原発事故避難者への住宅支援の継続を求める意見書(茅ヶ崎市議会)
2016年 06月 29日
原発事故避難者への住宅支援の継続を求める意見書
東京電力福島第一原子力発電所事故から5年以上経過したが、事故の収束の見通しはいまだ立たず、被災者は、故郷を離れ長期の避難生活を余儀なくされている。
政府(原子力災害対策本部)は、平成27年6月に「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」を改訂し、「年間積算線量20ミリシーベルト以下・日常インフラの復旧・住民等との協議」を要件とし、避難指示区域指定の解除、平成29年3月での区域外避難者(自主避難者)の住宅支援の打切り、平成30年3月での損害賠償の打切りの方針を決定し、準備を進めている。
福島県が実施した区域外避難者らを対象とした意向調査の中間結果(平成28年3月)によると、回答者のうち約7割が「平成29年4月以降の住宅が決まっていない」と回答し、避難者の多くは、支援終了後の具体的な見通しが立てられていないことが浮き彫りとなった。
多くの区域外避難者、特に小さな子どもの親たちは、避難の継続を希望している。避難者を支援する団体や自治体も、住宅借上制度の複数年延長と柔軟な運用を求めてきた。
避難者の生活の最も重要な基盤となる住宅への支援に当たっては、長期にわたる放射性物質による汚染という原子力災害の特性を考慮する必要があり、現在のような災害救助法による対応ではなく、いわゆる原発事故子ども・被災者支援法(以下「支援法」という。)に基づく抜本的な対策が必要である。
よって、国及び神奈川県におかれては、次の事項を実現されるよう強く要望する。
1 原発事故による避難者に対する公営住宅や民間賃貸住宅などでの無償住宅支援の延長を行うこと。
2 各自治体の公営住宅の空き家募集の際の優先入居制度を拡大するなど、安心して暮らせる住まいの確保を支援すること。
3 原発事故による被災者が避難を選択する権利を有することを認め、そのための国の責任を定めた支援法を遵守し、支援法に基づく抜本的・継続的な住宅支援制度を確立すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成28年6月29日
内閣総理大臣
国土交通大臣 あて
復興大臣
茅ヶ崎市議会