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by hiroseto2004

ガザ紛争をめぐる誤解

ガザ紛争をめぐる誤解
http://imeu.org/article/faq-misperceptions-about-the-conflict-in-gaza

回答者:
ダイアナ・ブット 
人権弁護士、ラーマッラーを拠点に活動するアナリスト。PLOアッバース議長の顧問も
務めた。アル=シャバカ:パレスチナ政治ネットワークの政治アドヴァイザー。

ジョージ・ビシャーラート 
カリフォルニア大学サンフランシスコ校ヘイスティングス法律カレッジ教授。パレスチ
ナ研究所上級フェロー、パレスチナ法評議会もと法律コンサルタント。

ナディア・ヒジャーブ
アル=シャバカ:パレスチナ政治ネットワーク代表、パレスチナ研究所上級フェロー

ーーーーーーーーーーーーーー
Q-何が、今回の暴力の爆発を引き起こしたのでしょうか?

ダイアナ・ブット(以下DB) 
4月に、[ファタハとハマースによる]パレスチナ民族統一政府の発足が発表されるや
、イスラエルはそれを破壊することに照準を定めました。まず、政府を孤立化させよう
と圧力をかけ、それがうまくいかないとなると、3人のイスラエル人の少年たち(彼ら
はイスラエルの完全支配下にある西岸地区で誘拐されたのですが)の死を利用して、ガ
ザのハマースを悪魔化しました。

少年たちが行方不明だった18日間のあいだに、イスラエルは西岸の、何百人ものパレ
スチナ人を逮捕しました。その中には、11名の議員と、3年前、捕虜交換で釈放され
た59名のもと囚人たちが含まれます。これらの人々は、3人のイスラエル人少年の死
に何等かのかかわりがあるという証拠などまったくなしに逮捕されたのです。

さらに、イスラエルは、西岸の10人のパレスチナ人を殺害しました。うち3人が子ど
もです。そして3軒の家を破壊しました。イスラエルはガザ地区に空襲をおこない、国
連が報告しているように、10歳の子どもを含む2人を殺害しました。これらはすべて
、ハマースのロケット弾がガザから一発も撃ち込まれていない段階で起きています。イ
スラエルは、パレスチナ統一政府を外交的に解体することに失敗したとき、残忍な軍事
攻撃に訴えることにしたのです。明らかなことは、既成事実が「正解」ではない、とい
うことです。2012年の停戦段階に戻るということは、[今回は]機能しません。[
2012年の停戦を]イスラエルはいとも容易に侵犯にしているからです。

ジョージ・ビシャーラート(GB)
イスラエルは、6月12日に誘拐され殺された、3人のイスラエル人の若者たちの悲劇
的な死を、西岸のハマースを攻撃し、パレスチナの民族的和解を阻害するための道具と
して利用しました。外交的に、民族的和解を阻止しようとして失敗していたからです。
イスラエルは400人以上を逮捕し、2200軒もの家を家宅捜査し、捜査の過程で少
なくとも9人のパレスチナ人を殺害しています。若者たちは、誘拐された直後に殺され
たという証拠があがっていたにもかかわらず、イスラエル政府はそれを隠匿して、イス
ラエルの世論を狂乱状態に煽り、それが、ムマンマド・アブー・フデイルを焼き殺すと
いうむごたらしい事態に直結しました。これらのシニカルな行動が、ガザの境界線に沿
って暴力のエスカレーションを招きました。

ナディア・ヒジャーブ(NH)
イスラエルは、6月12日に3人のイスラエル人の10代の入植者が誘拐され殺された
ことを利用して、西岸と東エルサレムに対する残忍な大弾圧を行いました。人権団体は
、これを集団懲罰として非難しています。イスラエルはとりわけ、ハマースのメンバー
を標的にしました。[少年たちの誘拐と殺害について]ハマースの犯行という証拠もな
ければ、ハマースも責任を否定しているにもかかわらず、です。真の標的は、ハマース
が実現した民族的統一の合意でした。

