バングラディシュ、IS系メディアが犯行声明
2016年 07月 02日
IS系メディア「24人殺害」 バングラ当局は未確認
菅義偉官房長官は2日夜の記者会見で、バングラデシュで救出された13人について「そのうち1人は日本人、2人はスリランカ人」とし、さらに「20人が死亡したとの情報を発表したと聞いている」と語った。
一方、日本人7人と連絡が取れておらず、その安否については「大変厳しい状況であると認識している」と述べた。
国際協力機構(JICA)によると、事件に巻き込まれた日本人計8人はいずれもコンサルタント会社に所属し、JICAの交通インフラ事業に携わっていたという。JICAの北岡伸一理事長は2日夜に記者会見し、「1人がけがをして病院におり、7人と連絡がついていないということで、大変憂慮して深刻に受け止めている」と話した。
JICAによると、発生の1時間後にJICA現地事務所が事件を把握。職員らの無事は確認できたが、その後、コンサルタント会社の社員らで安否が確認できない人がいることが分かったという。
コンサルタント会社「アルメックVPI」(東京都新宿区)によると、救出された日本人は、40代の男性の渡辺玉興(たまおき)さん。
この事件を巡り、過激派組織「イスラム国」(IS)系列のメディアが2日未明、「外国人を含む24人を殺害した」などと伝えた。バングラデシュ当局や米国務省は内容を確認できないとしている。
グループは1日夜、レストランに侵入すると、「神は偉大なり」とアラビア語で叫んで発砲。外国人らを人質に立てこもった。駆けつけた治安部隊に爆発物を投げたり銃撃を加えたりして、治安部隊員2人が死亡した。当局は突入後、立てこもり犯6人を射殺したと発表した。
現場は大使館や高級ホテル、レストランなどが並ぶ高級住宅街のグルシャン地区。外国人が多く暮らしており、警備は比較的厳しく、治安も良好な地区とされる。だが、昨年9月には同じ地区で、援助機関で働くイタリア人男性が殺害される事件が起き、ISを名乗る犯行声明が出た。(塩入彩、ニューデリー=貫洞欣寛)