【人権も平等も「当たり前」ではなかった「70年前」を認識させられる90代の方との会話】
2015年 10月 14日

【人権も平等も「当たり前」ではなかった「70年前」を認識させられる90代の方との会話】
この仕事に就いたがために、90代の方と日常的にお話をすることになっています。90代の方と雑談をさせていただくと、はっとさせられることが少なくありません。
ある時、「(自分が)若いときは、女が風呂に入るのは最後じゃった。ここ(老人ホーム)では一番風呂に入れるけえ、ええのう。」というお話を伺いました。
その方が若い時が20代とすれば、戦時中から戦後すぐくらいのことでしょう。
その時代の女性の人権なんてそんなものだったのです。
いまでも、賃金格差が大きい、女性の政治家が少なすぎるなどの問題が残されていますが、それでも「平等がめざすべきもの」という前提になっています。しかし、70年前は「不平等が当たり前」だったのです。
また、ある時は「今は紙のパンツがあって、便利じゃのう。昔は子どものおむつを洗濯するので大変じゃった。」というお言葉を伺いました。わたしは、「洗濯機もなしですよね?」と思わず聞き返しました。
今は、わたくしも含めて、介護職員は、ご利用者様の洗濯物を洗濯機に入れ、それを乾燥機に乾かしてもらって、畳んで収納することで、(他の業種より低いとはいえ)お給料を頂いているわけです。昔の女性はすさまじい無償労働を強いられてきたのです。
では、それで支えられた男性が幸せかと言えばそうではないのです。このご利用者様の年代の男性たちは、戦争に送り込まれた挙句、南洋諸島や東南アジアのどこかの戦場で、飢えや病気に苦しんでバタバタと倒れていったのです。
もちろん、介護・育児をはじめとして、現状を取り巻く環境の改善はさらに追求していかなければなりません。
しかし、現状まで改善してきた先輩方の努力も認識し、敬意を払わなければならないと思います。

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