しかし、事実を言えば、イスラエルによるガザに対する総力を挙げての攻撃は、遅かれ
早かれ起きていたはずです。イスラエルは、ガザに対する自分たちのアプローチを「芝
を刈る」と呼んでいます。つまり、2年か3年に一度は必ず、ハマースを攻撃し、弱体
化しなければならない、ということです。ハマースが停戦に積極的であり、停戦を尊重
しているということが証明されているのに、です。これが、イスラエルが、西岸と東エ
ルサレムの占領と植民地化、そして、ガザの占領と封鎖を「経営する」やり方の一つで
す。

Q-イスラエルは自衛のために行動しているのですか?

DB いいえ、ガザに対する攻撃を最初に始めたのはイスラエルであり、ガザ地区(およ
び西岸)に対して過酷な軍事占領を続けているという事実ゆえに、イスラエルは自衛を
主張することはできません。それどころか、イスラエルは、その軍事支配下で生きるパ
レスチナ人を庇護するという国際法上の義務があるのです。

GB 自衛とは、暴力を最初に行使した国家が主張しうるものではないでしょう。イスラ
エルが西岸のハマースに対して暴力的な攻撃を行ったのですから。

NH いいえ。戦争に関する規定を尊重すると誓う国際条約に署名した国連加盟国に、民
間人や民間のインフラを無差別に攻撃する権利などありません。男性、女性、子供を問
わず、実に大勢のパレスチナ人民間人が死傷しているという事実が、イスラエルの「自
衛」の主張が嘘偽りであることを示しています。ハマースが停戦を維持することに積極
的であったという事実によってもです。

さらに、イスラエルは、何十年にもわたって軍事占領し、植民地化している土地の住民
たち、しかも封鎖下においている住民に対して「自衛」を主張することはできません。
停戦だけがパレスチナ人とイスラエル人を同じように守り、そして、占領と封鎖の終結
こそが、恒常的平和への道を整えます。

ハマースもまた、民間施設を標的にするのをやめなければなりませんが、ハマースは国
連加盟国ではなく、国際法の順守を誓う条約に署名していません。

Q-イスラエルは、ハマースを標的にして攻撃しているのですか?

DB いいえ。イスラエルは民間人の住宅や民間のインフラを攻撃していると思われます
。今日までに、国連の算定によれば、殺された者たちの80%が民間人で、150人が
子どもです。イスラエルは病院や学校、モスクも爆撃しています。これらはすべて、国
際法で、標的にするのが違法とされているものです。

2000軒以上の家とその近隣の地区がイスラエルの攻撃で破壊されました。このよう
なことは、国際法とは矛盾します。住宅など民間の構造物が標的として合法の標的とさ
れるのは、軍事目的に使用された場合だけです。

戦争に関する規定に関するジュネーブ条約追加議定書のⅠは、「信仰の場や、家その他
の住居、学校といた通常、民間の目的のために使用される対象が、軍事行動のために効
果的に使用されているかどうかが疑わしい場合には、軍事目的には使用されていないと
推定しなければならない」 イスラエルは、パレスチナ人の家々が司令センターとなっ
ていると主張していますが、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、こうした主張を退けて
います。

民間人と戦闘員を区別しない攻撃は違法です。イスラエルの論理を使えば、過去あるい
は現在、イスラエルの兵士や警察官がいるいかなる家も合法的標的と言うことになりま
す。軍が存在するところ、たとえば、テル・アヴィヴの防衛相も、合法的標的です。明
らかに、このような論理は受け入れがたいものです。

これはヴィデオゲームではありません。イスラエル軍は、ハマースに関係している者な
ら誰であろうと攻撃しています。戦闘員であるかどうかなどおかまいなしに、民間の基
盤施設であろうと一顧だにせずに。

