日本人の思想はなぜ「斜め上」に向かうのか?~「近代の超克」と「ムラ社会のポストモダン」
2016年 12月 31日
日本人の思想はなぜ「斜め上」に向かうのか?~「近代の超克」と「ムラ社会のポストモダン」
米英仏などが絶対的に正しいとはいわないし、ソビエト(ロシア)や中国が正しいとも言わない。
しかし、日本人の思想はなぜか、既存物や権威への批判の勢い余ってなぜか「斜め上」に向かってしまう傾向があるのではないか?
人権、民主主義が建前の米英仏が、昔は植民地支配しまくり、
今は空爆しまくりなのは事実です。
だが、米英仏的なものへの反感の勢い余ったのが第二次世界大戦中の「近代の超克」です。
まさに斜め上の展開で、戦争を推進してしまった。
そして、1989年に冷戦崩壊が崩壊した後は、ソビエトへの批判の勢い余って、格差を是正する仕組みそのものも否定してしまった。あるいは、戦後日本への批判の勢い余って、新自由主義が加速。気がつけば、子どもの貧困率をはじめ、先進国でも最悪レベルの新自由主義国家になった。
そして、今。安倍総理はどうやら、米英仏的な民主主義は本音ではお嫌いのようである。
安倍総理は、どちらかといえば、ロシアのプーチンやトルコのエルドアンのほうがウマが合いそうである。
確かに、米英仏のダブスタはムカつく。シリアやウクライナの問題にしてもロシアが一方的に悪い、なんてことはない。ウクライナの現政権はネオナチがかんでいてうさんくさいし、シリアのテロリストをアメリカやカタールが支援していた方がむしろ問題でしょう。
さらに、ここ四半世紀に渡った新自由主義の悪影響が広がる中で、心の余裕がなくなっているのも確かである。
総理はそうした日本人の中に広がる潜在意識をかぎ取って、最近の行動を考えているのではないか?
とはいえ、だからといって、「新自由主義」や「米英仏のダブスタ」とセットで「民主主義や人権」までも否定してしまっては本末転倒である。
最近では、安倍政治に怒るのは良いが、勢い余って総理より新自由主義的な政治家を持ち上げてしまう人もおられる。それも如何な物かと思う。
時代の転換期に、なぜ、日本は怒りの勢い余って、「民主主義や人権」そのものを否定してしまう「斜め上」を繰り返してしまうのか?
民主主義や人権が根付いていない、日本が相変わらずムラ社会であるなど理由はいろいろ考えられる。
しかし、そろそろ「斜め上」はやめないと危ないのではないかと思うのです。
by hiroseto2004
| 2016-12-31 09:12
| 思想・哲学
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