「わけもなく元気だった」1980年代(金丸・竹下時代)への郷愁に便乗するYモバイルと安倍総理ーーポストモダンの「失われた」四半世紀への反動
2016年 06月 13日
Yモバイルは、「東北新幹線」や「平成おじさん」(小渕恵三、後に竹下派会長、総理、故人)の画像をバックにしたコマーシャルで「あの時代、訳もなく元気だった」と、1980年代を持ち上げ、最後に1980円の同社サービスをPRするCMを出しています。
https://www.youtube.com/watch?v=AnD-olTMNmA
1980年代への郷愁って結構あるんですね。そこをYモバイルは狙っている。
安倍総理も、経済政策を見ると、1980年代に一挙にバックしたかのような内容です。
「地方創生」って、竹下登の「ふるさと創生」のパクりそのものです。オリジナリティなんてない。
リニアに三十兆円も、竹下腹心の金丸信の夢。経済政策だけ見たら、アベノミクスを草葉の陰の竹下、金丸は泣いて喜んでいるでしょう。
だけど、ポストモダン(冷戦が崩壊した1991年から現在)に失望落胆した層を引き付けるには竹下登の焼き直しでいいと踏んでいるのでしょう。
実際には、竹下が消費税増税、お金持ち減税をしたことがいまの格差拡大の遠因です。
竹下腹心の橋本龍太郎が行った国鉄民営化はその後の公共サービスの後退につながった。
だけど、何となくみんな元気だったイメージだけが残り、あの時代を取り戻したいという人たちに、安倍晋三総理が漬け込んだ面はある。
「竹下登焼き直し」で得た議席を利用して、「軍事産業がぼろ儲けする日本をトリモロス。」のが総理の狙いです。
もちろん、もう前提条件が違うのに同じことをしても上手くはいかない。
1990年代から2000年代前半にポストモダンの時代に、時代に合わせた格差是正策を取らず、新自由主義に突っ走った日本。
子育てや介護などに投資を怠たり、再生可能エネルギーに投資を怠った結果が、2010年代の今、噴出しているのではないか?
ポストモダン時代の日本は間違っていたと思う。モダンの良い面を否定し、そのわりにモダンが直面していた問題は解決できなかった。
しかし、だからといって、総理のように1980年代へ逆行しても得るものは少ないのではないか?だけどそれが一定程度、ウケてしまう。人々の潜在意識の中にある、金丸・竹下時代への郷愁。
それはしかし、以下の弊害を伴う。
1つは勢い余って、ポストモダンがせっかく勝ち取った多様性の尊重などを、新自由主義といっしょくたに排除してしまうこと。
1つは、安倍晋三総理を押し上げ、結局、日本がモダンどころかプレモダンに逆行しかねないこと。
その事は心したいものです。