GB イスラエルはどうやら、ハマースの幹部なら誰でも、「戦闘員」に分類しているよ
うです。実際にどんな仕事をしているかなど関係なしに。たとえばガザの警察庁長官の
タイシール・アル=バトシュは、彼が従兄の家を訪ねているときをわざわざ狙ってイス
ラエルは攻撃し、タイシールは負傷、彼の親族18人が殺されました。

国際法上、警察は民間人です。そして、これは、一見したところ、明らかな戦争犯罪で
す。個人の住宅に対してなされるその他、多数の攻撃も同様に戦争犯罪です。もちろん
、最終的な結論を下すには、さらに調査してみる必要がありますが。

イスラエルは、病院や、浄水施設、下水道、その他、ハマースとは何の関係もない民間
の基盤インフラも攻撃しています。実際のところ、イスラエルは、軍事目標と民間人を
区別するという国際的な法的要請を尊重していると主張していますが、イスラエル自身
の行動が、ハマースを政治的に弱体化させるために故意に民間人を殺すという政策をと
っているということを物語っています。

NH いいえ、民間人の死傷者の数が、イスラエルの主張を切り崩しています。国連の数
字によれば7月22日までに殺された、640人を超えるパレスチナ人の死者の中で民
間人は433人。一方、イスラエル側で殺された民間人は2人です。この数字を比べて
みてください。

Q-ハマースはなぜ、停戦を受け入れるのを拒否したのですか?

DB ハマースにしてもその他の党派にしても、エジプトが提案した停戦案について相談
されませんでした。エジプトはパレスチナやパレスチナ人を代表などしません。パレス
チナ人を代表するのはパレスチナ人だけです。提案された合意の場に主要な当事者がい
ないのに、事態が前進するなど考える方が愚かです。さらに、イスラエルは最近、必要
物資をガザ地区に入れ、同時医、パレスチナ人が亡くなった者たちの遺体を埋葬できる
ようにするための人道的停戦を拒否しました。

GB ハマースは停戦の申し出を受け入れるのを拒否しましたが、この申し出について事
前に相談されておらず、公平さという点で基本的な要件を満たせていませんでした。し
かし、それから24時間以内にハマースその他のパレスチナのグループはイスラエルに
対して10年間の休戦協定を申し出ました。この協定でイスラエルはガザ地区の封鎖を
やめていただろうし、その結果、長期にわたりこの地域の安定も保証されていたで
しょう。しかし、イスラエルはこの申し出に応えませんでした。[長期的安定よりも]
イスラエルにとっては、定期的に「芝を刈る」ことの方が都合が良いようです。

NH ハマースは停戦を受け入れたいと思っていますが、しかし、それは、イスラエルが
尊重し遵守する停戦であり、ガザに対する封鎖を解除する停戦です。ガザのパレスチナ
人は、圧倒的多数を占める民間人もハマースその他の党派のメンバーも、2007年以
来、[封鎖下で]緩慢に殺されるか、[攻撃で]一瞬で殺されるか、という二者択一を
迫られています。イスラエルがガザに課し、エジプトもその維持に協力している厳格な
封鎖の結果、飲料水もなく、栄養も不十分で、医療も十分ではないせいで、病気や疾病
で死ぬのか、イスラエルが、そろそろ「芝を刈る」頃だと決めたとき、あっという間に
死ぬかのどちらかだ、ということです。

「国境の検問所が開放されて、人々や物資が自由に移動できるようにならないかぎり、
ガザのパレスチナ人は、もっとも基本的な権利のないまま、これからも生きることを強
いられることになります。」

Q-ハマースはパレスチナ人を人間の楯に使っているのですか?

