ロシア大使暗殺を独裁強化に悪用するエルドアン大統領
2016年 12月 22日
ロシア大使暗殺事件は、結局は、エルドアンが、親露に舵を切る過程で起きたと言うことでしょう。
今年前半まではロシアと喧嘩をして、シリアの反政府勢力(実際は、米英仏の傀儡)を支援。しかし、7月の親欧米・世俗派の多い軍部のクーデター未遂を契機、カンカンに怒ったエルドアンはロシア寄りに軌道修正。ロシア空軍機を打ち落とした「犯人」もクーデターに参加していたと言うことで、ロシアに突き出し、エルドアンはロシア機撃墜を謝罪しました。
しかし、長い歴史ではトルコはロシアにこてんぱんにやられてきたので反露感情は極めて強い。
エルドアンの路線転換は「トルコ版右翼」たちの不満を高まらせた。そして、その中の跳ね返り分子がロシア大使へのいわば「トルコ版天誅」=「アッラーアクバルと叫んでのテロ」を行った。
それに対して、エルドアンは、自らの政敵・ギュレン師(穏健派)を黒幕だと決めつけました。穏健派をぶっ叩いて、求心力を高め、独裁を強めようとしています。
日本に当てはめれば、日本国内で北方領土問題で不満を抱いた右翼による対ロシアテロが発生し、安倍晋三政権が、リベラル派が犯人だと決めつけ、大弾圧を行うようなものでしょう。
まあ、そもそも、日本の「ネトウヨ」は
「安倍さんがロシアに膝を屈するのは中国に対抗するために仕方がない」
の大合唱ですから、トルコのような事件は有りないでしょうけど。
その意味では、今の日本は、トルコと違って「強権を使わなくても安倍晋三が権力を振るいやすい」ということなのでしょう。
エルドアンは、安倍晋三がうらやましくて仕方がないのでは?
以下、エルドアンの本音^
「晋三、おぬしの国の国民はおとなしい連中ばかりでええのう。お前の国では右翼と言っても単におぬしに盲従するだけの連中ばかりけえのう。わしと違って血なまぐさいことはとりたててせんでええのう。うらやましいのう。うちの右翼は、血気盛んでわしの言うことをきかないで暴走する連中ばかりじゃけえ、苦労が絶えんわい。」