□共産党と連立の一方、「アメリカも国連も人権人権とガタガタ抜かすな」というドゥテルテ
2016年 09月 10日
フィリピンのドゥテルテ大統領。麻薬犯罪者を現場でぶち殺しまくっています。ハッキリ言って、刑事訴訟法的に言えばむちゃくちゃです。
本日は、国連の潘基文事務総長を馬鹿者呼ばわりしました。先日、オバマ大統領を侮辱したのに続き、世界のトップリーダーを屁とも思わぬ姿勢を見せています。
他方、ドゥテルテは、フィリピン史上初の共産党員の閣僚を誕生させています。彼は貧困撲滅に対しても並々ならぬ意欲を持っていることはこれでうかがえます。
おそらく、彼なりの信念は「貧乏人を騙して麻薬を売りつける奴はぶち殺せ」ということなのでしょう。
そして「そのためには、国連やアメリカみたいに人権、人権とガタガタ抜かしていては手遅れだ。」と言いたいのでしょう。
そして、「アメリカが人権人権と抜かしながら白人警官が黒人を殺しまくって」いたり「欧州が、死刑廃止と言いながら犯罪者を現場で殺して」いたりすることは笑止千万、ということなのでしょう。
確かに、ポストモダン期に入って以降の欧米のダブルスタンダードは輪をかけてひどくなっているように見えます。人権、人権と言いながら、絶対王制でイエメン虐殺を続けるサウジアラビアを優遇するなど、どうかしています。さらに、新自由主義グローバリズムの中で経済格差も拡大している。
そうした中で、ドゥテルテのような人間がバカ受けするのも支持はしないが、「歴史的必然」ではあります。
「ポストモダンの欧米」なり「アメポチ的知識人・政治家」への怒りや彼らが生み出したデフレや貧困への反発の勢い余って人権なり多様性の尊重が脅かされる状況に入っているのが2016年の世界である。
ポストモダン自体は最悪のテロ国家で前近代のサウジアラビアと癒着するなど、自滅は自業自得で歴史的必然である。
他方で、ポストモダンの道連れで人権なり多様性の尊重なりが脅かされる状況。
これにどう対応するか。これが、社会運動、そして日本で言えば野党連合・市民連合の課題です。
by hiroseto2004
| 2016-09-10 19:38
| 国際情勢
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