TPP否定=自由貿易否定という慶大教授に疑問
2016年 10月 23日
TPP否定=自由貿易否定という慶大教授に疑問
今朝の日曜討論。お年寄りが御覧になっているのが、掃除しながら耳に入ってきました。
慶大教授が、「アメリカではTPP反対が多数だが、自由貿易は圧倒的に賛成多数なのにおかしい」
という趣旨の議論をしていました。
慶大教授ともあろう方がおかしいことをおっしゃると疑問に思いました。
そもそも、今どき自由「貿易」でない関係といえば例えば北朝鮮のような国と世界の他の国とか、さもなくばアメリカとイランなどの最近まで険悪で制裁が行われているケースくらいでしょう。
自由貿易賛成かといえば、そもそも、貿易そのものは、いまとなっては例外をのぞけば自由なので、特に反対という意見はあまり出ないでしょう。核兵器廃絶に賛成かというのと同じレベルの話です。(これが、WTOがなかった1980年代なら違った調査結果になったでしょうが。)
問題は、TPPを現状のまま実施すると、多国籍企業のやりたい放題を規制できなくなることです。
それこそ、民主主義を無意味化してしまいます。
アメリカ国民も分かっているのです。
自分たちの国(州)の仕組みがNAFTA加盟国のカナダやメキシコの企業に訴えられている苦い経験があるから。
後は政治的に中国を牽制するため、くらいしか目的はないように見えます。
だが、そもそも、中国は、日本にとってもアメリカにとっても、最大のお得意様です。
また、中国を政治的に牽制するつもりならEUのような政治的統合や通貨統合が筋です。あるいは、事実上のEU軍であるアジア版NATOをつくるなら、賛成はしないが、筋は通ります。
しかし、アメリカが絶対にそこまでは踏み込まないだろうから、何の為に何をしているかさっぱりわからなくなってくる。
クリントンもトランプも反対なのは当たり前です。
日本は、過去、ナチスに追従し、ナチスが降参した後も戦争を続けた前科があります。
今度はアメリカが降参した後も新自由主義推進という戦争を最後まで貫徹するのか?