人気ブログランキング | 話題のタグを見る

庶民派知事で何があっても心配いらない広島を ヒロシマ庶民革命


by hiroseto2004
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

緑の党グリーンズジャパン有志 広島土砂災害調査団 報告書(改訂版)

緑の党グリーンズジャパン有志 広島土砂災害調査団 報告書(改訂版、随時更新)

緑の党グリーンズジャパン有志広島土砂災害調査団長 さとうしゅういち

8月20日未明、広島市安佐南区および安佐北区を中心とした地域を襲った豪雨災害で犠牲となられた皆様には心から哀悼の意を表します。また、被災された皆様には、心からお見舞い申し上げます。

緑の党グリーンズジャパン会員など有志は8月26日と9月4日の二回にわたり、被害が甚大だった地域の調査に入りました。

8月26日の調査について

8月26日の調査は、主に広島市安佐南区八木9丁目付近の交通手段の確保を探るためのものでした。
八木9丁目は、被災前は、JR可部線上八木駅と旧国道沿いのバス停「上八木」「八木小学校前」などのバス停があり、都心や安佐北区の安佐市民病院方面への交通の便には恵まれていました。

災害で、死者こそ出なかったものの、農業用水が氾濫し、泥が喫茶店や福祉施設に大量に入るなどの被害が出ました。

写真1枚目は8月26日の音楽喫茶「アビエルト」から出た15立方メートルもの土砂の山。


そして、8月26日時点では、
1、JR可部線は緑井~可部で運転見合わせ
2、路線バスは、緑井以北は、崖の上を走るバイパスへ迂回。
その結果、上八木駅・八木小学校周辺の高齢者は、写真(2枚目)のような高低差を上がって、崖の上のバス停までいかざるを得ない。
状態でした。


こうしたニーズを8月25日時点で把握していた我々は、同日夜、関係する市議や政党幹部に以下の趣旨の要望を伝えました。

・小型バスを使用して、八木踏切(写真3枚目)を左折し、バイパスへ抜けて都心へ向かうバス運行を確保してほしい。



また、8月26日の現地での聞き取りでは、「実は、安佐南区八木や緑井はテレビで頻繁に報道されるため、ボランティアが集中している。また、不明者の捜索もまだ続いている。それより『八木町』や安佐北区『可部東』のほうが、手付かずの地域が多く大変だ。可部東などにボランティアに行くなら行って欲しい。」との要望を現地の複数の住民の方から伺いました。

こうしたことを受け、26日の調査結果も含め、27日から28日にかけ、関係する広島市議会議員とマスコミ、国会議員、各政党の広島県連などに以下の要望を行いました。

1、バイパス→ジョイフル→八木踏切→上八木駅方面のバスを小型車両で運行し、交通手段を確保したらどうか?
2、梅林駅近くにバス停がないので、新設したらどうか?
3、テレビによく映る安佐南区八木・緑井地区にボランティアが集中する傾向があるので、なるべく、安佐北区にボランティアを配分できないか?

8月28日には、広島市議会の全員協議会が緊急に開催され、緑の党有志も傍聴しました。
この中で、複数の市議が、わたしたちと問題意識を共有する方向での質問をしてくださいました。
また、次世代の党の中丸啓衆院議員の事務所も、広島市の災害対策本部や、西村康稔副大臣に要望を伝えてくださいました。

8月27日からは、一時間に一本ですが、広島交通が小型車両で、中緑井~上八木地区~安佐市民病院の、住民やボランティア対象のバス運行を開始しました。

9月1日には、JR可部線が、一応、全線で運転を再開しました。

9月4日の調査について

こうしたことを受け、9月4日、再び、緑の党有志が現地調査を実施しました。

避難所でボランティアをされている地域の方からは以下のようなお話を伺いました。
1、ボランティアの需要は、現在のところはやはり土砂運搬などが中心。
2、一方で、広島市安佐南区の社会福祉協議会にあるボランティアセンターはボランティアを調整するスタッフが不足している。
3、個別の学区では、ボランティアでできる仕事については需要は満たされている。

また、避難所そのものを拝見した限りでは、
1、物資は充足されている。
2、子どもの遊び場も設置されている。さらに、女性消防団員も巡回してこられ、受付スタッフやリーダーにも女性が多く、防災に一定程度、男女共同参画の視点が以前よりは取り入れられていることが確認できた。
など、評価できる点が多くありました。

いっぽうで、避難所から出ると、復旧といっても課題が多くみられました。

1、用水路は土砂で埋まったまま
上八木駅付近を流れる用水路は泥が溜まり、ちょっとした大雨でも溢れかねない状態でした。




2、古くからの農家が立ち並ぶ地域は被害が少ない。
 今回、壊滅的な被害を受けたのは、業者が開発した住宅地が多かったのは報道の通りです。一方で、古くからの農家風の家が立ち並ぶ地域では、被害は比較的少なかったように見受けられました。

3、八木三丁目などのいわゆる梅林地区では、道路の路肩には依然として土砂が堆積していました。


晴天が続いた場合には今度は路肩の大量の土砂が土煙となり、人々の目や呼吸器を直撃しかねません。


4、可部線は一応復旧しましたが、コンクリート枕木による仮復旧です。ちょっと鉄道に詳しい人から見たら痛々しい光景です。


5、授業再開のめど立たない梅林小学校
梅林小学校は、学区内の広い範囲が壊滅的な被害を受け、今も400人以上が避難しています。学区内の道路も危険なため、授業再開のめどが立っていません。



