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庶民派知事で何があっても心配いらない広島を ヒロシマ庶民革命


by hiroseto2004

平岡元市長、韓国介護施設での被爆者追悼式に参加

平岡敬・元広島市長は現役時代最初の平和宣言で、市長として初めて日本の加害責任に言及されました。

わたしは、彼とは過去何度かの広島市長選挙で違う候補を応援するなど、政治路線は必ずしも一致しません。しかし、彼が市長を引退し、88歳になられた今も、韓国へ出向き、活動される姿に心から頭が下がります。一人の広島市民として彼の活動に感謝し、誇りに思います。

日本政府が戦後責任の総括も不十分なまま、新たな戦争(対テロ戦争)に突入した今こそ彼にはまだまだお元気に活動して頂きたいと思います。もちろん、若い者も彼に負けてはいけないのですが!


韓国で被爆者追悼式 謝罪ないと元広島市長

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016080601001455.html

 【陜川共同】広島への原爆投下から71年の6日、被爆後に朝鮮半島に戻った人が多く暮らす韓国南東部・陜川の被爆者介護施設「陜川原爆被害者福祉会館」で、原爆による韓国人犠牲者の追悼式が開かれた。

 式には元広島市長、平岡敬さん(88)も出席し追悼の辞を述べた。平岡さんは「日本政府は原爆投下による韓国人の犠牲と苦難に正式の謝罪をしていない。それゆえ私たち日本人は、苦しみながらこの世を去った方々に、安らかにお眠りくださいと、とても言えない」と千柱余りの位牌に語り掛けた。





平岡敬・広島市長の最初の平和宣言(1991年)は以下です。

平和宣言

8月6日のきょうは、広島市民にとって悲しく、つらい日である。そして、平和への決意を新たにする日であり、世界の人びとに記憶し続けてほしい日である。

46年前のきょう、広島は一発の原子爆弾によって壊滅し、数知れぬ命が失われた。それは人類が初めて体験した核戦争であった。ヒロシマはその体験から、核戦争は人類の破滅につながることを知り、苦しみや憎しみを乗り越えて、絶えず核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現を訴え続けてきた。

人類はきょうまで、かろうじて核戦争は回避してきたが、無謀な核実験の続行や原子力発電所の事故などで、放射線被害が世界の各地に拡がりつつある。もうこれ以上、ヒバクシャを増やしてはならない。

ヒロシマはいま、新たにチェルノブイリ原発事故の被害者らに医療面からの救援を始めたが、ヒバクシャはぼう大な数にのぼっている。ヒロシマは国際的な救援を世界に訴え、その先頭に立ちたいと思う。

先のイラクによるクェート侵攻は決して許されるべきことではない。しかし、湾岸戦争は、多くの死傷者や難民を続出させたうえに、地球の破滅を招きかねない環境破壊をもたらした。私たちは、武力によることなく紛争を解決する道を確立しなければならない。

日本はかつての植民地支配や戦争で、アジア・太平洋地域の人びとに、大きな苦しみと悲しみを与えた。私たちは、そのことを申し訳なく思う。ことしは、太平洋戦争が始まって50年に当たる。私たちは、真珠湾攻撃から広島・長崎への原爆投下に至る、この戦争の惨禍を記憶し続けながら、世界の平和をあらためて考えたい。

平和とは単に戦争のない状態を言うのではない。私たちは、飢餓、貧困、暴力、人権抑圧、難民生活、地球環境破壊など、平和を脅かすあらゆる要因を取り除き、人間が安らかで豊かな生活のできる、平和の実現に努力したい。

世界は冷戦後の新世界秩序の模索を始めている。核軍縮にも大きな進展がみられた。平和への重い扉は少しずつ開き始めた。それを開けるのは私たち一人一人の英知と努力である。

ヒロシマは世界に訴える。

核実験を直ちに全面禁止し、核兵器を一日も早く廃絶しよう。

戦争の空しさと愚かさ、平和の尊さを自覚し、人類の幸せを実現しよう。

ヒロシマの訴えは人類生存への叫びにほかならない。世界の指導者は、この声に耳を傾けてほしい。

私たちは、国際協力のあり方を真剣に考え、世界平和に貢献しなければならない。日本国憲法の平和理念を尊守し、平和の尊さを教える教育を推進しなければならない。国家補償の精神に基づいた被爆者援護法を速やかに実現しなければならない。朝鮮半島や米国など海外在住の被爆者にも、援護の施策を講じなければならない。これらの実現のため、日本政府の一層の努力を求める。

きょう、被爆46周年の平和記念式典を迎え、原爆犠牲者の御霊に心から哀悼の意を表するとともに、平和への不断の努力を市民の皆様とともにお誓いする。


1991年(平成3年)8月6日


広島市長  平 岡  敬


by hiroseto2004 | 2016-08-06 20:23 | 広島市政(広島市議会) | Trackback