を言えば、日本経済全体でも、資材関連も含め、供給が需要に追い付いていない状況がある。
だから、貿易赤字が総体として拡大しているのです。
もちろん、日本人は先進国でも一番長時間労働(男性フルタイム)なのですが、生産性が低い。
いまは、残った人材を酷使し、過去に蓄えた金も取り崩してしのいでいる、というのが日本の現状です。
この症状に対は、大型事業をばらまくことでは決して解決しません。
日本は、高度成長までの大量資源浪費、大量生産、大量消費にはうまく対応してきた。
しかし、その先に行くことに失敗しました。
本当は、「大量生産」から「付加価値が高いもの」に移行していかなければならなかった。
「特攻隊」のようにがんばりさえすればうまくいく時代は終わりであり「知恵」を使う時代に移行しなければ
ならなかった。
しかし、日本は、行き詰まる中で、非正規雇用など、むやみやたらと人を使い捨てすることで事態を
ごまかそうとした。しかし、少子高齢化でにっちもさっちもいかなくなっている、というのが
実態でしょう。
「強い経済」から「賢い経済」への移行。これに失敗したまま、安倍さんが五輪で大型公共事業の
ばらまきをやっても、何の効果もないばかりか、復興・復旧の足を引っ張るだけということになる
でしょう。