なお、被災者の多くは、今後は、被災地に近接する広島共立病院の旧病棟に移ることができます。同病院は、たまたま、建て替えの時期だったため、古い病棟が、使用可能な状態で余っていました。被災者の方にとり、教室や体育館よりは、過ごしやすい環境です。このことは幸運だったと思います。

このほか、我々、緑の党グリーンズジャパン有志は、主に以下のような救援活動に参加しました。

8月31日の「あったかみそ汁つくり隊」参加について
8月31日には、八木小学校で、みそ汁を作るボランティアに参加しました。
緑の党グリーンズジャパン有志 広島土砂災害調査団 報告書(改訂版)_e0094315_20061822.jpg
避難者の皆さんはもちろん、作業をされているボランティア、連日、避難所となっている体育館の窓口に詰めて激務をこなされている市役所職員の皆様にも喜んでいただきました。
「野菜を久しぶりにたくさんいただいた」と喜んでいただきましたが、非常時の中で、栄養が偏り、野菜が不足していることの裏返しです。

9月5日の復旧作業(八木)従事について

9月5日には、八木8丁目での復旧作業に従事しました。
庭が土砂に埋まった個人宅での土砂除去作業となりました。
3丁目などよりは被害が少ないとされる同地域ですが、それでも、土砂を搬出すると、あっという間に、近所に土嚢がつみあがるありさまでした。
緑の党グリーンズジャパン有志 広島土砂災害調査団 報告書(改訂版)_e0094315_21205112.jpg
また、土砂の質として、石が多く含まれており、作業の困難さが心配されます。
ボランティアセンターでは、ボランティア志願者全員を被災地に送れない状態が続いていましたが、ミスマッチがつくづくもったいないと実感しました。

9月7日の復旧作業(緑井)従事について

9月7日には、緑井7丁目での復旧作業に従事しました。
緑の党グリーンズジャパン有志 広島土砂災害調査団 報告書(改訂版)_e0094315_23025810.jpg
同地域では10名の方が亡くなるなど、被害は甚大でした。
緑の党グリーンズジャパン有志 広島土砂災害調査団 報告書(改訂版)_e0094315_23092628.jpg
同地域では、床下浸水したお宅での床下の泥撤去と、土砂に埋もれた畑の土砂撤去に従事しました。
緑の党グリーンズジャパン有志 広島土砂災害調査団 報告書(改訂版)_e0094315_13461296.jpg

緑の党グリーンズジャパン有志 広島土砂災害調査団 報告書(改訂版)_e0094315_18031529.jpg
土砂が除去できた場所はまだましです。土砂が除去できていない畑からは悪臭が立ち込めるなどの状態も見受けられました。
この点が大変心配です。

今後に向けての提言

今後に向けて、以下のことを提言します。

1、マスコミの報道が集中した地域以外でも道路や用水路などに大きな被害が出ており、ボランティアはもちろん、行政資源の投入が必要。
道路の土砂は通行の妨げや、乾燥時には目や呼吸器への健康被害のもとになり、用水路に堆積した土砂は雨天時の洪水のもとになるため、早急な対応が必要です。

2、引き続き、バス路線が迂回や寸断されている地域では、小型車両の活用などによる、交通手段の確保をお願いしたい。※特に、八木9丁目方面での引き続きの取り組みをお願いしたい。

3、被災者に提供される県営住宅が、場合によっては被災地から片道1時間以上かかる場所もある。これでは、いままでの人的なつながりから完全に断たれてしまう。すでに、みなし仮設住宅を確保していただいていることは評価するとともに、引き続き、同じ安佐南区の祇園など、被害が少なかった地域に、空き家を活用する形で、みなし仮設住宅を確保していただきたい。

4、災害対応情報を一元的に発信するサイトを立ち上げていただきたい。

 とくに広島県の場合は、せっかくの「防災WEB」

http://www.bousai.pref.hiroshima.jp/hdis/

があるので、支援策も含めた情報を一元的に発信してほしい。

5、人口右肩上がり時代に開発を進めた地域で被害が大きかったことを反省し、また、今後の人口減少社会もにらみながら、危険地域からは「なるべく撤退」する方向での都市政策・国土政策の転換。
  ・警戒区域や危険個所が近い地域からのきめ細かな移転支援策。
  ・警戒区域だけでなく、危険個所も、不動産の売買や賃貸契約の際情報公開することを義務付ける。

※9月5日から上八木駅周辺を通行するバスは平常運転に戻りました。

広島市災害ボランティア対策本部
http://hiroshimavc.jp/
緑井7丁目で広島県労連の皆様と復旧作業
http://hiroseto.exblog.jp/22365724/
交通復旧も土砂との苦闘続く八木小学校区【広島土砂災害】
http://hiroseto.exblog.jp/22361468/
被災地であったかみそ汁つくり隊
http://hiroseto.exblog.jp/22346742/
広島市議会全員協議会2【広島土砂災害】
http://hiroseto.exblog.jp/22338056/
広島市議会全員協議会1(広島土砂災害)
http://hiroseto.exblog.jp/22337754/
緑の党有志 広島土砂災害調査団 報告
http://hiroseto.exblog.jp/22335334/


by hiroseto2004 | 2014-09-04 21:56 | 広島土砂災害(広島豪雨災害) | Trackback