「上り坂時代」左派が「上り坂懐古右派」と「下り坂時代」左派による挟撃フルボッコ時代を象徴する「上野炎上」
2017年 02月 17日
「上り坂時代」左派が「上り坂時代懐古」右派と「下り坂時代」左派の挟み撃ちになる時代を象徴する「上野炎上」
上野千鶴子先生の「炎上」。
http://migrants.jp/archives/news/170213openletter
この大きな原因の一つは上野先生が、どちらかというと人生の大半を日本国が「上り坂」だった時代で過ごしているということです。
上野先生ら「上り坂世代」と日本の「下り坂」しか知らない、団塊ジュニアくらいから下の世代との感覚のずれ。
これが、炎上の原因の一つにはなったと思います。
(年配世代=上り坂世代で、1980年代を取り戻したい人(日本の安倍支持者、アメリカのトランプ支持者に相当)も上野先生を叩くので、結局、全方向から上野先生がフルボッコされているように見える。)
上野先生の世代においては、上り坂だった時代に、物質的な豊かさに加えて多様性の尊重などを求めるという流れがあった。
連合(企業内労組)や自民党などに属する同世代の中軸を担ってきた男性陣が切り捨ててきた女性にスポットを当てたという意味では、上野先生らの功績は間違いなくあった。
それはそれで結構なことだが、残念ながら、非正規労働者が増え、正社員も所得が落ちている下の世代にとっては、上野先生らの「恩恵」は見えにくいのです。
下の世代にとっては、連合などの男性陣のエリートも、上野先生らの市民派も「打倒対象」になってしまうのです。
若い人は連合(自治労、日教組、電力総連など)への反発の勢い余って、橋下徹さんを支持する。
他方で、年配世代男性を中心に上野先生らへの反発の勢い余って「1980年代を取り戻してくれそう」な安倍自民党へと流れる人もいる。
そうした傾向が見受けられます。
ヒラリー・クリントンがアメリカ大統領選挙で負けたのと似た構図が見受けられます。
アメリカの場合も、サンダースを支持するような若者はクリントンもトランプも嫌いだった。それは女性であってもです。「男女差別」よりも「明日のメシ」の方がアメリカのリベラル派の若い女性にとっても大事であったのです。
日本においても、いまや、「下り坂世代」の若い女性では上野先生らが問題とする「男女差別」よりも「過労死」のほうが、「差し迫った脅威」であるのは間違いないでしょう。
「下り坂世代」の悩みに応える左派が今求められているのです。「上り坂時代」左派の上野先生が、「下り坂時代」左派(になるべき人たち)をも敵に回してしまうのは当たり前です。
その上で上野先生は自棄を起こされたのか、「日本は多文化共生は無理」と言ってしまい、既に日本におられる移民の方を傷つけてしまい、「身内」からのフルボッコになり、「炎上」というわけです。