台風による川の氾濫などで被害が拡大した岩手県岩泉町で、2日、新たに数人が心肺停止の状態で見つかりました。岩手県内では、道路の寸断などで、今も岩泉町を中心に1000人以上が孤立していると見られ、岩手県は、現地に災害対策本部を設けて支援にあたっています。
岩手県岩泉町では、警察が2日、これまで立ち入ることができなかった地域にも範囲を広げて捜索を行い、新たに数人が心肺停止の状態で見つかりました。このうちの1人は、入所者9人が死亡した高齢者グループホームからおよそ300メートル離れた「道の駅いわいずみ」の近くで見つかりました。警察が、身元の確認などを進めています。
岩手県内では、これまでに、岩泉町と久慈市で合わせて12人の死亡が確認されています。また、午後4時現在、岩泉町内の9人と連絡が取れなくなっていて、警察などが安否の確認を進めています。
一方、岩手県によりますと、道路の冠水や土砂崩れで、2日午前11時半現在、県内で1093人が孤立していると見られるということです。孤立していると見られる住民は、岩泉町の6つの地区の27か所で873人に上っています。内訳は、大川地区で388人、安家地区で234人、鼠入地区で109人、上有芸地区で21人、猿沢地区で83人、岩泉地区で38人となっています。また、久慈市では、山根町で186人、山形町繋で34人が孤立していると見られています。宮古市では、すべての孤立が解消したということです。
一方、避難所に避難している人はさらに増え、5つの市町村で832人に上っています。内訳は、岩泉町で742人、田野畑村で35人、宮古市で31人、久慈市で16人、釜石市で8人となっています。
岩手県内では、今も各地で停電や断水が続いています。岩手県は、2日、岩泉町に現地災害対策本部を設け、孤立している人たちの支援や連絡が取れない人の安否の確認などを進めています。