2010年は非正規労働者による暴走、2016年は正社員同士の殺人事件【マツダ】
2016年 09月 24日
広島市の自動車メーカー、マツダの社員寮で、19歳の男性社員が殺害され、現金などが奪われた事件で、強盗殺人の疑いで逮捕された同じ寮に住む20歳の社員の男は、男性に「腹が立った」などと供述していることが警察への取材でわかりました。2人は、ほとんどつきあいはなかったと見られ、警察は動機や、詳しいいきさつなどを調べています。
今月14日、広島市南区の自動車メーカー、マツダの社員寮の非常階段の踊り場で、この寮に住む社員の菅野恭平さん(19)が頭などを殴られ、殺害されているのが見つかりました。
警察は24日未明、同じ寮に住む社員の上川傑容疑者(20)が消火器で頭を殴るなどして殺害し、現金およそ120万円と携帯電話を奪ったとして強盗殺人の疑いで逮捕しました。
警察によりますと、「間違いありません」と容疑を認めたうえで、菅野さんに「腹が立った」などと供述しているということです。
2人はいずれも去年4月に入社し、寮の同じ階に住んでいましたが、ほとんどつきあいはなかったと見られ、警察は動機について調べています。
また、これまでの調べで、菅野さんは事件当日の午後2時から3時ごろにかけて、上川容疑者が運転する車で複数のATMなどを回って現金を引き出したあと寮に戻り、午後3時半ごろに殺害されたと見られていて、警察は詳しいいきさつを調べています。
寮の住人「まさか」
同じ寮に住む20歳の男が強盗殺人の疑いで逮捕されたことを受け、寮の住人からは驚きの声が上がっています。
上川容疑者と同期で、同じ7階に住む男性は「上川容疑者を最後に見たのは2週間ほど前で、あいさつをしたが、特に変わった様子はなく逮捕されたと聞いて非常に驚いた」と話していました。
また、上川容疑者の先輩の男性は「優しそうな普通の後輩で、人に手を上げるようなことはなかったので、まさかという感じだ」と話していました。
また、寮に住む男性は「仕事は熱心にしていて、気さくな性格で私も仲よくしていた。暴力沙汰を起こすようには思えない。被害者の菅野さんも知っているが、2人が話しているのを見たことがないので驚いた」と話していました。