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庶民派知事で何があっても心配いらない広島を ヒロシマ庶民革命


by hiroseto2004

復刻版本紙記事 広島市政編 広島市 議会多数派の市長いびり 2005年6月17日

広島市 議会多数派の市長いびり

広島市では現在、議会多数派による秋葉市長への「いびり」ともいえる事態が起きています。これについて、市議らに取材しました。

 広島市議会では、議会多数派による秋葉市長への「いびり」ともいえる事態が起きています。これについて市議らに取材しました。

 広島市議会は、無所属を含め14の会派に分かれていますが、2003年2月の市長選挙で対立候補(自民・公明推薦の元助役や無所属の元カープ監督)を推した勢力が、多数を占めています。





 市長と議会多数派の対立については、2002年の3月議会のころから始まっているようです。

 まず、女性を助役に登用しようとした市長に対して、議会が「待った」をかけました。6月にも提案されましたが、再び否決されました。その後、2003年に市長が再選された後、再び女性助役登用の人事案件を議会に提出しましたが、議会多数派は事前に議会規則を改めて導入した無記名投票で、これを否決しました。

 この無記名投票は、採決方法をめぐり記名投票か無記名投票かで議員の意見が分かれた際に「起立採決」で決めていたものを、「無記名投票」に改めたものです。誰が反対したか分からないようになる、というあんばいです。市長の足を引っ張りつつ、自分は市民からの監視の目にはさらされない、という仕組みといえます。

 2003年度、市長の選挙公約に従って、公共事業見直し委員会がスタートしました。しかし、議会多数派は2004年度予算案で、公共事業見直し委員会の部分をカットした修正案を可決させました。そして、今年度予算案の審議が行われた3月議会。またしても予算案は議会多数派による修正案が提出され、可決されました。

 その修正案の中身とは、以下のようなものです。

・介護保険料の引き上げは市提案より84円圧縮して896円の引き上げで月額4,786円とする。
・被爆60周年事業として行う8月5日の「夕べのコンサート」について予算を削除する。(8月6日のコンサート分は可決)
・市提案の原爆資料館の無料化は見送る

 このうち介護保険料引き上げについては、私も反対の立場です。なぜならば、被爆者の分について国が責任を持つようにすれば引き上げは必要無い、と市当局も答弁しており、そういう方向で国に働きかけ、今年度の引き上げは見送るというのが筋だと思うからです。

 しかし、議会自民系会派などが提案したこの引き上げ圧縮は、提案した議員らも根拠を問われても「数字に根拠は無い」という始末です。それに、無理に給付を抑制すれば介護保険の趣旨に反します。結局、何かにかこつけて市長の足を引っ張りたいがため、という意図を感じざるを得ません。

 「夕べのコンサート」については、反対理由がもっと変です。「財政難」が公式の理由ですが、ある自民系会派市議は、「音楽のことはよくわからないが曲が気に入らない」などと言っていたそうです。

 コンサートについては、この5月27日からの臨時議会で補正予算が再提案されました。しかし、同月30日の総務委員会で否決され、本会議でも公明・共産・社民などが賛成したものの自民系会派などの反対多数で否決されました。

 これについて議会主流派などは、「外部からの複数の開催提案を絞り込んだ過程が不透明だ」「議会の議決前に合唱練習を始めている」など、市の事業の進め方を批判しました。

 このため市長は、市の事業としての8月5日のコンサート実施は、断念せざるをえなくなりました。ただ、コンサートを進めてきた民間の人たちは、企業などから協賛金を集めて何としても開く意向で準備を進めています。

 それにしても、議会の議決の前に練習を始める事をいちいちとがめるのは、形式にこだわった揚げ足取りといわざるをえません。まして、それをもってコンサートを中止させるほどのことではないと思います。むろん、市側にも油断はあったとも思います。まさか、平和関係の予算を削る事はないだろう……と。そうした雰囲気が反発を招き、今まで市長に理解を示していた会派からも、反対に回る会派を出す結果になったとも言えます。

 ともかく議会主流派にとっては、市長が2期目に入って以降進めてきた公共事業見直しなどの改革姿勢が、今まで大型事業を推進してきたこともあり、気に食わないのでしょう。また、議会主流派は、かつては人事にまで介入していました。市長に改革を進められて困っているのでしょう。

 しかし、本来の議会の役目とは、市と建設的な政策論争をすることではないでしょうか。広島市市議会は「オール与党で緊張感がない」という状態ではありませんが、つまらないところでの揚げ足取りは困ったことです。

 また、市民の皆さんも、こうした議会の動きを、監視すべきではないでしょうか。国際平和文化都市にふさわしい議会となるよう、働きかけるべきです。議会を、市長の足を引っ張る場ではなく、建設的な議論が民主的にきちんと行われる場にすべきだと考えます。
by hiroseto2004 | 2014-11-01 17:58 | 広島市政(広島市議会) | Trackback