DB ガザは縦40キロ、横が最長でも12キロの土地です。そこに180万近くのパレ
スチナ人がいます。ガザ地区は、世界でももっとも人口過密な地域です。さらに、この
攻撃の以前から、ガザ地区の35%の地域がパレスチナ人立ち入り禁止――進入は死の
危険を伴います――になっており、イスラエルは、これらの地域を立ち入り禁止区域と
して維持しています。つまり、ハマースがこの小さな地区の内部で闘うとき、パレスチ
ナ人の民間人を援護には使いません。

[ハマースが民間人を人間の盾に使っていると]イスラエルはずっと主張していますが
、今日まで、国際的な調査によっても、これらの長期にわたる主張を裏付ける証拠は何
もありません。にもかかわらず、この主張が、多くの者に受け入れられ、まかり通って
いるのです。皮肉なことに、その逆こそ、確証されています。イスラエルは、軍事作戦
を行うとき、パレスチナ人の民間人を人間の楯として使っています。

GB ハマースは、居住区の内部から闘います。人口過密なガザ地区です。しかし、ハマ
ースが攻撃避けに、故意に民間人を危険にさらしているという主張は、ほとんど実証さ
れていません。この主張は、「犠牲者を非難する」ためのものです。確かに、パレスチ
ナ人にとっては、パレスチナ人の血を流しているのはイスラエルだといういことは、疑
う余地もなく明らかです。

NH イスラエルは、ニューヨークの半分以下しかないガザ地区の44%を軍事的な「バ
ッファ・ゾーン[進入禁止区域]」にしています。誰が誰を人間の盾に使っているので
しょう?

Q-イスラエル軍は、民間人の死傷を避けるために、可能なあらゆる注意を払っていま
すか。

DB いいえ。「屋根をノックする」方式で、つまり、家を爆破するに先立ってまずミサ
イルを家の上に落とすということですが、死をもたらしています。アムネスティ・イン
ターナショナルのフィリップ・ルーサーによれば、「民間人の家に向けてミサイルを発
射することは、効果的な「警告」を構成するなどということはありえない。アムネステ
ィ・インターナショナルは、ガザ地区に対するイスラエルのこれまでの軍事作戦におい
て、このようなミサイルによって殺害された、あるいは負傷した民間人の事例をまとめ
ている」と彼は語っています。

加えて、イスラエルは[攻撃を警告し、退避を勧告する]リーフレットを撒いていると
主張しますが、これらのリーフレットには、人々がどこに行けば安全かということは書
かれていません。イスラエルの人権団体が書いているように、「リーフレットを撒くこ
とでは、その地域に民間人は一人も残っていないと見なして、民間の用地を攻撃してよ
い、という許可を軍に与えはしない。軍は、すべての住民がほんとうに自宅を後にした
、と仮定してはいけない」

さらにイスラエルは、鉄のドーム・システムが、イスラエルの民間人の死を防ぐのに効
果を発揮していると主張しています。この主張を踏まえ、また、イスラエルの民間人の
死者が2名(パレスチナ人の死者数は650名)であることを踏まえると、民間人を傷
つけずに、イスラエルに向けて発射されるロケットを問題にする別の方法があることは
明らかです。

GB これまでの回答のいくつかが示唆しているように、もちろん、違います。民間人に
対して、効果的な避難場所などどこにもない状況下で家を離れろと警告することは無意
味です。シュハイバル家の3人の少年を含む多数のパレスチナ人が、イスラエルの「屋
根をノックする」というやり方で――つまり、より破壊力のある兵器を使う前に、警告
用とされているミサイルを発射することで――殺されています。

NH ガザは地球上でもっとも人口過密なところの一つです。空から、陸から、海から攻
撃しておいて、何百人もの民間人を殺さないでいることなど不可能です。ガザの民間人
の殺傷を防ぐ唯一の道は、停戦しかありません。ハマースは過去の停戦を遵守してきま
した。そして、平和を実現する唯一の道は、西岸と東エルサレムの占領と植民地化、お
よびガザの封鎖を終結し、長期にわたり否定されてきたパレスチナ人のその他の権利を
尊重するという合意を結ぶことです。

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by hiroseto2004 | 2014-07-25 09:05 | 国際情勢 | Trackback